【決算まとめ④】ゲーム関連企業の4~6月決算を再確認…オルトプラス、アエリア、ケイブ、ガンホー、ドリコム、gumi、カヤック、Aiming、モバファク、マイネット

柴田正之 編集部記者
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主要モバイルゲーム企業の2022年4~6月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の各社の状況をあらためて振り返ってみたい。37社から大手ゲーム株を除いた中から、今回も10社分を取り上げる。

・オルトプラス<3672>
第3四半期(4~6月)は、タイトルの運営長期化に起因する減衰による減収トレンドが続いた。Jリーグオフィシャルライセンスブロックチェーンサッカーゲームの『Jリーグ トレーディングサッカー』など複数の新作の開発が進められているが、これが形として出てくるまではこうした減収傾向が続きやすい状況となりそうだ。

・アエリア<3758>
第2四半期(4~6月)は、4月に発生した子会社サイバードのコンテンツのアクセス障害の影響もあり、コンテンツ事業の業績は低調だったものの、アセットマネージメント事業でのグループ内の協業の推進などが奏功し、トータルでの業績は増収増益となった。サッカーゲーム『BFB』シリーズのノウハウを活かしたブロックチェーンサッカーゲーム『Blockchain Football』を開発中であるなど、新たな動きにも注目したい。

・ケイブ<3760>
第4四半期(3~5月)は、主力の『ゴシックは魔法乙女』の経年による売上の低下や、その他ライブ配信事業の落ち込みにより、大幅減収、7四半期連続の営業赤字計上となった。続く2023年5月期の第1四半期もこうした傾向に大きな変化はないと思われるが、9月1日付でのでらゲーの子会社化が第2四半期以降の業績を急変貌させてくることが予想される。

・ガンホー<3765>
第2四半期(4~6月)は、主力の『パズル&ドラゴンズ』で年始イベントと10周年記念イベントの反動減があったこともあり、QonQでは減収減益となった。子会社Gravityのラグナロクシリーズは『Ragnarok: The Lost Memories』のモバイル版を8月10日より韓国で配信開始し、9月には『Ragnarok Monster's Arena』のタイ・韓国でのサービスを開始する。第3四半期はGravityの業績寄与度がどのくらいになってくるのか注目されるところ。

・ドリコム<3793>
第1四半期(4~6月)は、主力の『ONE PIECE トレジャークルーズ』(配信はバンダイナムコエンターテインメント)が8周年を迎えた周年イベントの効果が大きく寄与し、各利益項目が四半期ベースの過去最高業績を更新した。一方で、7月12日に『ミコノート』のサービスを終了するなど、新作による収益の積み上げは順調とは言い難く、『Wizardry VA(仮)』など開発中の新作にかかる期待が膨らんでいる状況だ。

・gumi<3903>
第4四半期(2~4月)は、自社タイトルの『乃木坂的フラクタル』や『ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫』の売上比率が増加したが、5四半期連続の営業赤字計上となった。ただし、4月は月次で単月黒字化を達成しており、開発・運用体制の効率化などの見直しも相まって収益性の改善は進んでいる。これまでのXR事業とブロックチェーン事業を統合したメタバース事業での動きやその成果が2023年4月期はどのくらい見えてくるのか、まずは足元の第1四半期業績をじっくりと見極めたい。

・カヤック<3904>
第2四半期(4~6月)は、QonQでは減収減益となったが、ゲームエンタメサービス領域が引き続き業績のけん引となり、同期間としては過去最高業績を達成した。ただし、ハイカジの第2四半期の合計ダウンロード数が約5640万件と第1四半期を下回ったことは気になるところで、これが一時的なものにとどまるのかどうかが次の第3四半期決算に問われることになりそうだ。

・Aiming<3911>
第2四半期(4~6月)は、主力の『ドラゴンクエストタクト』(配信はスクウェア・エニックス)が前四半期に1.5周年イベントを実施していた反動もあり、QonQで減収減益となった。続く第3四半期は、複数の新作の開発が佳境に入って開発費が増えることなどで、赤字計上の見通しとしている。また、KLab<3656>から受託開発していたアニメ「ダンまち」の新作ゲームの開発スキームが変わり、今後はこのタイトルの受託開発の売上計上もなくなるという。

