剣と魔法のログレス いにしえの女神、マーベラス、Google Play、App Storeに関するスマホアプリ&ソーシャルゲームインタビュー記事

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​「時代がオレたちに追いついた」「本当にラッキー!」 マーベラスAQL青木氏、Aiming椎葉氏に聞く『剣と魔法のログレス いにしえの女神』の開発秘話とヒット要因

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マーベラスAQLのスマートフォン向けオンラインRPG『剣と魔法のログレス いにしえの女神』(以下、『剣と魔法のログレス』)が好調だ。昨年12月のリリース以来、徐々に人気を集め、現在ではアプリストアの売上ランキングでもトップ20の常連タイトルとなり、いまや最も人気のあるスマートフォン向けMMORPG(多人数同時接続型オンラインRPG)となっている。
 
MMORPGを含む複数人数同時接続型のオンラインゲームは、これまでも複数リリースされ、一定のユーザーからの支持があったものの、本作のように幅広いユーザーから人気を集めることはなかったように思われる。今回、『剣と魔法のログレス』の開発・運営のキーマンであるマーベラスAQL取締役副社長 DeptCOOの青木利則氏(写真右)、Aiming代表取締役CEOの椎葉忠志氏(写真左)にインタビューを行った。
 
 

■ここまで伸びるとは予想してなかった 


―――:昨年12月にリリースされて以来、かなり好調ですね。ここまでヒットすることは予想されていましたか? 正直、私はここまでになると思いませんでした。
 
青木氏:我々もそうです(笑) ここまで伸びると予想していた方は少なかったんじゃないでしょうか。
 
椎葉氏:PCブラウザゲームの『剣と魔法のログレス』は、実は隠れたヒット作なんです。ですから、スマートフォン版もそれなりにいくだろうとは考えていました。PC版の素材を生かせますので、開発コストも抑えられますから、やっておいて損はないプロジェクトとして始めたのがきっかけで、そのときも「大ヒットさせるぜ!」とは考えていませんでした。
 
青木氏:お話を始めたのは2年前の秋ごろからです。その当時、『パズル&ドラゴンズ』の売り上げが飛び抜けていて、それに続いて、コロプラさんやポケラボさん、D2Cさんが市場で台頭し始めたころでした。月商1億円のタイトルも数本あった程度でした。当時、マーベラスとしても何かしなくてはならないと悩んでいましたが、ちょうどそのタイミングで、椎葉さんから『剣と魔法のログレス』のスマートフォン版の提案を受けて「それだ!」となったんです(笑)。
 
椎葉氏:当時の業界内では、常時接続型のゲームは、通信頻度が高く電池の消費も多いため、ヒットするわけがないという考えが多かったです。そういったゲームに取り組んだ代表作としては、セガさんの『デーモントライヴ』などで、常時接続型のゲームはほとんどありませんでした。
 
青木氏:そんな状況でしたから、当社でも反対が多くて、予算を通すのに苦労しました(笑) ただ、通信環境の改善や市場拡大の見通しを考えると、『剣と魔法のログレス』はスマートフォンアプリでもお客様から遊んでもらえるし、最低でも開発費用だけは回収できると確信していました。そこから昨年12月までのリリースの間にマーケットが想定どおりに成長しました。
 
椎葉氏:当初は2013年6~7月に出す予定だったんですが、開発が遅れてよかったんです(笑) 台湾と共同開発したMMORPGなどを出したことがあるのですが、その頃ですと、通信環境や端末の性能が追いつかず、ゲームの動かないお客様が多かったと思います。ユーザーレビューで☆4つ、3つを割ると急激にインストール率が落ちることは知られてますが、☆1つになるとほとんどイントールされません。われわれの構想にマーケット環境が追いついた、といったところでしょうか(笑)
 
青木氏:開発が遅れていることは察知できましたので、私も『あうんの呼吸』で、リリース時期を9月に設定したのですが、そこからさらに3カ月遅れました(笑)。きちんとしたゲームを開発すると、どうしても遅れてしまいますし、Aimingさんの場合、遅れたらその分、クオリティの高いゲームを作ってくれるという信頼があります。オンラインゲームは作りきれないという話を耳にしますが、『ブラウザ三国志』、PC版『剣と魔法のログレス』もきちんと作ってもらえましたので、開発能力には絶対の信頼をおいていました。

 

 

■いけると思ったのは2月ころから
 

―――:リリース後はいかがでしたか?
 
