【決算レポート】カプコン、22年3月期は9期連続の営業増益を達成 大型新作&リピート販売がグローバルで好調 デジタル販売への早期対応も利益拡大に一役

木村英彦 編集長
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カプコン<9697>の2022年3月通期の連結決算は、売上高1100億5400万円(前の期比15.5%増)、営業利益429億0900万円(同24.0%増)、経常利益443億3000万円(同27.2%増)、最終利益325億5300万円(同30.6%増)と過去最高益を達成した。9期連続の営業増益でもある。

・売上高:1100億5400万円(同15.5%増)
・営業利益:429億0900万円(同24.0%増)
・経常利益:443億3000万円(同27.2%増)
・最終利益:325億5300万円(同30.6%増)

 主力のゲーム事業で主力シリーズの大型タイトルの投入やリピートタイトルの継続的な販売強化でグローバルでの販売本数が伸びた、としている。

同社では、2010年代なかばまでは年度ごとに大型タイトルの有無によって販売本数のボラティリティがあったが、デジタル販売の普及を予測し、積極的なPC版対応、旧作を中心とした価格施策などが奏功し、販売本数は7期連続で増加したという。

 
■デジタルコンテンツ事業
・売上高:875億3400万円(同16.2%増)
・営業利益:453億5900万円(同22.6%増)

年間販売本数が前年の3160万本を上回る3260万本となるなど引き続き伸びたほか、採算性の高いデジタル販売が引き続き伸びたことが主な要因だ。

新作タイトルについては、の大型タイトルとして『バイオハザード ヴィレッジ』が全世界610万本の販売を記録したほか、『モンスターハンターストーリーズ2~破滅の翼~』も150万本を突破するなど順調に進捗した、としている。

リピート販売については、『モンスターハンターライズ』はパソコン向けにも発売し、この期だけで410万本を販売。2017年発売の『バイオハザード7 レジデント イービル』も180万本を販売し、新作との相乗効果で6期連続で100万本を販売した。

 

その他リピート販売の状況は以下のとおり。2017年に発売した『バイオハザード7 レジデント イービル』が6年連続でミリオンを達成していることは驚かされる。

 
■アミューズメント施設
・売上高:124億0400万円(同25.7%増)
・営業利益:6億5200万円(同336.8%増)

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発動に伴い、一部店舗で休業と時短営業を余儀なくされたが、解除以降は来店客数の回復に加え、既存店の効率的な運営と新業態での出店効果などにより、収益拡大を図った。

「プラサカプコン ミッテン府中店」(東京都)をオープンしたほか、新たな集客展開として地域最大級の複合遊戯施設「クレイジーバネット」を併設した「MIRAINO イオンモール白山店」(石川県)の合計2店舗を出店した。

 
■アミューズメント機器
・売上高:57億4900万円(同18.9%減)
・営業利益:23億4800万円(同2.5%減)

『モンスターハンター: ワールド 黄金狩猟』と『パチスロデビル メイ クライ 5』が堅調に推移したほか、『百花繚乱 サムライガールズ』を投入した。また、前期に投入した『バイオハザード7 レジデント イービル』は、市場での長期稼働を受け、リピート販売が増加した。この期は、前の期比で1000台減の2万6000台を販売した。

 
■その他
・売上高:43億6600万円(同43.4%増)
・営業利益:15億1700万円(同53.7%増)

主力IPを活用した映像化やキャラクターグッズ展開では、Netflixにおいて主力IPを活用したCGアニメが全世界で独占配信されたほか、映画『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』が世界各国で公開となった。

eスポーツは、「CAPCOM Pro Tour Online 2021」を世界19地域にオンラインで実施したほか、「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021」や「ストリートファイターリーグ: Pro-US 2021」を実施した。

 
■2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の業績は、売上高1200億円(前期比9.0%増)、営業利益480億円(同11.9%増)、経常利益480億円(同8.3%増)、最終利益345億円(同6.0%増)、EPS161.59円を見込む。過去最高業績の更新を目指す。

・売上高:1200億円(同9.0%増)
・営業利益:480億円(同11.9%増)
・経常利益:480億円(同8.3%増)
・最終利益:345億円(同6.0%増)
・EPS:161.59円

 


過去最多の3700万本の販売を計画している。引き続きデジタル施策を強化していく方針。前期発売の『モンスターハンターライズ』の超大型有料拡張コンテンツ『モンスターハンターライズ:サンブレイク』(Nintendo Switch、パソコン用)をはじめとした新作を投入する。

またリピート販売については、『バイオハザード ヴィレッジ』や『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』についてもデジタル販売の強化と販売施策の推進を行っていく。

 

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1259億3000万円、営業利益508億1200万円、経常利益513億6900万円、最終利益367億3700万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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