東宝、第3四半期(3~11月)決算は売上高6%増、営業益27%増に 事業環境の改善で映画事業が好調 新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」が大ヒット

  • 東宝<9602>は、1月12日、2023年2月期の第3四半期累計(3~11月)の連結決算を発表、今期の期首より「収益認識に関する会計基準」を適用しており、前年同期比は参考値となるが、主力の映画事業をけん引役に増収増益を達成している。

    なお、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う大規模施設に対する協力金などを「助成金収入」として特別利益に計上している。

    売上高1797億3800万円(同6.6%増)
    営業利益358億6700万円(同27.3%増)
    経常利益409億1300万円(同36.6%増)
    最終利益271億3800万円(同34.6%増)

    <映画事業>
    ・映画営業事業
    新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」の興行収入100億円を超える大ヒットや「沈黙のパレード」などのヒットがあり順調に推移したが、「トップガン マーヴェリック」をはじめとした上期の東宝東和など配給作品における収益認識会計基準適用による影響が大きく残り、わずかに減収となったものの、利益は大幅に伸長した。

    ・映画興行事業
    緊急事態宣言の発出を受けた前年同期に比べ、事業環境が改善したことに加え、同社配給作品を中心とした大ヒットや「ONE PIECE FILM RED」の続映も業績に寄与し、増収増益となった。

    ・映像事業
    「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」 「SPY×FAMILY」などのTOHO animation作品が、パッケージ販売、商品化ライセンス、動画配信などの多面的展開により好調に推移したが、好調だった前年に及ばず前年同期比で減収減益となった。ただし、マイナス幅の縮小は進行した。

    <演劇事業>
    「エリザベート」などが盛況に推移したものの、公演が一部中止となった演目が複数あり、増収となるもわずかに減益となった。

    <不動産事業>
    不動産賃貸事業において保有物件が堅調に稼働したことに加え、道路事業が好調な成績を収めたことにより、全体では増収増益となった。

    ■通期予想は昨年10月に増額修正
    なお、2023年2月期通期の連結業績予想は、昨年10月に発表した修正予想から変更なく、以下のとおり。

    売上高2400億円
    営業利益420億円
    経常利益450億円
    最終利益320億円

東宝株式会社
https://www.toho.co.jp/

会社情報

会社名
東宝株式会社
設立
1932年8月
代表者
代表取締役社長 社長執行役員 島谷 能成
決算期
2月
直近業績
売上高2283億6700万円、営業利益399億4800万円、経常利益427億9000万円、最終利益295億6800万円(2022年2月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9602
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