【決算まとめ③】ゲーム関連企業の4~6月決算を再確認…ミクシィ、DeNA、グリー、ボルテージ、KLab、ネクソン、エイチーム、モブキャストHD、enish、コロプラ

柴田正之 編集部記者
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主要モバイルゲーム企業の2022年4~6月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の各社の状況をあらためて振り返ってみたい。37社から大手ゲーム株を除き、まずは10社分を取り上げる。

・ミクシィ<2121>
第1四半期(4~6月)は、プロサッカークラブ「FC東京」を運営する東京フットボールクラブが連結対象となったスポーツ事業の売上が伸びたものの、デジタルエンターテインメント事業は主力の『モンスターストライク』が前四半期に好調だった反動もあり、QonQで大幅な減収減益となった。なお、利益率が低下しているがこれは先行投資の影響によるもので、期初からの想定ラインととらえることができそうだ。

・DeNA<2432>
第1四半期(4~6月)は、既存タイトル中心のゲーム事業が漸減傾向となったが、スポーツ事業の回復と、ライブストリーミング事業の成長で増収を確保した。ライブストリーミング事業の戦略的な先行投資は続いているものの、観客動員の制約がなく開幕を迎えたプロ野球の貢献によるスポーツ事業の好調で、利益は大幅黒字転換を果たしている。

・グリー<3632>
第4四半期(4~6月)は、2四半期連続での売上高200億円、営業利益30億円の大台突破となり、増収増益を達成した。新作『ヘブンバーンズレッド』がリリース後の反動もなく好調をキープしており、周年イベントを迎えた『アナザーエデン』や『シノアリス』も収益に寄与した。ただ、次の2023年6月期は新作のリリースが予定されておらず、2024年6月期に向けた仕込みの投資が先行することになりそうだ。

・ボルテージ<3639>
第4四半期(4~6月)は、不採算事業の絞り込みによる影響で前四半期に続いて前年同期比で大きく売上が減少したが、営業赤字幅の減少も続き、為替差益の計上も相まって経常利益と最終利益は黒字を確保した。続く2023年6月期第1四半期以降は、従来戦略を軌道修正し、強みである物語力を軸に新分野(電子コミック・コンシューマ)からのIP創出を強化する「ヒットIP戦略」を加えた事業戦略を進めていくとしている。

・KLab<3656>
第2四半期(4~6月)は、『スクスタ』の運営を他社に移管して運営タイトル数が減少した影響は大きいが、『キャプテン翼~たたかえドリームチーム~』の周年キャンペーンの実施もあり、前四半期比では増収・赤字幅縮小となった。ただ、昨年12月にリリースした『ラピスリライツ』のサービス終了(10月31日)が決定するなど、下期もまだ長いトンネルの中の時期が続く可能性がありそうだ。

・ネクソン<3659>
第2四半期(4~6月)は、3月24日に韓国で配信を開始した『アラド戦記モバイル』の好調なスタートもあって、同時期として過去最高の売上収益を達成した。続く第3四半期は8月25日に韓国で新作『HIT2』の配信を開始したことが寄与してくる見通しで、今期は新作の寄与による業績成長というシナリオがしっかりと描ける形になってきそうだ。

・エイチーム<3662>
第3四半期(2~4月)は、エンターテインメント事業では既存タイトルの落ち込みを新作『FFVII ザ ファーストソルジャー』がカバーできずに減収となったものの、季節要因もあって売上を伸ばしたライフスタイルサポート事業が全体業績ではカバーする形となった。NFTゲームのオリジナルタイトルについて「開発がかなり進捗している」としており、通期決算発表でより具体的な情報が出てくるのかどうか気になるところ。

・モブキャストHD<3664>
第2四半期(4~6月)は、『転生したらスライムだった件~魔国連邦創世記~』が引き続き競合となる同IPの新ゲームの影響を受け、売上が大きく低迷した、減収・赤字幅拡大となった。また、8月にリリースを予定していた新作がゲーム内容の大幅な見直しにより来期に期ずれすることとなり、今期予想も下方修正され、営業利益は従来の黒字から一転して3億円調の赤字見通しとなった。

・enish<3667>
第2四半期(4~6月)は、2月11日にリリースした最新作『進撃の巨人Brave Order』がフル寄与したこともあり、増収・営業黒字転換となった。さらに今秋には『ゆるキャン△ つなげるみんなのオールインワン!!』もリリース予定であり、売上規模の回復・拡大が進むことになりそうだ。HashPaletteと開発を進めているP2E 型ブロックチェーンゲーム『De:Lithe Φ(ディライズ ファイ)』の動きが出てきていることにも関心が募るところ。

・コロプラ<3668>
第3四半期(4~6月)は、主力のスマートフォンゲームで新作の積み上げがなかったこともあり、減収、営業減益となった。続く第4四半期は7月に『白猫プロジェクト』と『白猫テニス』、9月に『DQウォーク』の周年を迎えるためQonQでは増収増益となる見通し。自社IPのコンシューマ展開となる『アリス・ギア・アイギスCS』の販売動向にも注目したい。

株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1349億1400万円、営業利益42億0200万円、税引前利益135億9500万円、最終利益88億5700万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
企業データを見る
株式会社MIXI
https://mixi.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社MIXI
設立
1997年11月
代表者
代表取締役社長 木村 弘毅
決算期
3月
直近業績
売上高1468億6700万円、営業利益248億2000万円、経常利益182億5000万円、最終利益51億6100万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2121
企業データを見る
グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高754億4000万円、営業利益124億9800万円、経常利益130億8600万円、最終利益92億7800万円(2023年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
企業データを見る
株式会社エイチーム
https://www.a-tm.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社エイチーム
設立
2000年2月
代表者
代表取締役社長 林 高生
決算期
7月
直近業績
売上高275億5200万円、営業利益5億4300万円、経常利益7億1100万円、最終利益1億4300万円(2023年7月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3662
企業データを見る
KLab株式会社
http://www.klab.com/jp/

会社情報

会社名
KLab株式会社
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
決算期
12月
直近業績
売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3656
企業データを見る
株式会社モブキャストホールディングス
https://mobcast.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社モブキャストホールディングス
設立
2004年3月
代表者
代表取締役CEO 藪 考樹
決算期
12月
直近業績
売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3664
企業データを見る
株式会社ボルテージ
http://www.voltage.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ボルテージ
設立
1999年9月
代表者
代表取締役社長 津谷 祐司
決算期
6月
直近業績
売上高42億5700万円、営業損益8400万円の赤字、経常損益6300万円の赤字、最終損益3900万円の赤字(2023年6月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3639
企業データを見る
株式会社enish
http://www.enish.jp/

会社情報

会社名
株式会社enish
設立
2009年2月
代表者
代表取締役社長 安徳 孝平
決算期
12月
直近業績
売上高35億800万円、営業損益12億600万円の赤字、経常損益12億6500万円の赤字、最終損益13億7400万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3667
企業データを見る
株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
企業データを見る
株式会社ネクソン
http://www.nexon.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ネクソン
設立
2002年12月
代表者
代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
決算期
12月
直近業績
売上収益4233億5600万円、営業利益1347億4500万円、最終利益706億0900万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3659
企業データを見る