【連載企画:DONUTS GAMES 研究所21】歴戦のゲームディレクターが今だから伝えたいゲーム作りの話

研究員さんッ! ナビッポッ!

DONUTS GAMESの調査結果をお持ちしましたッ!
!!!
ついに来たッポね
本当にありがとう、Mくん。  

キミは実に優秀なエージェントだ
……まぁ、評価してやらないことはないッポ
へへっ、よせやい!
では、拝見するとしよう────

(ごくり)
(どきどきどき)




40年間ゲームを作り続ける男



みふね

ネコちゃん4ひき ワンちゃん1ぴきと
おだやかに くらしている
ちょうベテラン ゲームディレクター。

エージェントM

しゅうがくりょこうの おもいでは
せっかくはんちょうに なったのに
りゅうねんして ふさんかに なったこと。






※「みふね」こと三舩敏は日本のゲームデザイナー。 前職は大手ゲーム会社の開発。その後小規模の受託開発を経て、2012年に株式会社DONUTSに入社し、現在は新規開発プロジェクトに従事。


ゲームクリエイターになって何年になりますか?簡単にご経歴を教えてください。

エージェントM

みふね

高校1年生の頃から趣味でゲームを作りはじめているので、そこから数えると40年を超えています。1985年に最初のゲーム会社に入社しました。

みふね

その後2011年の年末にDONUTSに入社し、今年で12年目になります。
高校生の頃はどのようなゲームで遊んでいましたか?

エージェントM

みふね

実は、ゲームはほとんどやっていないんです。当時はコンピューターに興味があって、 コンピューター学科のある学校に進学しました。まだコンピューターが珍しい時代で、東京にコンピューターのある学校は2校しかなかったのでそのうちのひとつに通いました。

みふね

面白そうなこと・興味があることを学んでその仕事をしたいと思っていたので、「これからどんどん普及されるであろうコンピューターがいいんじゃないかな、プログラムって面白そうだし」くらいの考えでした。

みふね

実際にコンピューターに触れて、何ができるだろうと考えた時にゲーム開発が一番面白そうだったのでそちらに自分の進路を決めました。

そして、大手のゲーム会社に就職を決めたんですね。最初からプランナーだったんですか?

エージェントM

みふね

いえ、プログラマーとして入社しました。
プランナーの方が興味があったのですが、企画職の募集をしていなかったんです。

みふね

入社後、大型のビデオゲームを開発しているチームに「忙しいから誰か新卒に手伝ってほしい」と言われ私がアサインされたのですが、理由はキーボードを打てるのが私だけだったから(笑)

なんと!キーボードを打てるだけでも重宝された時代なんですね

エージェントM

みふね

今では考えられないですよね(笑)

みふね

そこから自分でプロジェクトを抱えるようになるまで、そのチームで何本か開発を行いました。当時のディレクターは自分で考えて作るタイプで企画職を他に入れない方だったのですが、私に「この部分ちょっと考えてよ」とか「この辺りの演出考えてみてよ」と企画のような仕事を振ってくれたんです。

みふね

そこでまず考えて、プログラマーなので自分で実装してみて、フィードバックをもらってまた考えて……といったサイクルができました。
自分がディレクターになってチームを立ち上げた時にも変わらず、自分でプランニングをしてプログラムも作っていました。

40ねんかんゲームをつくりつづけてきた、れきせんのディレクター

敏腕ディレクター、DONUTSではじめてのスマホゲーム開発へ

入社当時のDONUTSにDONUTS GAMES(ゲーム事業部)は存在したのでしょうか?

エージェントM

みふね

いえ、10年前はまだ事業部や組織・部署といったものはありませんでした。
ではどうして、DONUTSを選ばれたんですか。

エージェントM

みふね

ソーシャルゲームに興味があり、自社IPでオリジナルのソーシャルゲームが作れる会社に行きたくて、転職先を探していました。

なるほど。2011年というと、DONUTSではオリジナルゲーム『暴走列伝 単車の虎(以下単車の虎)』の運用が始まったばかりの頃ですよね。入社後は『単車の虎』を担当されたのでしょうか?

