中国の”空中网”、13年4Qの売上高はQoQ0.6%減の約45億円 税引き後利益は過去最高を記録

中国のデジタルエンターテイメント会社”空中网(KongZhong)”< NASDAQ・KONG>は、2月24日、2013年第4四半期(4Q)及び2013年通期の決算を発表した。
 
同社は、2004年に設立された会社。2011年にスマートフォンのゲームエンジンプラットフォーム会社を買収以降、中国の4都市でスマートフォン向けゲームアプリの開発体制を築き上げ、MMORPG、RTS(リアル・タイム・ストラテジー)、ミリタリー、ファンタジーなどをはじめとした多種多様なゲームアプリを10タイトル以上開発している。
 
2013年4Qの売上高はQoQ0.6%減の4383万8,000ドル(約44億8,900万円)、税引き後利益(非GAAPベース)は過去最高でQoQ7.1倍増の1065万3,000ドル(約10億9,100万円)となった。
 
 
▲ 2008年〜2013年までの四半期毎の売上高と税引き後利益(非GAAPベース)の推移
 
2013年4Qの売上の内訳をみてみると、オンラインゲームはQoQ17%増の2,508万2,000ドル(約25億6,900万円)で全体の57%、ワイヤレス付加価値サービス(WVAS)がQoQ23%減の1,383万2,000ドル(約14億1,700万円)で32%、モバイルゲーム(フィーチャーフォン・スマートフォン含む)がQoQ5%増の492万4,000ドル(約5億400万円)で11%となり、オンラインゲームだけで過半数を占める結果となった。
 
▲ 08年3Qと13年4Qの売上高構成比

2008年3Qでは、売上高2,505万ドル(約25億6,500万円)のうち、WVASが2,207万ドル(約22億6,000万円)で全体の91%、モバイルゲーム(主にフィーチャーフォン)が236万8,000ドル(約2億4,200万円)で9%を占めていた。
 
また、費用の内訳を見ると、13年3Qでスマートフォン向け新規タイトルの開発、オンラインゲーム『World of Tank』の新規ユーザー獲得とブランディングのためのマーケティング活動、同社の海外向けゲームタイトルのブランディング活動により費用が跳ね上がったが、13年4Qでは主に運用フェーズに入ったため、QoQ21%減の1,569万5,000ドル(約16億700万円)に抑えられている。
 
▲ 2008年〜2013年までの四半期毎の費用推移
 
なお、2013年通期では、売上高は前年比3.7%減の1億7,944万ドル(約183億7,600万円)、税引き後利益(非GAAPベース)はYoY19.6%減の2,887万3,000ドル(約29億5,700万円)となった。
 
  
▲ 2008年〜2013年までの通期売上高と税引き後利益(非GAAPベース)の推移 

 

スマートフォンゲームがモバイルゲームの売上を牽引


2013年4Qのモバイルゲームの売上には、スマートフォン向けゲームの売上が寄与した。2013年4Qのモバイルゲームの売上の内訳をみてみると、フィーチャーフォンがQoQ44%減の181万2,000ドル(約1億8,600万円)、スマートフォンがQoQ108%増の311万2,000ドル(約3億1,900万円)となり、モバイルゲームの売上のうち63%をスマートフォンが占める結果となった。
 
▲ 2008年〜2013年までの四半期毎のモバイルゲームの売上高の推移

2013年4Qでスマートフォンゲームの月間アクティブユーザー数(MAU)はQoQ28%増の132万人、アクティブ有料ユーザー数はQoQ87%増の8万6,000人、ユーザー1人当りの平均課金額(ARPU)はQoQ12%増の222元(約3,700円)。
 
また、同社は、同社のスマートフォン向けゲームのチーム規模と開発期間を決算説明資料で公開している。以下の表は、決算説明資料をもとに作成した。
 
アプリ名 大领主
(Pocket Lord)
口袋战争
(Pocket Fort)
三国群英OL
(Three Kingdom Generals)
搞怪三国
(Kooky Three Kingdoms)
カテゴリ RPG シミュレーション シミュレーション オンラインRPG
チーム規模 15〜20人 25〜30人 15〜20人 25〜30人
開発期間 6か月以上 6か月以上 9か月以上 9か月以上
 
 ▲ 上:『大领主』と『口袋战争』、下:『三国群英OL』と『搞怪三国』

 

ブラウザ向けMMO『World of Tank』が躍進


2013年4Qのオンラインゲームの売上には、ブラウザ向けMMOゲーム『World of Tank』の売上が大きく貢献した。また、2013年第3四半期(3Q)でのマーケティング活動によりユーザーの継続率が向上したことと、4Qで『World of Tank』の新コンテンツの追加による影響もあったとしている。
 
 ▲ブラウザ向けMMOゲーム『World of Tank』

2013年4Qでオンラインゲームの平均同時接続者数はQoQ17%増・YoY56%増の46万7,000人、アクティブ有料ユーザー数はQoQ1%増・YoY7%減の77万4,000人、ユーザー1人当りの平均課金額(ARPU)はQoQ14%増・YoY11%増の192人民元(約3,200円)。

 

14年1Qの売上高は約47億円の見込み


同社は、2014年第1四半期(1Q)の売上高を4,550万〜4,650万ドル(約46億6100万〜47億6300万円)、税引き後利益(非GAAPベース)は1050万〜1150万ドル(約10億7,600万〜11億7,800万円)を見込んでいる。見込み売上高の詳細は、オンラインゲームの売上高がQoQ4.3%減の2,400万ドル(約24億5,800万円)、WVASの売上高がQoQ2.4%元1,350万ドル(約13億8,300万円)、モバイルゲームの売上がQoQ73%増の850万ドル(約8億7,100万円)としている。

 
なお、同社は、1月31日、中国のオンラインゲーム・モバイルゲーム会社”掌趣科技”を1億元(約16億7,100万円)の戦略的投資を発表していた。(関連サイト

 

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