ソニーグループ、2024年3月通期の最終利益を8600億円から8800億円に上方修正…為替差損の減少などによる金融収益の増加で

ソニーグループ<6758>は、11月9日、2024年3月期連結業績予想の修正を行い、売上高及び金融ビジネス収入12兆4000億円(前回予想12兆2000億円)、営業利益1兆1700億円(同1兆1700億円)、税引前利益1兆1600億円(同1兆1400億円)、最終利益8800億円(同8600億円)とした。

・売上高及び金融ビジネス収入:12兆4000億円(前回予想12兆2000億円)
・営業利益:1兆1700億円(同1兆1700億円)
・税引前利益:1兆1600億円(同1兆1400億円)
・最終利益:8800億円(同8600億円)

従来予想からの修正率は、売上高及び金融ビジネス収入1.6%増、営業利益は変わらず、税引前利益1.7%増、最終利益2.3%増となっている。

・売上高及び金融ビジネス収入:1.6%増
・営業利益:変わらず
・税引前利益:1.7%増
・最終利益:2.3%増
　

■修正理由

売上高は、主に、金融分野の売上高の見通しを下方修正したものの、ゲーム&ネットワークサービス(以下「G&NS」)分野、音楽分野及びイメージング&センシング・ソリューション(以下「I&SS」)分野の売上高の見通しを上方修正したことから、8月時点の見通しを上回る見込み。

営業利益は、金融分野及び映画分野で減益を見込むものの、音楽分野及びI&SS分野で増益を見込むことから、8月時点の見通しから変更ない。税引前利益と最終利益はともに、為替差損(純額)の減少などによる金融収益(純額)の増加により、8月時点の見通しを上回る見込み。

セグメント別の見通しは以下の通り。

■ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野

売上高は、主に為替の影響及びアドオンコンテンツを含む自社制作以外のゲームソフトウェア販売増加を見込むことから、8月時点の見通しを上回る見込み。営業利益は、一部の自社制作ゲームソフトウェアの発売日変更などの影響を見込むものの、前述の自社制作以外のゲームソフトウェア販売増加の影響などにより、8月時点の見通しから変更ない。調整後OIBDAは、主に営業利益と同様の増減要因により、8月時点の見通しを上回る見込み。

■音楽分野

売上高は、主に為替の影響や映像メディア・プラットフォームにおけるモバイル向けゲームアプリケーションの収入増加、ならびに音楽出版におけるストリーミングサービスからの収入増加により、8月時点の見通しを上回る見込み。営業利益及び調整後OIBDAは、為替の好影響や前述の増収の影響により、8月時点の見通しを上回る見込み。

■映画分野

売上高及び営業利益は、為替の影響があるものの、主にハリウッドにおけるストライキの影響にともなう、映画製作における一部作品の劇場公開日の変更や宣伝活動の制約による影響及びテレビ番組制作における作品納入の後ろ倒し等による減収を見込むことから、8月時点の見通しを下回る見込み。調整後OIBDAは、主に営業利益と同様の増減要因により、8月時点の見通しから変更ない。

■エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野

売上高は、販売台数の減少によるテレビ及びスマートフォンの減収を見込むものの、為替の影響により、8月時点の見通しを上回る見込み。営業利益及び調整後OIBDAは、前述のテレビの減収の影響があるものの為替の好影響により、8月時点の見通しから変更ない。

■イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野

売上高は、車載向け及び産業・社会インフラ向けイメージセンサーの減収があるものの、主に為替の影響により、8月時点の見通しを上回る見込み。営業利益及び調整後OIBDAは、前述の減収の影響があるものの、主に為替の好影響及びコスト削減により、8月時点の見通しを上回る見込み。

■金融分野

金融ビジネス収入は、主にソニー生命保険(以下「ソニー生命」)における一般勘定及び特別勘定の運用益の減少により8月時点の見通しを下回る見込み。営業利益及び調整後OIBDAは、主にソニー生命における変額保険等に係る市況の変動による損益の悪化により8月時点の見通しを下回る見込み。