「3DS」の注意喚起はネガティブではない JPモルガン、任天堂の投資判断「Overweight」継続

 JPモルガン証券は、1月5日付けのレポートで、任天堂<7974>の投資判断について「Overweight」、DCF法に基づく2011年10月までの目標株価2万7000円の継続とした。  投資判断の根拠として、(1)発売予定の「ニンテンドー3DS」が好材料となると考えること、(2)新たな据置型ゲーム機の開発に関して、今後12ヵ月の内に具体的な情報が開示されると見ており、新たな製品サイクルの到来により、中期的な業績期待が押し上げられること、をあげている。  このレポートでは、2010年12月28日、「ニンテンドー3DS」体験会の一般参加者に、任天堂が行った注意喚起に関する見解を示している。  任天堂の行った注意喚起は、(1)3D映像の見え方に個人差があること、(2)疲労がある際や体調が優れない場合にはプレイを控えること、(3)6歳以下の子供は2D表示でのプレイにとどめること、とするものだったが、JPモルガン証券では、ネガティブな材料にはならないと分析している。  こうした注意喚起は、すでに2010年6月のE3の時点から言及されてきたものであり、特にサプライズとはいえないためだ。むしろ、ユーザーの安全性を確保しつつ、画期的なゲーム機を開発するための十分な対策が取られてきたことを示すものとし、その意味ではポジティブと評価している。  任天堂のゲーム機について、JPモルガン証券は、小学校1年生からプレイされると考えているが、未就学児がヘビーゲーマーであったり、ソフトに多額の出費を行うとは考えづらいという。また、新たなゲーム機に対し、健康リスクなどの苦情が訴えられるケースがよくあるため、エントリーのタイミングとしても適している、とみているようだ。