ゲーム株概況　「うたプリ」好調のブロッコリーが連日ストップ高　業績観測報道のグリーは小幅に上げる

10月15日の東京株式市場では、ブロッコリー<2706>株が2営業日連続のストップ高となった。取引制限値幅の上限（ストップ高水準）である前週末比80円 （21.0％）高の461円で買いが集まり、終日、売買が成立しないまま推移。取引終了時にストップ高水準で売買が成立した。女性向けコンテンツ『うたの ☆プリンスさまっ♪』（うたプリ）の好調で2014年2月期の業績予想を大きく引き上げた（関連記事）ことが買い材料だ。一方、業績観測報道のあったグリー<3632>は小幅に上昇した。

グリー株の終値は3円高の772円。10月12日付の日本経済新聞朝刊は、グリーの第1四半期（7～9月期）の連結業績にについて、売上高が前年同期比5％減の360億円前後、営業利益が同5割減の80億円程度、最終黒字も確保した模様だと報じた（関連記事）。営業利益は450億円を突破したピーク時の3分の1程度にとどまるが、IFISコンセンサス（79億4900万円）を若干上回ったと見られる。業績懸念から株価が低迷していたこともあり、報道を受けて、目先の悪い材料が出尽くしたと見た向きの買いが入ったようだ。

グリーの業績報道は意外な銘柄に影響を与えた。GREEやモバゲーといったプラットフォームに提供されるゲーム・アプリの運営サポート業務を手掛けるイー・ガーディアン<6050>株は、96円（3.8％）安の2416円で取引を終えた。日経新聞は、グリーが「これまで外注していたサポートセンター業務の一部内製化や広告宣伝費の削減で売上高営業利益率を前四半期比１ポイント程度改善させた」と伝えており、グリーからイー・ガーディアンへの外注が減っているのではとの思惑につながったようだ。

前週末に2013年8月期の決算を発表したトーセ<4728>も61円（8.2％）安の679円と下げた。決算内容は増収増益と好調だったが、同時に開示した14年8月期通期の予想が、営業利益で前期比3割減、純利益で6割減と減益を見込む内容だった（関連記事）ため、失望売りが出た。会社側は、東南アジア市場に向けたコンテンツ配信事業の拡大のため、先行投資を見込んでいる。

ゲーム株ではないが、ネット広告仲介のアドウェイズ<2489>の売買代金が539億円と、ソフトバンク（479億円）を抜いて全上場銘柄でトップになったことが株式市場で話題だ。ヤフー<4689>が打ち出したネット通販の「出店無料化」で恩恵を受けるとして、株価が急騰。値動きが大きくなったことで、短期売買を手掛ける市場参加者の関心が高まっているとみられる。


以下、15日の主なゲーム企業の株価と騰落（単位は円）。

銘柄名	終値	前日比	前日比率
ブロッコリー	461	80	21.00%
モブキャスト	2,162	232	12.02%
ケイブ	108,600	9,600	9.70%
ＫＬａｂ	913	43	4.94%
日本ファルコム	1,122	49	4.57%
クルーズ	3,630	150	4.31%
ボルテージ	1,080	39	3.75%
ネクソン	1,251	44	3.65%
ディー・エヌ・エー	2,010	68	3.50%
セガサミーＨＤ	2,786	75	2.77%
コナミ	2,365	54	2.34%
オルトプラス	4,425	100	2.31%
エイチーム	2,674	51	1.94%
ｅｎｉｓｈ	2,991	33	1.12%
コーエーテクモＨＤ	1,034	10	0.98%
ドリコム	113,000	1,000	0.89%
スクウェア・エニックスＨＤ	1,655	13	0.79%
バンダイナムコＨＤ	1,875	12	0.64%
グリー	772	3	0.39%
サイバーエージェント	2,955	9	0.31%
日本一ソフトウェア	800	0	0.00%
カプコン	1,925	-4	-0.21%
マーベラスＡＱＬ	511	-2	-0.39%
任天堂	11,270	-150	-1.31%
コロプラ	3,120	-50	-1.58%
ガンホー・オンライン	70,900	-1,200	-1.66%
アクセルマーク	905	-23	-2.48%
エイティング	2,449	-86	-3.39%
トーセ	679	-61	-8.24%