椎葉氏:数字はかなり良かったですね。リリース時から伸び、売上ランキングは20位~30位で安定的な位置を確保できています。大きな施策を打って一時的に上がっても、反動で急落するということはなく、20~30位に戻る状況です。本当に幸せだと思います(笑)
 
リリース当初の1ヶ月は本当に苦労しました。街でクエストを受けてフィールドにワープするという方式を採用したことで、サーバーとの通信など、通常のMMORPGとは異なる部分に想定以上の負荷がかかる結果となりました。また、遅れたとはいえ突貫で作りましたので、リリース直後はゲームバランスが十分でなく、またそれに対して急遽調整を行うといったことが頻繁に行われたため、ユーザーの皆様からお叱りを受けたこともありました。問題は多々あったとはいえ、手応えは感じていましたので、開発チームには「焦らずしっかり問題解決していけば伸ばしていける」と話しました。

 
ひとつだけ不安だったのは、お客様にとってどれだけ新鮮さを保てるか、長く遊んでもらえるかどうか、でしたね。最初だけランキングが高くてすぐに落ちてしまうスマートフォンゲームが多いですよね。それはライトでカジュアルなゲームが多いというゲーム側の性質と、お客様からするとこれだけ多くゲームがある中で、少しでも面白くなくなったゲームを無理して続ける理由はないからです。入れ替わりが激しい市場ですから、「3カ月続けてもらえるのかな、こわいな」と毎日不安でした(笑)

 
―――:それがいけると思ったのはいつ頃からですか?
 
椎葉氏:広告などを出せるようになって、数字も伸びてきて、お客様にも継続的に遊んでもらえていることが確認できてからです。今年の2月くらいですね。関係者は「いける!いける!」と言ってくれるのですが、シンプルな遊び方しかできないMMORPGでしたので、続けて遊んでもらえるのか、内心はいまだに怖くて仕方ないです(笑) ゲーム自体の完成度は30%程度と思っていますから。
 
青木氏:MMORPGというと複雑でハードルが高いというイメージがあると思うのですが、そのゲーム性がスマートフォンのユーザーから受け入れられるのか不安でした。今の状況を見ていると、コアなお客様からミドルコアのお客様まで広がっていますし、カジュアルなお客様にも楽しんでいただいている状況ですので、当初の不安は薄れてきました。今後、新しい内容を増やして完成度を高め、ゲームに深みを出していけばもっと定着してもらえるのではないかと感じています。



 

■ヒットの要因はシンプルさと2Dにこだわったこと


―――:スマートフォンアプリ市場をみると、MMORPGでここまで成功を収めているタイトルはないですよね。どういった点が違うのでしょうか?
 
椎葉氏:恐らくですが、グラフィックや見た目の良さに加えて、あえて2Dにこだわったことが良かったのかもしれません。スマートフォンのMMORPGは、3Dでも提供できますが、操作も複雑ですし、端末のスペックの問題もありますから、あえてカジュアルな方向にしました。もうひとつは、2年間のPC版の運営で蓄積したアセットやノウハウがあり、それがうまく使えたことですね。ゲーム内で何かをすれば、効果があり、見た目も変わる武器防具が必ずもらえるようにしました。遊んだら遊んだだけの価値が返ってくるようにお客様が感じられるようにしたことも大きいと思います。

 

 
青木氏:今回、大阪のスタジオで開発してもらっているのですが、PC版での運営で培ったノウハウやバランス感覚が非常に大きいのかもしれません。この部分は数値化できないものですよね。ゲームがすごく良くできているのに、ゲームバランスの維持に失敗してしまうタイトルは数多くあって、当社でもたくさんあるんですが、この運営上のバランス感覚はAimingさんならではのものなんですよね。

 
椎葉氏:今回、PC版『ログレス』を作ったチームがスマートフォン版の開発に携わっています。いわば2周目となるタイトルですので、経験値が高くゲームの成熟度も高いです。いまになってみれば、成功するべき人たちが成功させたような気がしています。
 
―――:オンラインゲーム運営会社の決算でPCのオンライゲームユーザーがスマートフォンに移行しているという記述もでるようになりました。こういった部分も追い風になったようにも思うのですが、いかがかでしょうか。
 
