【GW企画】あの会社の新規上場時(5) AQインタラクティブ

今回は、AQインタラクティブを取り上げたい。稀代の起業家にして投資家でもある中山隼雄氏のゲームソフトメーカーである。個人的には、同社は、当初、家庭用ゲームソフトのパブリッシャーというよりも、ディベロッパーとして評価されていたような印象を持っている。 上場後の1年間は、順風満帆だった。業績も順調に拡大し、株価も上昇した。そして、2007年10月には、東証2部に上場するとともに、5000株の公募増資を行った。調達した資金は26億円。このとき、中山氏やアミューズキャピタルらが4000株の売出を行った。 ところがその後、ゲームソフトのパブリッシング部門が不振に陥り、2009年3月期には営業赤字に転落するとともに、オンラインゲームへの進出を決定。ブラウザゲーム「ブラウザ三国志」が大ヒットした。同社の業績は急回復し、2011年3月期は過去最高益を更新する見込みだ。    AQインタラクティブ(ジャスダック 3838)・・・2007年2月28日(水)上場 「家庭用ゲームソフトの受託開発と自社販売」  家庭用ゲームソフトの企画・開発・販売が主業務とするAQインタラクティブがジャスダックに上場する。創業以来、クオリティにこだわったエンターテイメント作品が提供することが基本方針。  連結子会社は3社で、いずれも特色のある開発スタジオとしてゲームソフトメーカーからの受託開発を行っている。「Xbox360」や「プレイステーション2」、「ニンテンドーDS」向けのゲームソフト開発を手がけている。マイクロソフトの大型ロールプレイングゲームや任天堂(7974)向けのアクションゲームなど多数の実績を積上げてきた。ゲーム開発の主な収益は、受託開発に基づく開発売上とゲームソフトの販売数量に基づくロイヤリティ収入。  一方、AQインタラクティブ本体は、ゲームソフトの自社販売と連結子会社への経営指導、海外へのライセンス販売がメイン。海外メーカーの作品の販売権を取得し、国内での販売も行っている。主な収益源は、国内の自社商品売上と海外パブリッシャーからのロイヤリティ収入となっている。  新規上場に伴う手取り概算金7億5000万円は、自社販売ソフトの開発のための運転資金に充当する予定。     〈会社概要〉  本社=東京都港区六本木1-4-30  URL=http://www.aqi.co.jp/  社長=石井洋児  設立=2000年3月  資本金=1億0947万円(2007年1月26日現在)  発行済株式数=4万8930株(上場時)  大株主=中山隼雄1万5620株(35.73%)、アミューズキャピタル9300株(21.27%)、石井洋児4000株(9.15%)、坂口博信2350株(5.38%)、日本テレビ放送網1000株(2.29%)