マンガAI翻訳のMantra、集英社・東大IPC・DEEPCOREから1.5億円の資金調達

マンガに特化したAI翻訳技術の研究開発を行うMantraは、集英社、東京大学協創プラットフォーム開発、ディープコア(DEEPCORE)、コンコードエグゼクティブグループ、ツクリエを引受先とする第三者割当増資により、総額約1億5000万円の資金調達を行った。


同社のミッション・サービス
同社は「世界の言葉で、マンガを届ける。」をミッションに掲げ、言語の壁を突破してマンガを世界中のファンに届けるためのサービスを展開している。2020年に公開したマンガのクラウド翻訳ツール『Mantra Engine』は出版社、翻訳会社、マンガ配信事業者を含む10社以上のパートナーに導入され、月間2万ページ(単行本換算で約100冊分)以上の多言語化に貢献している。また、2022年に集英社協力のもとリリースした英語学習アプリ『Langaku』は、公開初日にApp Storeの「教育」カテゴリで1位を獲得するなど、新しい言語学習の手法として注目を集めている。


マンガに特化したAI翻訳
絵とテキストの不規則な配置、独特な話し言葉、ストーリーの背景にある複雑な文脈など、マンガには翻訳を難しくする要素が多く含まれる。同社はこの課題を解決するため、マンガに特化した画像認識と機械翻訳を統合し、世界で最も高精度なマンガ機械翻訳を開発した。この成果は人工知能分野のトップ国際会議AAAIに採択され、アジア太平洋機械翻訳協会からAAMT長尾賞を授与するなど、学術的に高く評価されている。また、この過程で作られたマンガAI技術は、言語教育における教材の難易度調整に転用するなど、翻訳以外の領域にも応用されている。


資金調達の概要・使途
今回の資金調達では、AI特化型ベンチャーキャピタル(VC)であるDEEPCORE、およびビジネスリーダーのキャリア支援に取り組むコンコードから追加出資した。また新たのに、マンガ業界のリーディングカンパニーである集英社、東京大学関連スタートアップの支援に強みを持つ東大IPC、および集英社と共にアクセラレータープログラム「マンガテック」を運営したツクリエから支援をした。

本ラウンドの調達資金は、『Mantra Engine』および『Langaku』のユーザー体験を向上させるための採用強化、および両サービスの基盤技術であるマンガに特化した自然言語・画像処理技術の研究開発などに活用する、としている。