エージェントM

みふね

いえ、最初に担当したのはガラケー版『戦国の虎』の開発でした。

みふね

『戦国の虎』が生まれた経緯ですが、採用面接の時に企画書を出して欲しいと言われたんです。「ミリタリーもの」もしくは「戦国もの」という条件があったので、それなら『単車の虎』の戦国版がいいんじゃないかと思って企画書を作って提出しました。
そして入社後に、「あの企画書のゲームを作ってください」と言われて……驚きましたね(笑)

提案がそのまま実行につながる、、、決断の早いDONUTSらしい話ですね!

エージェントM

みふね

スマホゲームはいちユーザーとして遊んでこそいたのですが、作るのは初めてでした。
DONUTSに入ってまずはKPIなどモバイル独特の効果測定や仕様などを学ばせもらって、それから開発に着手する流れだと思っていたので焦りました(笑)

みふね

まずは『単車の虎』の企画書や仕様書を見せてもらい、あとは現場の方や仕様を理解している人に話を聞いて回りました。

みふね

「ゲーム」という括りでは変わらないのですが、コンシューマーゲームとスマホゲームは市場が異なるので、お客さんがどういった年齢層で何を好むのか把握できておらず、何から手を付けたらいいかも分からない状態でしたね。

みふね

それでもなんとか『戦国の虎』のガラケー版を無事リリースし、次にスマホ版の開発へ移行しました。

スマホ版開発に向けて、画像など素材の作り直しで大変だったのではないでしょうか?

エージェントM

みふね

そうですね。移行作業も今までにやったことなかったので大変でしたが、学びが多くやりがいがありました。

仕様書には企画意図も含めて全てを書く

ディレクターになるための要件は何だと思いますか?

エージェントM

みふね

人によるのではないでしょうか。
例えばコミュニケーション能力が優れている人はそれを活かせばいいですし、絵が得意な人は絵で説明したり、きっちりと仕様書を作ってコントロールする人もいると思います。

みふね

その人が得意なものを活かせばディレクターとしての個性が出て良いのではないかなと思います。誰かの真似をしようとすると逆に難しい気がしますね。
ディレクターごとにやり方がある、ということですね。 みふねさんはどのタイプでしょうか?

エージェントM

みふね

私は仕様書に全てを書くタイプですね。

みふね

もちろんメンバーとコミュニケーションもとりますが、やはり最初にコンセプトや「こういうゲームにしたい」という判断基準だけは書類でしっかりと説明しておきたいです。
そうしないと、何を基準に良し悪しを判断しているのかわからなくなってしまうと思うので。

みふね

部分的にはすごくいい提案があっても、全体を俯瞰して見ると逆方向の提案になっていることってよくあるんです。全体を見ずに部分的にいいか悪いか考えてしまいがちなので、そんな時のための指標となるのがコンセプトだと思っています。メンバーの疑問にはすぐに説明できる状態にしておきたいですし、自分自身の判断基準をぶれないようにするためでもあります。
ディレクターを目指す人へ向けてさらに伝えるなら、仕様書において大事なことは何だと思いますか?

エージェントM

みふね

機能面において、ちゃんと書かなきゃいけないというのはもちろんあります。

みふね

それよりもっと大事なのは、このゲームで何がしたいか、何が面白いのかを書くことです。
仕様書はゲームを作るための設計図みたいなものなので、目的がわからないまま読んでも面白くないと思うんです。

みふね

仕様書の冒頭でに「こういう面白さを実現したい」と明言できていたら、仕様書の理解も進むし、読んだ人が「だったらこうした方がいい」みたいな意見を言いやすいですよね。
仕様書は、本当に重要なんですね。

エージェントM

ディレクターとして新企画を立ち上げる際のテーマは、どうやって決めていますか?

エージェントM

みふね

ひとつはそのジャンルが商品化した際、ある程度お客様の注目が集まるものです。

みふね

もうひとつは、情熱を持続できるものじゃないとつらいので自分の興味があるものですね。
元々好きなものだったり、今現在知識がなくても学ぶことが面白そうなものを選びます。

みふね

『艦つく -Warship Craft-(以下艦つく)』の開発時には戦艦の歴史・動力などを学び、その仕組みをどうゲームに落とすか考えていました。

大切なのは「チャレンジし続けること」

みふねさんのDONUTS歴は10年以上になりますが、変わらず今のDONUTS GAMESで開発を続けるのはどのような理由からでしょうか?

