【決算レポート】コロプラ、第1四半期は4.4億円の経常赤字に 『白猫GOLF』の広告費計上や為替差損などが響く ブロックチェーンゲームのベータ版を今春リリースへ

柴田正之 編集部記者
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コロプラ<3668>の2023年9月期の第1四半期(10~12月)の連結決算は、新作『白猫GOLF』の広告費が膨らんだほか、保有する営業投資有価証券の一部の減損処理、為替差損の計上もあって大幅な営業赤字計上となった。

売上高71億800万円(前年同期比4.0%減)
営業利益1100万円(同98.5%減)
経常損益4億4200万円の赤字(前年同期10億9100万円の黒字)
最終損益4億1300万円の赤字(同6億7700万円の黒字)

エンターテインメント事業は、前四半期に3周年を迎えた記念施策を展開したほか、新コンテンツ「カジノ」を実装した『ドラゴンクエストウォーク』(FY2019開始タイトル)は、前四半期からの反動減が若干あったものの、前年同期は上回るなど勢いを持続した。

その一方で、前四半期は周年施策を実施するとともに、人気IPのTVアニメ「SPY×FAMILY」とのコラボを実施した『白猫プロジェクト』を含むFY2014開始タイトルは、その反動減が大きく出て前年同期も大きく下回るなど低調な推移となった。

昨年10月26日にリリースした新作『白猫GOLF』(FY2023開始タイトル)は、約2ヵ月分が寄与した形となるが、約5億円の売上水準となっている。同社は「『白猫GOLF』の初動は想定内」としているが、年末年始のTVCM放映などで、弾みをつけることができたのか、まずは次の四半期に問われることになりそうだ。

なお、エンターテインメント事業のトピックとして、自社ECサイトのリニューアルを実施した。今後は他社IPのグッズの販売やオンラインくじなどの機能拡充を予定しているという。

投資育成事業は、前述のとおり、保有する営業投資有価証券の一部の減損処理を実施したほか、為替の影響もあり、営業投資有価証券残高が93億円に減少した。

ただし、国内で新規投資1件、追加投資1件を追加するなど引き続き投資活動に注力しており、東アジア・東南アジアへの投資に向けて韓国法人の設立も行っている。

スマートフォンゲームの新作パイプラインは6本となっている。なお、同社は1月24日に同社初の落としきりアプリとなる『MONSTER UNIVERSE』をリリースしたが、これはこの6本には含んでいないという。

『MONSTER UNIVERSE』は、ガチャではない収益モデルの検証に加え、海外配信も視野に入れてSteamでも配信するなど実験作としての位置付けも大きいタイトルとなっているという。

一方、コンシューマーゲームの新作パイプラインは9本となっている。こちらは引き続き、アドベンチャーゲームに注力して展開しており、『やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。完』や『五等分の花嫁 ごとぱずストーリー』など人気IPのゲームを開発中だ。

新分野のXR/メタバースについては、子会社360Channelの独自のWebメタバースシステム「WEBmetaverse」のBtoBでの展開に注力している。足元は受注件数、受注金額ともに順調に推移しているという。

また、前四半期に子会社Brilliantcrypto(ブリリアンクリプト)を設立したことを発表していたブロックチェーンゲームの取り組みは、今春、ベータ版をリリースする予定であることを明らかにした。

Brilliantcryptoの代表取締役に就任した創業者で会長の馬場功淳氏が開発の指揮をとっているもようで、持続可能なPlay to Earnの実現を目指すとしている。

なお、2023年9月期の業績予想については引き続き非開示。グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しいことから、適正かつ合理的な数値の算出が困難であるため、としている。

株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
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