アプリマーケティング研究(3) 事前予約サービス経由のユーザのインストール転換率や翌日継続率について

2週にわたってマーケティングレポートではAndroidとiOSの事前予約サービスと予約数を紹介してきたが、今週は事前予約サービス経由のユーザの動きについて紹介します。今回は直近の案件実績から、各予約サービスからのリリース初日のインストール率・インストールユーザの翌日継続率をまとめてみました。(今回ご紹介する事例はAndroidの事前予約サービスの事例となります。)

まず、主要な事前予約サービスをまとめたものが以下の表となります(当社のサービスも含まれるため、サービス名は伏せています)。



まず、事前予約サービスをみると、今回の予約からのインストール率はリリース初日のインストールのみの数値となりますが、事前予約したユーザーがサービス開始後、実際にインストールした割合をみると20%~38%となり、平均36%となっています。

次に、実際に初日にインストールしたユーザーが翌日も継続したかどうかを示す「翌日継続率」をみますと、20%~52%で、平均すると41%となります。

サービスによって数字にばらつきがありますが、どのサービスであっても広告として考えても、インストール率、継続率が非常に高くなっており、サービスによっては自然流入よりも高いパフォーマンスとなっています。プロモーション上、有効な施策のひとつに位置づけられると考えられます。





これは事前登録サービスによく言われているメリットですが、ゲームに関心の高いユーザーが登録しているためと考えられます。昨今、質の高いユーザーをいかに獲得するかがアプリプロモーションでの課題となっていますが、こうした数値はそれに沿うものといえるでしょう。

なお、数値について再度補足をしておくと、今回の予約からのインストール率はリリース初日のインストールのみの数値から取得しているため、初日以降のインストール数値を含めるとさらに数値は大きくなることが想定されます。また事前予約ユーザは、リリース後予約ユーザへPush通知やメールで告知してから5日間にインストールが集中する傾向が見られます。(つまり5日を過ぎると予約経由ユーザのインストールはほぼなくなる。)

事前予約サービスは、今後市場としても拡大が見込める市場でもあり、新規タイトルのプロモーション戦略において、核となるプロモーション手法となっていくと考えています。事前予約サービスへの出稿検討の際にはぜひ参考していただければと思います。


 

■執筆者紹介


森山 晃義

国内初のネイティブソーシャルゲームに特化した集客スタジオ、株式会社AppBroadCast 事業戦略室 室長。モバイル広告の黎明期からモバイル広告業務に携わる。プラットフォーム系SAPのプロモーションマネージャーを経て、ネイティブアプリのデベロッパーではGoogleトップデベロッパーの認定に尽力。2013年8月より現職にてゲーム集客戦略の支援を手掛ける。

​市場の拡大ととともにアプリのリリース数が増加したことで、今回の事前予約のようなリリース前からの集客施策だけでなく、サービス開始後のプロモーションも含めたプロモーション戦略を考えることもアプリが成功する重要な要素となっています。記事の内容に関するご意見・ご質問あるいは、集客プランに関するご相談がございましたら、こちらからご気軽にお問い合わせください。