エージェントM

みふね

オリジナルのIPでゲームを作れる会社ってあまりないので、やはり一番はそこですね。
最近はオリジナルで勝負する会社も増えてきましたが、数年前はほぼなかったです。
確かに、入社したらほぼ確実にオリジナルゲームに携われるというのはなかなかレアですね。

エージェントM

みふね

そうですね。入社を決めた理由も同じですし、今も気持ちは変わらないです。

オリジナルゲームの良さってなんでしょうか。

エージェントM

みふね

版権ものは宣伝のしやすさなどいいところがたくさんありますが、ゲーム化する際にルールを自由にできない、IPに合わせないといけないという制約も避けられないですよね。
制約なく企画開発できる点がDONUTS GAMESの大きな魅力です。

みふね

新しくゼロから作れる分大変ではありますが、企画職やデザイナーにとっても世界観を自由に作れるのは魅力だと思います。
入社後の開発環境で、何か印象に残っていることはありますか?

エージェントM

みふね

『艦つく』の企画をしている時に、突然「1ヶ月タイに行ってくれませんか」と、当時ゲーム事業部の部長も兼任していた代表の西村に言われたんです。
タイですか!それはまた急な話ですね……!

エージェントM

みふね

西村曰く、「集中して、今の企画を仕上げてきてください」「そのへんにいると色々頼んでしまうので手の届かないところに行ってください」とのことでした(笑)

みふね

DONUTSはタイ支社がありますから、そちらを間借りして、ホテルをとってもらって……最初は戸惑いましたが、行ってみたらとても楽しかったです。

みふね

1ヶ月集中して企画書作りに取り組めたので、「これだったらゲームにできる」という所まで企画を詰めることができました。

それは忘れられないエピソードですね!

エージェントM

DONUTS GAMESに向いているのはどんな方だと思いますか?

エージェントM

みふね

「新規ゲームを作りたい、挑戦したい」という希望を持っている方がいらっしゃるとしたら、その中でも一度や二度失敗してもへこたれないタフな方に来ていただきたいですね。

みふね

もちろん成功するのが一番良いのですが、新規ゲームは正直な所、外れることも多いです。
ですが、仮に失敗したとしても何故うまくいかなかったのかを考えて「次に生かしていこう!」と前向きに考えられたら失敗した意味もあると思うんです。そこで諦めてしまうのはもったいないです。

みふね

しっかり反省して、またチャレンジしてくれる方がいいですね。
特に募集しているポジションはありますか?

エージェントM

みふね

全方位だと思いますが、今は特にディレクターでしょうか。
他社でディレクターの経験を積んだ方が望ましいですか?

エージェントM

みふね

ディレクターを担当したことのある方が今のDONUTS GAMESには必要かなと思います。
DONUTSには能力のある若手がたくさんいるので、経験が不足する部分を教えながら作るにはある程度の経験があるのが望ましいと思います。世代の異なる若手から学べることも多いので、そういうことを楽しめる方だと良いですね!


ポッポーーーー! ピィ! ピギィー!!!

タイムリープシステム、充電完了
時間を旅するためのエネルギーが  

溜まったようだ
これでいつでもタイムリープ出来るッポ。  

それに────
【次】がおそらく最後の戦いになりそうッポ

!!!
そうか……
研究員さん、【次に出会う僕】によろしくお伝えくださいね!
…………
キミも来てくれたまえ。エージェントMくん
ファッ!?
ナビッポ、イレギュラーだが3名に変更だ。いけるな?
こいつ1匹くらい余裕だッポ!
な、なんで……!?
さあ、行くぞ!
なんでなん〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?

(物語の結末へ────!)

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第3シーズン 終

 

 
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ん? 他の調査結果も気になる?

過去のレポートも以下にまとめたのでぜひ読んでくれたまえ