『コトダマン』を事例にスマホゲームのIPコラボの効果検証 コラボIPによって結果は大きく変化 効果検証の重要性も ゲームエイジ総研調査

ゲームエイジ総研は、この日(9月29日)、同社が運用しているマーケティングデータサービス「iGage(アイゲージ)」のデータを活用し、ゲームアプリにおけるIPコラボ施策の効果を検証するレポートを発表した。今回、事例として、『コトダマン』を取り上げ、2021年に実施したIPコラボから「鬼滅の刃」「五等分の花嫁」「東京リベンジャーズ」をピックアップしたという。

ゲームアプリの運営では、異種IPとのコラボ施策は基本的なビジネスモデルで、アプリの中には年に10回以上コラボを行うものもある。コラボの効果として「人気IPや注目IPとコラボすることで話題性が確保できる」「既存ユーザーが興味のあるIPとコラボを行うことでエンゲージメントを高める」「まだリーチできていない新規ユーザーの獲得」などがある。


<以下、プレスリリースより>


■「鬼滅の刃」コラボでは男女ともにユーザーを獲得
はじめに「鬼滅の刃」コラボをみてみます。

2021年2月25日から3月22日まで行われた「鬼滅の刃」コラボでは、 特にコラボイベントの最も盛り上がるタイミングである初週に8.4万人の新規ユーザーを獲得しています。 また、 翌週にあたる3月1日週にも、 7.7万人の新規ユーザーを獲得しており、 2週を合わせた新規ユーザー獲得数は16.1万人に上りました。 【グラフ1.】

 ※セグメントの定義:[継続]は、 前週から続けてプレイしているユーザー。 [新規]は、 今週初めてプレイしたユーザー。 [復帰]は、 前週はプレイしていなかったが、 前々週以前にプレイしており、 今週はプレイしているユーザー。 [離脱]は、 前週はプレイしていたが、 今週はプレイしていないユーザーを指します。

では、 このコラボ施策でどのようなユーザーが増加したのでしょうか。 コラボ開始週のユーザーデモグラフィックをみると、 10代から30代の男女はどの世代もアクティブユーザーが増加しています。 特に30代のアクティブユーザーの増加率が目立ち、 2月8日週と、 3月1日週を比較すると、 30代男性は2倍近く、 30代女性に関しては、 4倍以上に増加しました。 また、 30代に関しては、 イベント期間中の継続率も高くなっていることが確認されました。 【グラフ2.】

 


■「五等分の花嫁」コラボでは10代男性を獲得
次に「五等分の花嫁」とのコラボをみていきます。

2021年7月5日から7月19日まで開催された「5等分の花嫁」コラボでは、 先ほどの「鬼滅の刃」コラボほど多くの新規・復帰ユーザーを獲得はできませんでしたが、 それでもイベント初週で新規・復帰を合わせて5万人程度のユーザーを獲得しています。 【グラフ3.】

 

特徴的なのはコラボ時のユーザーデモグラフィックの変化で、 増加したユーザーの大多数は10代男性ということがわかりました。 ゲームアプリのコラボ施策で、 極端に一部ユーザー層のみを獲得するということは珍しい事象です。 「五等分の花嫁」は他のアプリとのコラボでも10代男性のアクティブユーザー数を大きく伸ばした実績が確認できており、 10代男性とのエンゲージメントが非常に高いIPであることがわかります。 また、 「五等分の花嫁」のアプリゲームである『五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。 ごとぱず』も、 メインユーザー層は10代男性で構成されていることが確認できています。 【グラフ4.】

 


■「東京リベンジャーズ」コラボでは女性ユーザーを多く獲得
最後に「東京リベンジャーズ」コラボをみていきます。

2021年8月27日から9月10日まで行われた「東京リベンジャーズ」コラボでは、 イベント初週で、 新規・復帰を合わせて約8万人。 また、 8月23日週、 8月30日週と続けて3万人以上の新規ユーザーの獲得に成功しています。 【グラフ5.】

 

コラボ時のユーザーデモグラフィックの変化をみると、 増加したのは主に女性層でした。 8月9日週と比べると、 8月30日週には20代女性は2倍以上、 10代女性は3倍以上に増加しています。 「東京リベンジャーズ」は、 アニメ放映開始とともに女性の人気が非常に高まったこともあり、 このコラボ施策で多くの女性ユーザーを獲得できたと推測されます。 【グラフ6.】

 

今回は、 『コトダマン』が実施した3つのIPコラボをピックアップし、 ファクトデータに基づいたコラボ施策前後のアクティブユーザーの変化を紹介しましたが、 IPコラボによってアクティブユーザー数が単純に増加するだけではなく、 コラボするIPによって、 プレーヤーのデモグラフィックが大きく変化することがわかりました。

ここで重要なのは、 サービスを提供する開発/運営会社にとって、 どのIPとコラボすると、 どの程度アクティブユーザー数を伸ばすことができるのか、 企画時にターゲティングしたユーザー層がきちんと獲得できたのか、 仮説/検証することではないでしょうか。

長期運営型のモバイルゲームのビジネスにおいては、 これまで獲得できていなかった新規ユーザー層を獲得するのか、 継続ユーザーの満足度を維持し、 離脱するユーザーに歯止めをかけるのか、 休眠/離脱していたユーザーを復帰させるのかが重要なポイントとなります。 IPコラボレーションの目的は様々ですが、 組み合わせるIPがミスマッチであれば、 期待効果を得られないだけではなく、 開発/運営にかかる人的・時間的投資を失うことにつながります。

弊社は今後も、 IPコラボや様々なプロモーション施策が、 ゲームプレーヤーの構成にどのような影響を与えるのか、 膨大なログデータの分析に基づいてマーケティングサポートしていきたいと考えています。

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