【サービス終了、その瞬間】マーベラス『サクライグノラムス』…タイトル発表からの生い立ちを振り返りつつ、最後の瞬間を見届ける

スマートフォンアプリ市場は、日々新しいゲームがリリースされている。その一方で、様々な事情により惜しまれつつサービスが終了してしまうゲームも少なくはない。

gamebizでもサービス終了に関する記事(関連情報)を取り上げている。

それら記事を読み、「あと数ヵ月後に終わるのか…」と思うが、サービス終了発表~サービス終了当日までの期間、そのゲームについて追ってはいなかった。

そこでgamebizでは、それらゲームのサービスが終了するその瞬間に立ち会って、ゲーム内でどのような事が起こったのかを伝える「サービス終了、その瞬間」を展開している。

今回は、2023年4月28日15時をもってサービス終了となったマーベラス<7844>の『サクライグノラムス』をピックアップした。

マーベラス『サクライグノラムス』(Since 2023 to 2023)

まずは『サクライグノラムス』の概要について。

本作は、2016年にgumi<3903>よりリリースされたスマートフォン向けRPG『シノビナイトメア』の後継作として、2023年2月27日にリリースされたが、約1ヵ月後の3月31日にサービス終了を決定したことが発表され、後日サービス終了日時がアナウンスされた。

なお、『サクライグノラムス』はサービス開始から約2ヵ月でのサービス終了となった。

作品の歴史を振り返りつつ、1週間前からプレイ…有終の美を見届ける

本企画、本来であればサービス終了の1週間前からゲームをプレイして、7日間のゲーム内の模様をお届けしているのだが、今回はちょっと趣向を変えて、『サクライグノラムス』発表からの歴史を振り返ってみたい。

もちろん1週間前からプレイはしているので、その模様は追ってダイジェストでお伝えしようと思う。

まず、『サクライグノラムス』というタイトルが公になったのは2022年11月5日(関連記事)。gumi<3903>の開発スタジオ「Studio FgG」が開催した「FgG感謝祭2022 ~For Your Future~」にて初お披露目となった。

本作は、惜しまれつつ終了した『シノビナイトメア』を活用した新作で、広井王子氏が世界観設定・シナリオ協力している。

広井王子氏と言えば、40代の筆者にとっては『魔神英雄伝ワタル』や『魔動王グランゾート』などのアニメはもちろん、『サクラ大戦』シリーズや『天外魔境』シリーズといったゲームなど、若かりし頃にお世話になった作品を生み出したクリエイターだ。その氏が関わるタイトルということで、テンションが上がった筆者と同世代の方も少なくないはずだ。

タイトル発表に合わせて、公式Twitterのアカウントも開設。声優メインキャストやシナリオ、世界観、オープニングテーマといったさまざまな情報を発信していった。

また、タイトル発表を記念して、抽選でえらべるPay最大1万円分がその場で当たるキャンペーンや、抽選で5名にアマギフ1000円をプレゼントするRTキャンペーンなど、タイトルの認知拡大、リリースに向けて盛り上がりを作るための積極的な施策を展開していった。

なお、この原稿を書いている時点での公式Twitterのフォロワー数は12.7万。本作に期待するファンも多かったようだ。

年が変わった2023年1月からは、『サクライグノラムス』の世界観を伝えるストーリーPVを3週連続で公開され、広井王子氏執筆の第0章特設サイトがオープン(関連記事)。2月10日、『サクライグノラムス』が2月27日にリリースされることが判明した(関連記事)。

2月20日には7カウントダウンフォロー&RTキャンペーンを毎日開催するなど、リリースに向けた機運が一気に高まると、2月27日、ついに『サクライグノラムス』がリリースされた。

「桜」をキーワードにしたタイトルとあって、桜の季節に合わせた最高のタイミング(開花時期より少し早いけど)でのサービス開始。リリース翌日にはAppStore無料ゲーム1位獲得を記念したキャンペーンも行われ、順風満帆なスタートを切ったかに思われた。