・モバイルファクトリー<3912>
第2四半期(4~6月)は、モバイルゲーム事業において、『駅メモ!』の周年を実施したことと新型コロナの影響の改善により、QonQで2ケタ増収を達成した。一方、ブロックチェーン事業は電通とのパートナーシップ契約の締結など外部パートナーとの動きが色々と活性化してきているが、本格的な収益化という段階にはもう少し時間がかかりそうだ。

・マイネット<3928>
第2四半期(4~6月)は、新たに仕入れた『ジョーカー~ギャングロード~』の収益貢献でQonQで増収となったものの、ゲームサービスに続く第2の柱創出に向けて新規事業への投資を行ったことで各利益項目とも減益にとどまった。また、韓国版『茜さすセカイでキミと詠う』の運営移管が今後の韓国、海外でのセカンダリー市場開拓の橋頭保となっていくのかどうかも関心が募るところだ。

株式会社ケイブ
http://www.cave.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ケイブ
設立
1994年6月
代表者
代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
決算期
5月
直近業績
売上高69億6300万円、営業利益2億4300万円、経常利益2億1300万円、最終利益25億7900万円(2023年5月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3760
企業データを見る
株式会社gumi
http://gu3.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社gumi
設立
2007年6月
代表者
川本 寛之
決算期
4月
直近業績
売上高160億0900万円、営業利益4億4700万円、経常損益1900万円の赤字、最終利益4億4500万円(2023年4月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3903
企業データを見る
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
http://www.gungho.co.jp/

会社情報

会社名
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
設立
1998年7月
代表者
代表取締役社長CEO 森下 一喜
決算期
12月
直近業績
売上高1253億1500万円、営業利益278億8000万円、経常利益293億800万円、最終利益164億3300万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3765
企業データを見る
株式会社アエリア
http://www.aeria.jp/

会社情報

会社名
株式会社アエリア
設立
2002年10月
代表者
代表取締役会長 長嶋 貴之/代表取締役社長 小林 祐介
決算期
12月
直近業績
売上高226億7100万円、営業利益4億7300万円、経常利益7億5200万円、最終利益4億8000万円(2023年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3758
企業データを見る
株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高108億円、営業利益22億8100万円、経常利益21億9200万円、最終利益11億5900万円(2023年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
企業データを見る
株式会社カヤック
http://www.kayac.com/

会社情報

会社名
株式会社カヤック
設立
2005年1月
代表者
代表取締役CEO 柳澤 大輔/代表取締役CTO 貝畑 政徳/代表取締役CBO 久場 智喜
決算期
12月
直近業績
売上高174億6700万円、営業利益10億2100万円、経常利益10億3800万円、最終利益5億1100万円(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3904
企業データを見る
株式会社オルトプラス
http://www.altplus.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社オルトプラス
設立
2010年5月
代表者
代表取締役CEO 石井 武
決算期
9月
直近業績
売上高43億8700万円、営業損益5億5600万円の赤字、経常損益5億2200万円の赤字、最終損益4億2000万円の赤字(2023年9月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3672
企業データを見る
株式会社Aiming
http://aiming-inc.com/
自分たちの面白いをカタチに変える
自分たちの面白いをカタチに変える

会社情報

会社名
株式会社Aiming
設立
2011年5月
代表者
代表取締役社長 椎葉 忠志
決算期
12月
直近業績
売上高181億9900万円、営業損益13億900万円の赤字、経常損益11億円の赤字、最終損益22億2700万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3911
企業データを見る
株式会社マイネット
http://mynet.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社マイネット
設立
2006年7月
代表者
代表取締役社長CEO 岩城 農
決算期
12月
直近業績
売上高87億1700万円、営業利益1億6800万円、経常利益1億2500万円、最終利益1億4300万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3928
企業データを見る
株式会社モバイルファクトリー
http://www.mobilefactory.jp/

会社情報

会社名
株式会社モバイルファクトリー
設立
2001年10月
代表者
代表取締役 宮嶌 裕二
決算期
12月
直近業績
売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3912
企業データを見る