アピリッツ、22年1月期の営業益は1.8%増の2億3300万円　DX関連の受注堅調、『けものフレンズ3』も順調に推移　23年1月期は新作をリリース予定

アピリッツ<4174>は、3月16日、22年1月通期(21年2月～22年1月)の連結決算を発表し、売上高47億9500万円(前の期比23.3%増)、営業利益2億3300万円(同1.8%増)、経常利益2億2000万円(同4%減)、最終利益1億0900万円(同12.8%減)だった(前の期は単独決算のため比較は参考値)。一時は大幅な減益見通しとしていたが、一転して前年並みの数字での着地となった。

・売上高:47億9500万円(同23.3%増)
・営業利益:2億3300万円(同1.8%増)
・経常利益:2億2000万円(同4%減)
・最終利益:1億0900万円(同12.8%減)

 


(Webソリューション事業)
売上高は21億8400万円、セグメント利益は5億5600万円となった。

市場のデジタルトランスフォーメーション化への追い風の中で、顧客のニーズに合わせたサービス設計から開発・保守までの一連を請け負うことにより、継続受注や複合サービスの提供案件を順調に伸ばすことができた。

また、案件規模の拡大により受注単価も順調に上昇している。そのため、同社グループの事業においては、エンジニアを中心としたデジタル人材を事業の源泉と考えており、優秀な人材の採用と育成を重要課題と捉え、中途採用に加えて新卒採用についても積極的に採用活動を行い、増加する受注案件に対応できる組織作りに努めてきた。

さらに、ムービングクルーを完全子会社化したことにより、エンターテインメント領域の開発ノウハウの獲得と優秀なデジタル人材を迎え入れることで、より一層デジタルビジネスの変革と拡大に貢献できるものと考えている。

また、新型コロナウイルス感染拡大による影響として、EC事業等はデジタルトランスフォーメーション化の後押しでビジネスが活発になるなど受注案件は増加した。

一方で、上期においては緊急事態宣言等によりリモート開発を余儀なくされたことや、増加する受注の取り込みを優先したことで一時的に外注費用の増加に繋がったが、下期における対策として案件と人材配置の最適化を徹底した。


(オンラインゲーム事業)
売上高は26億1000万円、セグメント利益は2億0900万円となった。

「自社ゲーム開発」においては、各タイトルにおいて各種イベントの開催や新キャラクターの追加等を行い、売上維持に努めるとともに、不採算タイトルのサービスを終了し、運営体制の見直しを図った。

「パートナーゲーム開発」においては、「自社ゲーム開発」で開発した自社エンジンと、それらのノウハウを活かした他社ゲーム開発の受注や過去最大のセカンダリ案件である『けものフレンズ3』の運営が順調に推移した。

このほか、新型コロナウイルス感染拡大による影響で「クリエイター派遣」の新規獲得速度に鈍化が見られたものの、オンラインゲーム事業全体での売上高への影響は軽微だった。

■2023年1月期は大幅増益を見込む
続く23年1月期の業績については、売上高56億5400万円(前期比17.9%増)、営業利益4億1300万円(同77.3%増)、経常利益4億1000万円(同86.4%増)、最終利益2億6200万円(同140.4%増)、EPS65.80円を見込む。

・売上高:56億5400万円(同17.9%増)
・営業利益:4億1300万円(同77.3%増)
・経常利益:4億1000万円(同86.4%増)
・最終利益:2億6200万円(同140.4%増)
・EPS:65.80円

オンラインゲーム事業においては、国内ゲーム市場の成長を背景に、主にゲームの開発を行う「自社ゲーム開発」、パートナー企業のゲーム開発の企画、開発、運営を行う「パートナーゲーム開発(運営移管を含む)」、ゲーム市場で不足する労働力のソリューション提供として、実務経験や一定の社内研修をクリアした人材をニーズに応じて派遣する「クリエイター派遣」を行っている。

自社ゲーム開発としては、2023年1月期において新作タイトルをリリースするため制作中。パートナーゲーム開発においては、前期に「けものフレンズ3」の運営移管を行っており、大型の運営移管の経験を活かし顧客の様々なニーズに対応していく。クリエイター派遣については、登録者数の確保と取引社数の拡大を徹底し、規模の拡大を目指していく。