椎葉氏:そうですね。PCでMMORPGを遊んでいる方もスマートフォンを持っています。スマートフォンでゲームを遊ぼうとした時、自分の好みのジャンルのゲームを探すのは当然ですよね。スマートフォンでも本格的なMMOが遊べるとレビューなどに書いていただき、そのレビューを見た方あるいは周囲にいる方々も遊んでいただいているように思います。PC版MMOのお客様をはじめPCでMMOに慣れ親しんだ方々が良い先輩というか、ベースとなるユーザーとして支えてくれたのは事実だと思います。
 

 
 

■スタミナの概念がなくいつまでも遊べる「お得感」「新鮮さ」

 

―――:ランキングで大きく上がるきっかけとなったのは、『フェイト/エクストラ CCC』とのコラボではないかと思うのですが(関連記事)。
 
椎葉氏:マーケティング的にも良いものでしたので、売り上げが伸び、ランキングも上がりました。ただ、リリース当初からアグレッシブに売上最大化を目指すソーシャルゲームと異なり、我々としては年単位で遊べるゲームにしたいと考えていますので、最初は無理に売り上げを出そうとはしていません。大事なことは、アクティブユーザーが多くいること、そして、課金率や継続率が低かったとしたら、改善すればあげられる状態にある点を重視しています。
 
青木氏:『フェイト/エクストラ CCC』とのコラボが多くの方にふれていただくきっかけになったのは事実だと思います。もうひとつは、新卒の社員に『剣と魔法のログレス』で遊んでもらい、感想文を書いてもらったんですが、スタミナの概念がないことが新鮮という意見が多かったですね。現在、ネイティブアプリの多くがスタミナの概念がありますが、『剣と魔法のログレス』にはスタミナの概念がなく、いつでもどこでも好きなだけ遊べます。その気になれば一日中遊べます。MMORPGではスタミナがないなんて当たり前のことなんですが、既存のスマートフォンアプリに慣れた方には驚きだったようですね。感想文をみて、私にとっては大きな気付きとなりました。レビュー欄にも同様の指摘がありまして、「お得」と感じられるようですね。

 
―――:なるほど。スマートフォンから遊んだ人にとってはすごく新鮮ですよね。私もMMORPGで遊んでいた経験がありますので、そんなものだと思っていたのですが…。あとWi-Fiでなくてもスムーズに遊べますよね。
 
椎葉氏:既存のゲームでは、通信する頻度をできるだけ下げていますよね。私としては、通信速度が上がって、地下鉄でも通信できるところが増えたように、通信環境がどんどん良くなっているわけですから、その点はそれほど気にしなくてもいいと考えています。オンラインゲームは、小さいパケットのやりとりが多いだけで、やりとりするデータ量は小さいのです。ゲーム内容もアクションゲームではないので、多少の通信遅延があっても気にならないようにしています。
 
 

■PC版をスマホにどう最適化させたか

 

―――:PC版とデータを連携させなかった理由はなんでしょうか?
 
椎葉氏:『ブラウザ三国志』や『剣と魔法のログレス』などPCブラウザゲームで開発・運営した経験からすると、スマートフォンとPCブラウザのお客様では、遊びに求めているものが違いますし、接続時間やチャットの使いやすさなども全く違いますので、無理に一緒にするとゲームがつまらなくなってしまうからです。そのため、スマートフォン版は全く別のゲームとして作りました。
 
 
青木氏:実はPC版とスマートフォン版で連携キャンペーン(※)を行い、PC版でクエストをクリアするとスマートフォン版でアイテムをプレゼントするというものでしたが、良かったのか悪かったのか、あまりうまくいきませんでした(笑) ターゲット層が全く別なんだと再確認しました。

(※)3月20日から行われたコラボキャンペーンのこと(関連記事)。



椎葉氏:PC版のお客様がスマートフォン版を遊ぶと単純すぎてつまらないとおっしゃる一方、スマートフォン版のお客様がPC版で遊ぶと難しいとおっしゃいます。もちろん、両方とも遊んでいただいている方もいらっしゃるわけなんですが。
 
―――:PC版と比べてスマートフォン版で変えたところはどういったところでしょうか?
 
