ドワンゴ、12年9月期は営業19%減益…「ニコニコ動画」急成長もライブ事業のコスト負担で

ドワンゴ<3715>は、本日(11月14日)、2012年9月期の連結決算を発表し、売上高362億4300万円(前年同期比5.7%増)、営業利益13億4500万円(同19.5%減)、経常利益12億8400万円(同12.8%減)、当期純損益5億0600万円の赤字(前期12億3800万円の黒字)だった。 いまやモバイル事業に並ぶ主力事業に育った「ニコニコ動画」を中心とするポータル事業が大きく伸びたほか、ゲーム事業も黒字転換を達成したものの、モバイル事業が減収減益、「ニコニコ超会議」などの費用がかさみライブ事業の赤字幅が拡大したことが主な要因だった。     ■モバイル事業は、売上高143億0200万円(同14.8%減)、セグメント利益22億4600万円(同31.8%減)だった。Androidスマートフォン向けに、高音質楽曲配信サービス「dwango.jp」をdocomo、KDDI、SoftBan向けに展開した。「アニメロミックス」や「K-POP Life」などの新サービスの開始やコンテンツの拡充を行った。しかし、フィーチャーフォン向けの会員数が大幅に減少したことや、スマートフォン会員の獲得のため、広告宣伝費が想定を上回った。 ■ゲーム事業は、売上高58億1600万円(前期比0.8%減)、セグメント利益4億4300万円(前期1億5500万円の赤字)だった。「真かまいたちの夜 11人目の訪問者」「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」、海外向け「Dragon Age Ⅱ」「kingdoms of Amalur: Reckoning」が売上に貢献した。ソーシャルゲームは、既存のタイトルが売上に貢献した。 ■ポータル事業は、売上高139億6100万円(同38.5%増)、セグメント利益15億2300万円(同127.3%増)だった。「ニコニコ動画」が5月にサービス向上とグローバル化を掲げ、「ニコニコ動画」を「niconico」に変更した。同時に「ニコニコ動画:Zero」「ニコニコ生放送:Zero」へとサービスのバージョンアップを行った。 ■ライブ事業は、売上高6億5300万円、セグメント損益9億5100万円の赤字(前期7億5400万円の赤字)だった。4月28日、29日に幕張メッセで大型イベント「ニコニコ超会議」を開催し、延べ9万2000人が来場、niconicoからネットを通じて352万人が視聴した。また「ニコニコ町会議」を全国5ヶ所で開催し、3万7000人の方が来場した。ライブハウス「ニコファーレ」では、niconico関連のイベントやコンサートのほか、自民党総裁選挙の公開討論会やゲーム、ファッションショー、映画試写会などを開催した。   ■2013年9月期の見通し 2013年9月期の連結業績は、売上高375億円(前期比3.5%増)、営業利益20億円(同48.7%増)、経常利益20億円(同55.9%増)、当期純利益23億円(当期は5億600万円の赤字)を見込む。