【決算レポート】カプコン、第1四半期は前年同期の大型タイトル寄与の反動で減収減益も計画対比では順調な推移に 『モンハンライズ:サンブレイク』は好調な滑り出し

柴田正之 編集部記者
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カプコン<9697>の2023年3月期の第1四半期(4~6月)の連結決算は、前年同期にデジタルコンテンツ事業で複数の大型タイトルを販売していた反動もあり、大幅な減収減益となった。

ただし、通期計画に対しては順調な進捗であり、下期に予定する大型新作の投入およびデジタル販売の推進に注力していくという。

売上高252億3200万円(前年同期比47.9%減)
営業利益120億6100万円(同48.9%減)
経常利益128億300万円(同46.4%減)
最終利益90億700万円(同48.1%減)

デジタルコンテンツ事業では、『モンスターハンターライズ』の超大型有料拡張コンテンツ『モンスターハンターライズ:サンブレイク』(Nintendo Switch、PC用)を6月末に発売し、販売本数200万本を達成するなど好調な滑り出しを見せた。

また、シリーズの過去タイトルなどを中心としたリピートタイトルのデジタル販売が前年同期を上回って推移した。

ただ、前年同期は2022年5月2日に発売した『バイオハザード ヴィレッジ』が発売から3日間で全世界での販売本数が300万本を突破するなど好発進していた反動もあり、売上高が前年同期比54.8%減、営業利益は同48.7%減にとどまった。

なお、この第1四半期は 『モンスターハンターライズ』の累計販売本数が1000万本を突破したほか、 『バイオハザード ヴィレッジ』の無償特典タイトル『バイオハザード RE:バース』を10月28日に配信開始することと、シリーズ最新作『バイオハザード RE:4』を2023年3月24日に発売することを発表している。

アミューズメント施設事業は、今年3月のまん延防止等重点措置の全面解除による来店客数の回復などにより、既存店売上は前年同期比30%増となった。さらに既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果なども寄与し、売上高は同37.5%増、営業利益は1億8600万円の黒字に転換した。

アミューズメント機器事業は、厳しい市場環境の中、新型パチスロ機「月華 雅」を4月18日に稼働開始し、1万7000台を販売した。売上高は同49.3%減となったものの、営業利益は同11.1%増と増益を確保した。

その他事業は、同社タイトルのブランド価値向上に向け、引き続き、主力IPを活用した映像化の推進やキャラクターグッズ展開などに注力した。

一方、eスポーツにおいては、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策を推し進め、世界19地域124ヵ国にて開催するオンライン大会「CAPCOM Pro Tour 2022」を5月から実施した。

これらの結果、売上高は同72.5%増、営業利益は同69.7%増)での着地となった。

なお、2023年3月期通期の連結業績予想については、従来予想から変更なく、10期連続の営業増益および全ての利益項目で6期連続の過去最高益を見込んでいる。

売上高1200億円(前期比9.0%増)
営業利益480億円(同11.9%増)
経常利益480億円(同8.3%増)
最終利益345億円(同6.0%増)

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役社長 最高執行責任者 (COO) 辻本 春弘
決算期
3月
直近業績
売上高1259億3000万円、営業利益508億1200万円、経常利益513億6900万円、最終利益367億3700万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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