リリース開始からおよそ11日後の3月10日、gumi<3903>が第3四半期の決算説明資料で新作パイプラインを公開し、『サクライグノラムス』については、FgGによる開発受託だったことを明らかにしたが(関連記事)、その2週間後に本作は大きなターニングポイントを迎えることとなる。

3月24日、マーベラス<7844>が2023年3月期に不採算タイトルに伴う営業損失を計上するとともに、通期の連結業績予想を下方修正することを発表したのだ。その不採算タイトルが『サクライグノラムス』だった。

同社の発表によると、「2月27日にリリースした新作アプリゲーム『サクライグノラムス』の売上高が想定を大きく下回る推移となっており、タイトル運営の赤字に加えて、将来における初期開発費用の回収可能性も非常に低いと判断せざるを得ない状況となった。そこで、これ以上の赤字継続を早期に止めるため、今後のサービス継続について早急に検討するとともに、ゲーム資産残高の一括償却を決定した。」という(関連記事)。

ちなみにゲーム内では、3月8日から新サムライスタイル★3桃太郎 英雄の旅立ちをピックアップした召喚や新アシストカードSSR[剣士の休息]佐々木小次郎をピックアップした召喚といった施策が開催されていたが、以降は目立ったイベント等は実施されなかったもよう。

そして3月31日、『サクライグノラムス』のサービスを終了することが決定。

その後サービス終了日が4月28日に決まったのだった。なお、早すぎるサービス終了となるため、幽晶石(有償)の消費の如何にかかわらず、課金した金額を全額返金するとした。

と、『サクライグノラムス』の発表からサービス終了決定までの流れをお届けしたところで、ここからは筆者が4月22日から開始した『サクライグノラムス』のプレイの模様をダイジェストでお送りしたいと思う。

「登場キャラクターのイラストとか、個人的には結構好みなんだけどなぁ」などと思いながら、チュートリアルを進めていく。

すると、筆者が仕事用で使っているスマホから「端末の温度が上がりすぎよ!」みたいな警告が。『サクライグノラムス』はグラフィックも綺麗だし、ボイスとかも色々入っていたりとゲームデータ的に、数年前のスマホ端末で遊ぶにはちと厳しいのかな。

仕方なくオプションで描画設定を簡易にしたけど、それでも筆者の使っている古い端末だと遊んでいて少し処理が重いなと感じたよ。

それから数日間、筆者はクエストをこなしたり、サムライスタイルとアシストカードの召喚を利用したり、スタイル育成でサムライを育てたりしていった。

ちなみに、本企画では恒例となる、他のプレイヤーさんの状況も覗いてみたのだが、筆者の確認できた範囲では直近ログインしている方は残念ながらいなかった。

そして、4月28日のサービス終了当日。15時で終了とアナウンスされているので、筆者は1時間前の14時頃に最後のログインをした。

数日前に一度他のプレイヤーさんの状況は確認していたが、サービス終了直前ならひょっとしたら…と思ったのだが、やはり確認できる範囲内でログインされている方は見つけられなかった。


▲念のため、他のプレイヤーさんと対戦できるモードで対戦相手を探してみるもダメだった。

そして時刻は15時となり、メンテナンスに突入。

こうして、『サクライグノラムス』は約2ヵ月でサービスを終了したのだった。


▲公式Twitterのツイートは4月24日のものが最後となっていた。

© Marvelous Inc.

前回の記事 ⇒ 【サービス終了、その瞬間】スクエニとDeNA『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-』…終了直後の公式Twitterに寄せられたユーザーたちの愛あるメッセージ

番外編もチェック ⇒ 「after that サービス終了」(22年度)…ゲームは終われどアニメやグッズ等の関連コンテンツで輝き続ける作品たち

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株式会社マーベラス
https://www.marv.jp/

会社情報

会社名
株式会社マーベラス
設立
1997年6月
代表者
代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
決算期
3月
直近業績
売上高253億4100万円、営業利益24億8800万円、経常利益29億3100万円、最終利益19億2500万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7844
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