虎の穴、2022年6月期の流通総額が300億円を突破する見込み 直営店舗縮小と新規オンラインサービス事業とEC事業の拡大を推進

ユメノソラホールディングスのグループ会社で、マンガやアニメ・同人誌やキャラクターグッズ等の委託流通及び店舗運営事業を行う虎の穴は、2022年度(2021年7月~2022年6月)の流通総額が300億円を突破する見込みとなったと発表した。


【1】業績ハイライト ※2022年度見込み
●2022年度の流通総額が307億円(昨対比121%)を達成見込み
同人販売大手「とらのあな」は、2022年度(2021年7月~2022年6月)の流通総額が自社では初となる300億円の突破と、併せてサービスユーザー数1141万人・クリエイター登録数51万人を達成見込みとなった。

■KPIサマリー
流通総額: 307億円(前年比121%)
サービスユーザー数:1141万人(前年比147%)
クリエイタ―登録数:51万件(前年比173%)
流通拠点数:23店舗(前年比+6店舗)

■総括
ファンの創作と発信が急速にオンラインに切り替わる中、虎の穴では事業構造転換を宣言し、直営店舗事業の縮小を行う一方、通販・WEBサービスへの投資転換を進めてきた。

積極的にオンラインサービス事業へ注力した結果、「とらのあな通信販売」やクリエイター支援サービス「ファンティア[Fantia]」がともに事業成長し、この1年で流通総額を50億円以上伸ばすことができ、創業から初めて流通総額全体で300億円突破を達成する見込みとなったという。

なお、現在とらのあなの主力である女性向け販売については、97%を通販、2%を池袋店が占めている。今回、事業構造転換(オンラインへのシフト、直営店舗の集約)による女性向け同人流通への影響は皆無であると推測しているそうだ。


【2】主要事業別KPIデータ ※2022年度見込み
○とらのあな通信販売事業
売上高: 164億円(前年比110%)
年間受注数:61万件(前年比116%)
累計登録サークル数:10万人(前年比106%)
年平均同人誌流通数:1860万冊(前年比101%)
⇒巣ごもり需要に加え、オンラインサービスのユーザー層の利用拡大も合わさり、売上高が昨対比110%と堅調に推移する見込み。

○ファンティア事業
流通総額: 121億円(前年比265%)
累計登録会員数: 750万人(前年比163%)
登録ファンクラブ数:41万件(前年比205%)
累計コンテンツ数: 116万件(前年比206%)
⇒通販と同様の傾向に加えブランドの認知拡大に伴い、流通総額は昨対比265%と躍進となる見込み。今後も市場拡大によるさらなる成長が推察される。

 
【3】今後の事業方向性について
○通販事業
➤ 積極的なイベント支援や配送強化を行い、国内クリエイター及びファンのの創作と購入を支援していく。
➤ 海外向け販売に係わるUI/UX改善・マーケティング・流通網の構築にも取り組み、日本の同人作品を国外のファンへ届ける。
○店舗事業
➤ オンライン事業への戦略的集中推進のため、直営店舗縮小を継続し2023年度中を目途に旗艦店への集約を行う。
➤ 漸次「Shop in shop(出張所)」や「Pop-up Store(イベント出店)」等へ置き換えを行い、現在の市場に即した形へと店舗の最適化を図る。
○ファンティア事業
➤ 他の配信サービスで規制対象のASMR領域など、セグメント拡大及びクリエイター獲得に積極的に投資し、さらなるエンタメ体験のための豊富な選択肢を実現する。
➤ 当事業で既に20%超存在する国外のファンとの柔軟なコミュニケーション確立のため、海外ユーザー向けの技術開発を進める。
※虎の穴は、2025年度に「流通総額400億円」・「サービスユーザー数1500万人」の達成を目標として、各事業に取り組んでいく。