椎葉氏:開発当初、町にいろいろな機能を入れて大きくしていたのですが、PC版に比べて町を小さくしました。韓国のオンラインゲーム業界でもMOのアクションRPGが流行した時、「フィールドや町中の移動はいらないのでは」という議論があったのですが、そんなことはなくて何かの意味があるんです。したがって、ログレスでは移動をなくすことは考えていませんでしたが、町を小さくして無駄な移動を極力、なくすことにしました。フィールドですと、ボスのところに行くまでに敵と戦ってEP(必殺スキルの使用に必要なポイント)を貯める必要がありますし、ドロップなどもあるため、遊ぶ要素がたくさんありますが、町の移動にはあまり意味がありません。
 
また町は1つであるべきとも考えています。町は賑わっている感を出すためにも意味がありますし、スマートフォンで初めてMMORPGで遊んだ方にとって、フィールドや町に他のプレイヤーのキャラクターがいて、動き回っている状況というのは本当に新鮮に映るみたいです。我々がとうの昔に経験し、忘れてしまったことなんですが、そういう点も大事にしています。町が1つであるべきという理由は、初心者の方も上級者の方も同じ場所にいるということが重要なんです。いろいろな人が確認でき、協力できるようにすることが重要です。

 
―――:バトルもだいぶ変えましたよね。
 
椎葉氏:バトルはもともとPC版に近かったのですが、新たに武器切り替え機能を実装しようとしていました。ディレクターには、武器の切り替えは楽しさがわかるまでに時間がかかりますし、操作量が増えますのであまり意味がないと話していましたが、彼はこだわって実装しようとしていました。11月の先行体験(オープンβテスト)では、PC版と同じく、マニュアル方式とオート方式が使えるようにしたのですが、テスト終了後、セミオート方式に変更するように指示しました。リリース1カ月前と時間がない中での変更でしたが、セミオート戦闘の出来がよく、武器の切り替え機能が意味を持つようになりました。
 
―――:クエストの進め方もPC版とは違いがあると感じました。こうした要素を変更するにあたって、どういった点に気をつけたのでしょうか?
 
椎葉氏:ログインしたら常に遊ぶことがわかるようにしてほしいとは伝えました。スマートフォンゲームでは「どこまで進んだっけ?」「なにをするんだっけ?」などとプレイヤーがなにをすべきか迷うゲームが少なくありませんが、『剣と魔法のログレス』ではとにかくクエストボードを見ればなにをすべきか分かるようにしました。個人的にはクエストボード方式は好きじゃないんですが…。こうした点で優れているのが『なめこ栽培キット』で、ゲームを始めると、なめこを収穫するか、植えるかしかないのですが、ログインした人にとっては、なにで遊ぶか迷うことがありません。
 
―――:PC版とのユーザー層に違いはありますか?
 
椎葉氏:MMORPGのメインユーザーで、ゲームリテラシーの高い20~30代の男性が中心になるだろうと考えていましたが、特別意識したことはありません。キャラクターデザインやイラストがかわいらしくアバターの着せ替えも楽しめますし、ゲームもシンプルでだれでも遊べるようにしていますので、女性ユーザーも増えてくれるかもしれないなとは思っていました。実際、フタを開けてみると、PC版に比べて、女性のお客様や若いお客様が多いと思いました。
 
青木氏:スマートフォンは、家庭用ゲーム機と異なり、誰でも持っていますし、普段の生活で使われているものですから、家庭用ゲーム機に比べてユーザー数が圧倒的に多く、また今この瞬間でもどんどん増えていますので間口がとにかく広く、どういったユーザーに遊んでもらえるのか、予測がつきませんでした。ただ一度触れてもらえれば、これまでMMORPGに無縁であった人にも楽しんでもらえるという自信はありました。
 

椎葉氏:もしかすると、今遊んでいる人の多くは、いわゆる「MMORPG」と思って遊んでいる人は少ないのかもしれません。普通のファンタジーRPGとして遊んでいて、他の人と一緒に遊べると思っている方が多いのかもしれません。
 

 
 

■大規模MMORPGを「Cocos2d-x」で開発

 
―――:スマートフォン版の開発で苦労した点はありますか?
 
