【決算レポート】ドリコム、第1四半期は営業・経常・最終利益が過去最高 主力タイトル好調で「想定より順調な立ち上がり」(内藤社長)

木村英彦 編集長
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ドリコム<3793>の第1四半期(22年4月~22年6月)の連結決算は、売上高29億2700万円(前年同期比10.0%増)、営業利益8億1700万円(同62.1%増)、経常利益8億1000万円(同64.6%増)、最終利益5億2100万円(同73.5%増)となり、営業利益、経常利益、最終利益は過去最高を更新した。内藤裕紀社長(写真)は、「主力IPタイトルの周年が重なっているので、例年、良い四半期になるが、今年は想定よりも順調な立ち上がりだった」と振り返った。

・売上高:29億2700万円(同10.0%増)
・営業利益:8億1700万円(同62.1%増)
・経常利益:8億1000万円(同64.6%増)
・最終利益:5億2100万円(同73.5%増)

 

主力IPタイトル(『ONE PIECE トレジャークルーズ』とみられる)が8周年を迎えるなど周年イベントの効果が出たほか、一部不採算タイトルの収益が改善したことで大幅な増益となった。

タイトル別の売上高を見ると、『ONE PIECE トレジャークルーズ』とみられるゲームが飛び抜けた売上を記録しているが、これは国内とグローバルで分けていたコンテンツ配信スケジュールを統合したことも大きいという。以前は「周年」のタイミングが別々だったが、第1四半期に集約することになったという。 

▲不採算タイトルが1本出ており、早期の黒字化を目指したい、とした。それ以外は黒字となっている。


利益面では、想定していた新作1本のリリースが後ろ倒しになり、広告宣伝費の計上が遅れたことも結果として営業利益を押し上げた。この四半期に使った広告宣伝費2400万円で、通期計画7億2500万円に対する進捗率は2.4%だった。下期に3タイトルをリリースする予定で、広告宣伝費はそれに伴って増える見通し。

同様に研究開発費も5500万円だった。通期計画7億3700万円に対する進捗率は7.5%にとどまった。Web3や出版事業のほか、ゲームなどに投じる予定で、下期に増やしていく考えだ。

 

 

■2023年3月通期の業績予想は据え置き 

2023年3月通期の業績は、売上高130億円(前期比23.5%増)、営業利益20億円(同25.7%増)、経常利益19億円(同23.2%増)、最終利益12億円(同48.6%増)、EPS42.20円を見込む。

・売上高:130億円(同23.5%増)
・営業利益:20億円(同25.7%増)
・経常利益:19億円(同23.2%増)
・最終利益:12億円(同48.6%増)
・EPS:42.20円

 

計画に対する進捗率は、売上高22.5%、営業利益40.9%、経常利益42.6%、最終利益43.4%となっている。

・売上高:22.5%
・営業利益:40.9%
・経常利益:42.6%
・最終利益:43.4%

 

「第1四半期が想定よりも良かったのは事実だが、この数字が4倍になるわけではない」(内藤社長)とし、従来予想から変更はしなった。ただ、「進捗率が低いと、経営者としてはプレッシャーを感じるものだが、営業利益20億円という見通しの達成に関して投資家からも『いけるだろう』と思っていただけたのではないか」と述べた。

下期に新作3本のリリースを行うとともに、新規事業も含めて研究開発を加速していくことから、売上とともに費用も増える見通しだ。新作はいずれも自社パブリッシングとなるため、売上はグロス計上となるとのこと。

なお、現時点で最初のリリースタイトルは、「未発表タイトル(ドリコム開発)」となる見通しで、『Wizardry VA(仮)』『未発表タイトル(スタジオレックス開発)』がそれに続く想定だという。

「未発表タイトル(ドリコム開発)」は、5Gならではの遊びを提供することを目標に開発しているタイトル。開発の規模感はそれほど大きくはないものの、実験的な遊びが盛り込まれているそうだ。その他の2タイトルも開発は順調で、その時のマーケット環境を勘案しつつ、実際に十分に検証してからリリースする考え。

株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高108億円、営業利益22億8100万円、経常利益21億9200万円、最終利益11億5900万円(2023年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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