【決算レポート】ボルテージ、第4四半期は不採算事業の絞り込みによって減収に 新分野(電子コミックとコンシューマ)は前四半期比で売上が倍増

柴田正之 編集部記者
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ボルテージ<3639>の2022年6月期の第4四半期(4~6月)の連結決算は、アプリなどの不採算事業の絞り込みによって減収となった。

なお、営業利益は赤字となったが、為替差益の計上により、経常利益と最終利益は黒字を確保した。

売上高12億9600万円(前年同期比23.4%減)
営業損益1800万円の赤字(前年同期1800万円の黒字)
経常利益1100万円(前年同期比62.1%減)
最終利益800万円(同81.4%減)
※収益認識に関する会計基準の適用で売上高の前年同期比は参考値。

ただ、全体では減収となったものの、「多角化」戦略で取り組んでいる新分野の電子コミック事業とコンシューマ事業は第3四半期(1~3月)との比較で売上高が倍増するなど成長の芽が育ちつつある状況となっている。こうした新分野からのIP創出を強化し、ヒットIPはアプリ展開も検討するという。

物語アプリ事業では、基本戦略の1つである「ファンダム」の取り組みも推進した。年に1度の大型イベントとなる「ボルフェス2022」を6~7月に東京・大阪でのリアル開催とオンラインで実施した。

電子コミック事業は、電子コミックストアの「ぼるコミ」の会員登録者数が10万人を突破した。また、電子コミックのレーベル名を「ボル恋comic」に変更し、好調な「ボル恋原作」を強化した。なお、期中は新作3作品の配信を開始している。

コンシューマ事業は、Nintendo Switch向けで6月9日に発売したオリジナル版新作タイトル『even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女』が目標としている1万ダウンロードを早期達成する見通しとのこと。

今後、国内外でさらなるプロモーションの展開を予定しているほか、グッズ展開も検討していくという。

なお、2023年6月期通期の連結業績予想については、合理的な業績予想数値の算定が困難であることから非開示としている。

2023年6月期第1四半期以降は、アプリ市場の停滞をうけ従来戦略を軌道修正し、強みである物語力を軸に、従来の「ファンダム戦略」「多角化戦略」に、新分野(電子コミック・コンシューマ)からのIP創出を強化する「ヒットIP戦略」を加え、「物語アプリ」および「新分野」において事業を成長させていく方針だ。

株式会社ボルテージ
http://www.voltage.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ボルテージ
設立
1999年9月
代表者
代表取締役社長 津谷 祐司
決算期
6月
直近業績
売上高42億5700万円、営業損益8400万円の赤字、経常損益6300万円の赤字、最終損益3900万円の赤字(2023年6月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3639
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