椎葉氏:当社は、スマートフォンアプリについては、通常、「Unity」で開発しており、業界内でもトップクラスの開発実績と規模ですが、今回は2DのMMORPGですので、「Cocos2d-x」で開発しました。「Cocos2d-x」で開発するゲームにしては開発規模が大きいですし、そもそもMMORPGを開発することを想定したエンジンではないですから非常に苦労しました。日本国内でも先行事例が皆無で、文献もありませんでした。当社に所属する中国人のエンジニアがメンテナンスを行っている中国のChukong Technologiesに問い合わせたり、中国語の資料を探したりもしましたが、決定的なものが少なかったですね。結局、色々なエンジンを使った経験がありますから、エンジニア陣が自力で何とかしました。
 
―――:なるほど。エンジニア陣の努力の結晶なんですね。
 
椎葉氏:そうですね。MMORPGは複雑なので、同じようなゲームでも3割くらい内容が違うと実質的に作り直しなんです。プログラムも一から作っています。エンジニアの努力には頭が下がります。
 
―――:運営で苦労された点は。
 
椎葉氏:クローズドβテストやオープンβテストが十分できずに出たとこ勝負になったことですね。PCのオンラインゲームではありえないことですが、問題が発生したら最短・最速で対応しました。当初は不安定なところがありましたし、バランス調整も突然行ないましたが、お客様からお叱りを受けてレビューが下がったり…。ギルド・クランがないなど機能の薄さもあって、本当に遊んでもらえるのか不安でした。
 
―――:オンラインゲームは大規模接続になって初めて表面化する不具合もあると聞きますよね。
 
椎葉氏:そうですね。デバッグはもちろんですが、当社の社員だけでなく、マーベラスさんにもご協力いただいて300人で同時接続テストを行い負荷テストもしました。同時に、開発スタッフには、もし同時接続数が百人程度で重いようならワールドを追加できるように準備しておくように指示し、どんなことがあっても大丈夫なように準備をしておきました。開発を担当した大阪スタジオは、1997年に日本最初のMMORPG「ライフストーム」を開発した日本システムサプライが母体となっており、オンラインゲームでの開発経験・ノウハウは豊富にあります。長期メンテもなく運営できたのは大阪スタジオだからこそだと思います。
 

 
 

■ゲームの進化の方向はリアルタイム通信

 
―――:同時接続数はどのくらいなのですか?
 
椎葉氏:だいたい1万5000人くらいですね。PCよりも同時接続のピークがなだらかです。PCだと昼間はほとんどなく、夕方から上がっていきますが、スマートフォンは昼間でも多いです。PCだと3~4万人規模の価値があると思います。過去、『レッドストーン』というオンラインゲームの運営を担当したことがありますが、それと同じ規模です。国産のMMORPGでもトップ5に入る規模ではないでしょうか。
 
青木氏:マーベラスAQLは、大手ゲーム会社に比べると一般の知名度は高くないですし、PC版があるといってもIPとしての力も決して強くはありません。また、ものすごく有名な絵師さんや声優さんを起用しているわけでもない。際立った売りはなく、オリジナルの王道ファンタジーRPGという直球勝負が受け入れられたのは、やはりパッケージソフトと異なり、スマートフォンという間口の広さが大きな要因だったと思います。無料でダウンロード・プレイできますので、事前にお金を払わなくてもとりあえず触ってもらえるというのは大きいですね。
 
椎葉氏:あと、タイミングも良かったですね。1年早いとダメでしたし、逆に1年後だと遅かったと思います。すべての条件が整ったタイミングで出せたのは大きかったと思います。本当にラッキーです(笑) すごい成功というのはそういうものかもしれません。

 
―――:最近、リアルタイム通信型のゲームが本当に増えていますよね。トレンド的にも良かったんでしょうか。
 
椎葉氏:そうですね。今後、スマートフォンゲームの面白さを高めていこうとすると、操作をより複雑にしたり、より考えるようにするよりも、一緒に対戦したり、より協力したりすることに面白さを追求していくことが正しい方向性と考えています。リアルタイム性を増して、より人とつながりや遊び方を密接にしていく。ソーシャルゲームの軽いつながりよりも、面白さを増すためにもっと人とのつながりが求められており、そういったタイミングで『剣と魔法のログレス』がリリースされたことが良かったと思います。
 
―――:私も初めてMMORPGに触れたのは2003年だったと思います。その時、自分のゲーム画面に他のプレイヤーキャラクターがワラワラと動き回る様子には衝撃を受けました。そんな人が多いのかもしれませんね。
 
