Roblox、年次イベント「RDC」でゲームファンドの拡充やRobloxエコノミーの活性化に向けた取り組みなど新情報を発表

Robloxは、2022年9月9日から10日(現地時間)にかけて行われた年次イベント・RDC(Roblox Developers Conference)において、Robloxは数々の大規模な発表を行った。RDC2022は、Robloxコミュニティ内で革新的なクリエイターが世界中から集い、そのアイデアを共有し共に学び合うことでつながりを形成する招待制イベントとなる。

発表内容は以下のとおり。


■より有意義なつながりの創出
13歳以上のユーザーは音声機能のあるエクスペリエンス上で会話ができるようになり、Robloxのチャットがより現実世界での関係構築に似たダイナミックな機能となった。これは実際の対面での会話を基に作られた機能で、アバター同士の距離を基準として、近くにいる人に囁いたり、部屋中に響き渡る大声を出したりすることができる。この機能の登場後、約100万件にも上るエクスペリエンスで音声コミュニケーションが可能になった。

さらに来年には、ユーザーがアバター上に自身のウェブカメラの映像を表示することで、リアルタイムに自身の姿を表現できるようになる。カメラがユーザーの表情の動きをつぶさに映し出すことで、アバターもその感情を鮮明に体現し、Robloxが持つ没入感とつながりに新たなレイヤーが生まれることが期待できる。


■自己表現を通じた創造性の発揮
Robloxは、より忠実な人間の表情をアバターに提供する計画を発表した。今後数週間のうちにRoblox Marketplaceには新機能「Facial Animation(フェイシャル・アニメーション)」がリリースされ、ユーザーは自身の気分に合った以前よりも幅広い表情のアバターを作成することによって、よりきめ細やかな感情やジェスチャーを表現できるようになる。

Robloxは、現在デベロッパースタジオでベータテストが可能なボディ用、フェイス用の「Animation Capture(アニメーション・キャプチャー)」ツールを公開した。このツールはRobloxの最新機械学習モデルが活用されており、これまで高品質なアニメーションの実現にかかっていた時間とリソースを大幅に削減している。これを使えばどのデバイスからでも、たった数分でプロ仕様のアバター用のアニメーションを作成することができる。


■Robloxコミュニティとしての成長
Robloxは近日中に、各エクスペリエンスごとのプレイ推奨年齢を規定する「Experience Guidelines(エクスペリエンス・ガイドライン)」を発表した。これはプラットフォーム上で接するコンテンツを選ぶ際に、ユーザーとその両親が十分な情報を得た上での意思決定を支援する目的で提供するものだ。

プレイ推奨年齢は小児発達研究の知見、及び業界内水準に基づいて決定されている。保護者は推奨年齢に基づいたペアレンタル・コントロール機能を利用することで、最終的にそのコンテンツが子どもにとって適切かどうか決定し管理することができる。


■Robloxエコノミーの活性化に向けた取り組み
没入型広告とマーケットプレイスを通じ、デベロッパーコミュニティがRobloxを通じて収入を得る方法を多様化させることを発表した。

現実世界には人々の生活の中に広告が介在しているのと同様に、メタバース上もそうあるべきと考えるRobloxは、来年プラットフォーム上に没入型広告を登場させる計画を立てている。

この革新的な3Dの広告体験は、広告であることが明示されつつも、すぐにプラットフォーム内に溶け込んでいくことだろう。ブランドやデベロッパーは、ユーザーをエクスペリエンス間でシームレスに移動させることのできるポータルなど、Roblox上でかつてない広告体験を構築できるようになる。

デベロッパーたちにとっては更なる収益化の、ブランドにとっては自らのコミュニティにより効果的にユーザーを招き入れる絶好の機会となるだろう。


■ゲームファンドの拡充
新時代のエクスペリエンスを開発するためのリソースをデベロッパーに提供する目的で設立したゲームファンドに、今回新たに1000万ドルが拠出され、現在の総額は3500万ドルにまで上っている。ゲームファンドを利用して制作した作品の一部はこちらから確認してほしい。