松竹、第1四半期決算は経常利益8億円、最終利益61億円と黒字転換 補助金収入と不動産売却益で 売上3割増と本業も復調進む

松竹<9601>は、7月11日、第1四半期(22年3月~22年5月)の連結決算を発表し、売上高186億9700万円(前年同期比30.5%増)、営業損失7億2400万円(前年同期は11億1200万円)、経常利益8億2900万円(同12億2100万円の損失)、最終利益61億2800万円(同20億4600万円の損失)となった。営業赤字は継続したものの、経常利益と最終利益が黒字に転じた。

・売上高:186億9700万円(同30.5%増)
・営業損失:7億2400万円(同11億1200万円)
・経常利益:8億2900万円(同12億2100万円の損失)
・最終利益:61億2800万円(同20億4600万円の損失)

コンテンツ海外展開促進・基盤強化事業費補助金13億1200万円を営業外収益に計上したことで経常利益は黒字となった。また最終利益については、建物及び構築物、設備及び土地など、固定資産売却益69億3500万円を計上したことによる。

(映像関連事業)
売上高は95億5500万円(同29.2%増)、セグメント損失は9億7300万円(同セグメント損失4億1600万円)となった。

配給は、邦画4作品、洋画1作品、アニメ4作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマ等を劇場公開した。

興行は、松竹マルチプレックスシアターズでは、引き続き万全の新型コロナウイルス感染症対策を行った上で営業をしている。また、MOVIX仙台は福島県沖地震の影響により当年度3月17日以降休館していたが、4月29日より営業を再開している。3月17日に神戸国際松竹を閉館し、第1四半期の末日現在では29サイト、251スクリーンで劇場運営を行っている。
テレビ制作、映像ソフト、テレビ放映権販売は、堅調に推移した。

CS放送事業は、松竹ブロードキャスティングにおいて計画通りに利益を確保した。

BS放送事業は、BS松竹東急が3月26日よりBS放送局を開局し、放送を開始した。


(演劇事業)
売上高は51億6100万円(同55.8%増)、セグメント損失は7億4900万円(同セグメント損失12億6500万円)となった。

新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、松竹直営劇場の演劇公演では、引き続き収容率を抑え、感染予防を徹底し、ユーザーの安全、安心に配慮した興行を行ってきた。

歌舞伎座は、3月から5月まで昨年度に引き続き三部制で興行を行った。3月には多彩な演出を駆使した「新・三国志」、4月には片岡仁左衛門、坂東玉三郎共演による「ぢいさんばあさん」など大きな反響を呼ぶ演目を上演し、5月には3年ぶりに「團菊祭五月大歌舞伎」を執り行い、好評を博した。新型コロナウイルス感染症対策のため、2021年12月までは販売席数を定員の約50%としていたが、2022年1月の公演以降約70%に拡大した。

新橋演舞場は、3月に「陰陽師 生成り姫」,「毒薬と老嬢」、「OSK レビュー春のおどり」、4、5月に「滝沢歌舞伎 ZERO2022」、5月に「第97回 東をどり」が公演した。

大阪松竹座は、3月「正門良規 Solo Live SHOW with 関西ジャニーズJr.」、4月前半「東西ジャニーズJr. ぼくらのサバイバルウォーズ」<映画と実演>、後半「毒薬と老嬢」、5月「藤山寛美三十三回忌追善 喜劇特別公演」を公演し、いずれも盛況となった。

南座は、3月に「三月花形歌舞伎」、「陰陽師 生成り姫」、4月に「都をどり」、5月に「春の舞台体験ツアー」、「歌舞伎鑑賞教室」、「舟木一夫シアターコンサート in 南座」が公演した。また、6月には「初夏の舞台体験ツアー」が開催した。

その他の直営劇場以外の公演としては、3月に園座、サンシャイン劇場で「行先不明」を公演し、4月からは「ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート」を日生劇場他で公演した。また、4月に園座で「陽春花形歌舞伎」が公演した。

シネマ歌舞伎では、4月より「月イチ歌舞伎2022」が約1年ぶりの新作「桜姫東文章 上の巻・下の巻」の公開でスタートした。「METライブビューイング2021-22」では、昨秋ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場がコロナ禍のなか1年半ぶりに再開し、3月から5月にかけて5作品を日本で上映した。


(不動産事業)
売上高は34億7200万円(同13.3%増)、セグメント利益は18億6100万円(同26.5%増)となった。不動産賃貸では歌舞伎座タワー・築地松竹ビル(銀座松竹スクエア)・東劇ビル・新宿松竹会館(新宿ピカデリー)・有楽町センタービル(マリオン)・松竹倶楽部ビル・大船ショッピングセンター等の高稼働により安定収益の確保に貢献した。


(その他)
売上高は5億0700万円(同8.9%減)、セグメント損失は1億2900万円(同セグメント損失7300万円)となった。プログラム・キャラクター商品販売は、「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」「劇場版Free!-the Final Stroke- 後編」等を中心に収益に貢献した。


■2023年2月通期の業績見通し
2023年2月通期の業績は、売上高896億4000万円(前期比-)、営業利益6億円(前期は40億0500万円の損失)、経常利益14億円(同28億0100万円の損失)、最終利益67億1000万円(同17億6200万円の損失)を見込む。

・売上高:896億4000万円(同-)
・営業利益:6億円(同40億0500万円の損失)
・経常利益:14億円(同28億0100万円の損失)
・最終利益:67億1000万円(同17億6200万円の損失)
※収益認識に関する会計基準の適用のため、前期との比較はなし。

松竹株式会社
https://www.shochiku.co.jp/

会社情報

会社名
松竹株式会社
設立
1920年11月
代表者
代表取締役会長 会長執行役員 迫本 淳一/代表取締役社長 社長執行役員 髙𣘺 敏弘/代表取締役 副社長執行役員 武中 雅人
決算期
2月
上場区分
東証プライム
証券コード
9601
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