青木氏:「わあ、人がいる! 話しかけると返してくれる!」というのは衝撃ですよね。フィールドで戦っていて、自分のキャラクターよりも圧倒的にレベルが高くて1ケタ違うダメージを与えたりすると、格好いい!と思いますよね。逆に、強そうな人に付いて行っておこぼれにあずかったりすることもできます。全てがリアルタイムでインタラクティブなので、すごく楽しいと感じてもらっていると思います。
 
椎葉氏:社会人になると、仕事が忙しくて、学生時代の友だちなどと会って遊ぶことが難しくなっていますよね。スマートフォンのオンラインRPGならばそういったことが簡単に実現できます。『ゲームは飽きるが、友だちは飽きない』―――これがオンラインゲームのベースになっています。リアルタイム性を高めて、友だちといかにより楽しい時間を過ごしてもらうか、そういったところをゲームでいかに実現するかに努めています。
 

 
 

■今後の展開…テレビCMも検討

 
―――:今後の展開についてお聞きしたいのですが、アップデートの考えは?
 
椎葉氏:2年近い運営実績のあるタイトルですので、ギルドや協力コンテンツを含めた様々な機能を実装していく予定ですので、その点は安心して欲しいですね。ただ、スケジュールどおりに進まず、本当に申し訳ないと思っています。現在の完成度は30%程度ですので、これらから70%は良くなると思っていただけると幸いです。これからも毎月毎月コンテンツのアップデートを行い、やることがなくなるようなゲームにはしません。PCとは異なる、新しい要素も導入していく予定です。
 
青木氏:『パズル&ドラゴンズ』がスマートフォンアプリの売り上げの限界に挑戦していますが、我々はスマートフォン向けMMORPGとして限界に挑戦したいという思いはちょっとあります(笑) ゲームはまだまだ良くなりますし、会員数も伸ばせる余地が大きいので、これからさらに伸ばすことは可能と考えています。

 
―――:いまワールドはどのくらいあるのですか?
 
椎葉氏:現在、ワールドは5つまで増やしていますが、チューニングが完了したら合併するつもりです。現在、開発リソースが限られている中で、新しいコンテンツの追加開発に力を入れるか、ワールドを増やさずにチューニングに力を入れて1ワールドに1人でも多くのお客様にプレイしていただけるようにするか、というトレードオフのような状況にあり、前者を優先させています。計算上、現在の倍くらいのお客様になっても、問題なくプレイしていただける環境なので、2つのワールドを1つにしたり、あとは違うワールドにも移動できるようにする予定です。
 
―――:パブリッシャーとして、プロモーションに関してはテレビCMなども視野に入ってくるところかと思いますが。
 
青木氏:そうですね。いつでも出せるように準備だけはしておきたいと考えていますが、クリエイティブによって効果は異なりますので、慎重に検討しているところです。ゲーム自体はだれでも楽しめるゲームですので、テレビCMの打ち方次第では非常に効果があると期待しています。
 

―――:PCのオンラインゲームでは10年選手が多いですが、そういったところを目指したいところですか。
 
椎葉氏:『ブラウザ三国志』は、運営して5年になりますが、高い水準を維持していますし、『剣と魔法のログレス』のPC版も3年になりますが、ユーザー数や売り上げなどのKPIは全く落ちていません。オンラインゲームでは10年運営するタイトルは数多くありますが、スマートフォン版のオンラインゲームでも何年も楽しめるゲームを目指したいですね。



■『剣と魔法のログレス いにしえの女神』


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公式サイト



(C)TYPE-MOON
(C)MarvelousAQL Inc. Aiming Inc.
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企業情報(株式会社Aiming)

会社名 株式会社Aiming
URL http://aiming-inc.com/
設立 2011年5月
代表者 椎葉 忠志
決算期 12月
直近業績 売上高68億2900万円、営業損益29億4900万円の赤字、経常損益29億4700万円の赤字、最終損益29億7200万円の赤字(2017年12月期)
上場区分 東証マザーズ
証券コード 3911

企業情報(株式会社マーベラス)

会社名 株式会社マーベラス
URL https://www.marv.jp/
設立 1997年6月
代表者 許田周一
決算期 3月
直近業績 売上高252億9100万円、営業利益51億4700万円、経常利益51億0500万円、最終利益35億1300万円(2018年3月期)
上場区分 東証一部
証券コード 7844

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