『チェンクロ』は月商10億円…セガネットワークスの説明会資料が公開 開発中の新作は15本、上半期は売上190億円を計画

セガサミーホールディングス<6460>は6月11日、5月29日に実施した「セガネットワークス戦略説明会」の資料を公開した。300万ダウンロードを突破した人気作『チェインクロニクル』の月商が10億円級で、計7タイトルが月商1億円超え、新作を15本開発中、などなど興味深いデータが盛りだくさんの資料だった。内容を紹介していきたい。

セガネットワークスはセガのネットワーク事業を分割する形で2012年7月に設立された企業で、スマートデバイス(スマートフォンやタブレット)向けのアプリコンテンツを手掛ける。セガのソフト資産を活用した『ぷよぷよ!!クエスト』『ボーダーブレイク mobile -疾風のガンフロント-』のほか、『チェインクロニクル』『キングダムコンクエスト』シリーズなどのオリジナルタイトルなどを提供する。
 
▼セガサミーのコンシューマー事業

2014年3月期は売上が急成長。通期の売上高は209億円と、セガサミーHD全体のコンシューマ事業(998億円)の21%、うちデジタル (ゲームコンテンツ)事業(同400億円)の52%を占める規模にまで成長。設立2年目にして、セガサミーグループのコンシューマ事業の一角を担う。
 

今年度の第2四半期(7~9月)の売上高で110億円、上半期(2014年4~9月)累計の売上高で190億円を計画している。モバイルゲーム業界で言えば、サイバーエージェント<4751>のゲーム事業、コロプラ<3668>、ネクソン<3659>のモバイル事業と同規模だ。
 

■『チェインクロニクル』の月商10億円、『ぷよぷよ!!クエスト』は5憶円


急成長の背景には『チェインクロニクル』と『ぷよぷよ!!クエスト』という大ヒットタイトルの登場がある。『チェインクロニクル』の月商は9~10億円の水準で安定、『ぷよぷよクエスト』も月5憶円以上に成長したという。
 



説明会資料からは、この基幹タイトル2本を含め、7本の「月商1億円超え」タイトルがあることが見て取れる(1億円超えは通算では8本とのこと)。同社タイトルの層の厚さが伺える資料だ。
 



『ぷよぷよクエスト』のように、新設企業としての機動力をもって、老舗エンターテインメント企業であるセガサミーHDの経営資源・IP(知的財産)を活用できたという面もある。一方、『チェインクロニクル』というセガネットワークスのオリジナルタイトルが大ヒットを実現した。

セガネットワークスの成長は、老舗エンタメ企業が蓄積したものの活用と、オリジナルタイトルの創出という、2軸を見事に回転させた結果と振り返ることができるだろう。以下、資料に掲載された、セガネットワークスの強みである。
 
 

■『チェンクロ』チームの新作RPGなど新作15本を開発中


新作を15本開発中であることも示されていた。「高いヒット率に裏打ちされた、新たな大ヒットタイトル創出に向けての種蒔きを積極的に実施」しているという。

資料からは、『チェンクロ』チーム新作、大型MO-ARPG(multiplayer online action RPG、多人数参加型オンラインアクションRPG)、大型IPタイトルなど、気になるワードが多数見受けられる。今後の同社の成長に、ますます期待したい。
 
株式会社セガ
https://www.sega.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社セガ
設立
1960年6月
代表者
代表取締役会長CEO 里見 治紀/代表取締役社長COO 杉野 行雄/代表取締役副社長 内海 州史
決算期
3月
直近業績
売上高1916億7800万円、営業利益175億3900万円、経常利益171億9000万円、最終利益114億8800万円(2023年3月期)
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