東映、9月中間決算は営業益23%減の148億円 増収確保も『聖闘士星矢The Beginning』の評価損計上で

東映<9605>は、11月14日、2024年3月期 第2四半期累計(23年4月~23年9月)の連結決算を発表し、売上高866億1800万円(前年同期比1.4%増)、営業利益148億4000万円(同22.8%減)、経常利益184億9400万円(同16.9%減)、最終利益71億4200万円(同27.1%減)だった。

同社では、増収となったものの、第1四半期に『聖闘士星矢 The Beginning』の棚卸資産評価損を計上したこと等の影響があった、としている。

・売上高:866億1800万円(同1.4%増)
・営業利益:148億4000万円(同22.8%減)
・経常利益:184億9400万円(同16.9%減)
・最終利益:71億4200万円(同27.1%減)

セグメント別の動向は以下の通り。

① 映像関連事業
売上高は644億3100万円(同3.3%減)、営業利益は129億3500万円(同30.8%減)となった。

映画事業では、提携製作作品等26本を配給し、このうち「劇場版アイドリッシュセブン LIVE4bit BEYOND THE PERiOD」が大ヒットし、「映画プリキュアオールスターズF」は好調なスタートとなった。また、前の期における公開作品のうち、「THE FIRST SLAM DUNK」(12月3日公開)が引き続き好稼働した。

一方、第1四半期に公開した「聖闘士星矢 The Beginning」の棚卸資産評価損を計上したこと等が利益を押し下げる要因となった。

テレビ事業では、「特捜9」「科捜研の女」「王様戦隊キングオージャー」等を制作して作品内容の充実と受注本数の確保に努め、キャラクターの商品化権営業は玩具等に関する消費者の嗜好が多様化するなか、堅調に推移した。

コンテンツ事業では、劇場用映画等の地上波・BS・CS放映権及びビデオ化権の販売に加え、VOD(ビデオ・オン・デマンド)事業者向けのコンテンツ販売等を行うとともに、劇場用映画のDVD・ブルーレイディスク作品やテレビ映画のDVD・ブルーレイディスク作品を販売した。アニメ関連では、「THE FIRST SLAM DUNK」の海外上映権販売や「ワンピース」の海外配信権販売に加え、「ONE PIECE FILM RED」等の国内の映像配信権販売が好調に稼働した。

②興行関連事業
売上高は109億8000万円(同13.4%増)、営業利益は13億4700万円(同68.0%増)となった。第2四半期末現在において、220スクリーン体制(東映直営館2スクリーン含む)で展開し、ティ・ジョイ運営のシネコンが好調に稼働した。

③ 催事関連事業
売上高は43億1200万円(同4.9%増)、営業利益は8億200万円(同58.2増)となった。「暴太郎戦隊ドンブラザーズファイナルライブツアー2023」「ひろがるスカイ!プリキュア おでかけ!ひろがるワールド!」等の各種イベントを開催したほか、映画関連商品の販売及び催事関連商品の通信販売を行った。また、東映太秦映画村は堅調に推移した。

④ 観光不動産事業
売上高は30億7500万円(同12.4%増)、営業利益は12億5000万円(同37.1%増)となった。

「プラッツ大泉」「オズ スタジオ シティ」「渋谷東映プラザ」「新宿三丁目イーストビル」「広島東映プラザ」等の賃貸施設が稼働した。ホテル業においては、インバウンド需要や団体利用の回復が見られる反面、光熱費等の物価高の影響を受けている。このような状況のなか、価格改定やコスト管理の徹底に努めるなど収益の確保に努めた。

 

■2024年3月期の業績見通し

2024年3月期の業績は、売上高1452億円(前期比5.0%増)、営業利益218億円(同9.6%増)、経常利益252億円(同8.7%増)、最終利益118億円(同3.4%増)、EPS953.02円を見込む。

・売上高:1452億円(同5.0%増)
・営業利益:218億円(同9.6%増)
・経常利益:252億円(同8.7%増)
・最終利益:118億円(同3.4%増)
・EPS:953.02円

計画に対する進捗率は、売上高59.7%、営業利益68.1%、経常利益73.4%、最終利益60.5%となっている。

・売上高:59.7%
・営業利益:68.1%
・経常利益:73.4%
・最終利益:60.5%

東映株式会社
https://www.toei.co.jp/

会社情報

会社名
東映株式会社
設立
1949年10月
代表者
代表取締役会長 多田 憲之/代表取締役社長 吉村 文雄
決算期
3月
上場区分
東証プライム
証券コード
9605
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