エイチーム、第3四半期(8~4月)決算は売上高横ばいも9.6億円の営業赤字を計上 新作『FFVII ザ ファーストソルジャー』は既存ゲームの落ち込みを補えず

  • エイチーム<3662>は、6月10日、2022年7月期の第3四半期累計(8~4月)の連結決算を発表、EC事業の売上高が大きく伸長したものの、エンターテインメント事業で新作『FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER(ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー)』の売上高が既存ゲームアプリのダウントレンドを補完するに至らなかったこともあり、売上高は前年同期比で横ばいの推移となった。

    なお、損益の赤字は『ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー』の広告宣伝費および開発費の計上が影響している。

    売上高235億4100万円(前年同期比0.1%増)
    営業損益9億6300万円の赤字(前年同期5億8000万円の黒字)
    経常損益9億3500万円の赤字(同7億3300万円の黒字)
    最終損益8億3400万円の赤字(同9億8100万円の黒字)

    各セグメント別の状況は以下のとおり。

    ①エンターテインメント事業…売上高46億800万円(前年同期比16.3%減)、セグメント損益10億5900万円の赤字(前年同期3億2200万円の黒字)
    主要既存ゲームアプリでの減少および新作『ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー』の売上高が既存ゲームアプリのダウントレンドを補完するに至らず、前年同期比で減収となった。セグメント利益は、新規ゲームアプリの広告宣伝費および開発費が上期から軽減したものの、前年同期比では減少した。

    ②ライフスタイルサポート事業…売上高155億7400百万円(同1.5%増)、セグメント利益8億6100万円(同14.9%減)
    売上高は、前年同期比で車の査定・買取サイト「ナビクル」が成長をけん引するも、金融メディアの大幅減収および引越し関連事業において電力価格の高騰による取引先からの送客制限が影響した。

    金融メディアでは、2020年末のGoogleアルゴリズムアップデートの影響で2021年7月期第2四半期以降は利用件数が減少したため、利用件数の回復を狙い、2021年7月期第3四半期期間においてWeb広告への投資を強化した。その後、2022年7月期第3四半期期間に至るまでは、競合他社によるWeb広告の出稿強化でCPA(顧客獲得単価)が悪化したことを受け、広告投資を抑制したため、前年同四半期比で大幅に減収となった。

    セグメント利益は、「ナビクル」が増収に伴う増益となるも、金融メディアでの減益を補うには至らず、全体として前年同期比で減少となった。

    ③EC事業…売上高33億5800万円(同26.0%増)、セグメント損益3400万円の赤字(前年同期1億3300万円の黒字)
    売上高は第3四半期期間が繁忙期の「cyma-サイマ-」において、モール型ECサイトでの販売が好調に推移したことで、全体として前年同四半期比で大幅に増加した。セグメント利益は、引き続き新規サービス「Obremo(オブレモ)」への投資により、全体としては前年同期比で減少した。

    ■通期予想は変更なし
    なお、2022年7月期通期の連結業績予想は前回発表時の予想から変更なく、以下のとおり。

    売上高325億円(前期比4.0%増)
    営業損益7億円の赤字(前年同期7億100万円の黒字)
    経常損益7億円の赤字(同8億9500万円の黒字)
    最終損益8億5000万円の赤字(同8億7700万円の黒字)

株式会社エイチーム
https://www.a-tm.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社エイチーム
設立
2000年2月
代表者
代表取締役社長 林 高生
決算期
7月
直近業績
売上高275億5200万円、営業利益5億4300万円、経常利益7億1100万円、最終利益1億4300万円(2023年7月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3662
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