サイバーエージェント<4751>は、軽量デカールシステム「AirSticker」をオープンソースソフトウェア(以下OSS)として公開した。
「AirSticker」は、非常に軽量に動作するデカール処理システム。本モジュールには多くのゲームで採用されている、典型的なメッシュ生成方式によるデカール処理が実装されている。
一方、UnityのURPで実装されているデカール処理は、投影方式のDBufferデカールとスクリーンスペースデカールが実装されている。これらは高い柔軟性をもっており、優れたデカールシステムだが、メッシュデカールと比較すると処理負荷が高くなる場合がある。本モジュールを利用することで、シンプルなメッシュ描画によるデカールを利用することができるようになり、ゲームのランタイムパフォーマンスの向上が期待できる。
同社のゲーム・エンターテイメント事業部では、数多くのプロジェクトがUnityを用いた開発を行っている。その中で、より開発を効率化するための施策の一環として、本ツール「AirSticker」を開発した。また、同社ではOSSによる業界への貢献にも力を入れており、本ツールもOSSとして公開することとなった。
■「AirSticker」の特徴
1. メッシュデカール
メッシュ貼り付けによるデカール表現を実現している。そのため、デカール表現のための処理負荷は、単なるメッシュ描画と同じ負荷となっており、非常に軽量に動作する。また、同一のマテリアル、同一のレシーバーオブジェクトであれば、デカールメッシュはワンスキンになっており、ドローコールも最小限になっている。
2. 低スパイクでのメッシュ生成
メッシュ生成処理は計算負荷の高い処理だが、メッシュ生成処理をメインスレッドとは別のスレッドで実行している。そのため、メインスレッドで発生するスパイクが少なくなっており、足跡やFPSの弾痕といったゲームでの典型的なデカールの利用が可能。
3. 完全なスキンアニメーション
スキンメッシュへのデカール貼り付けに対応している。貼り付けられたデカールメッシュは、レシーバーオブジェクトのスキンウェイトから、スキニング情報を割り当てられるため、スキンアニメーションに追従することができる。これにより、キャラクターへのボディペイントなどといった利用もできる。
4. 専用シェーダーを作る必要がない
「AirSticker」で生成されたデカールメッシュを描画するために専用シェーダーを作る必要はない。デカールメッシュの描画には、ビルトインシェーダーやユーザー独自のカスタムシェーダーなどをそのまま利用することができる。
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751