【関西注目ゲーム企業vol.4】グループ会社の相乗効果のもとゲームを提供するエスユーエス。『タッチサマナー』の開発者が語る事業の舞台裏とは


エンジニアリング、研修開発、起業支援/事業投資、HRM(Human Resource Management)の4つの事業領域、また技術力・専門性の高い複数のグループ企業とともに、人それぞれの多様な可能性を追求している株式会社エスユーエス(1999年9月設立)。

グループ会社の中でも、ソーシャルゲームの企画・開発に注力しているのが株式会社ファンクリックだ(2011年1月設立)。同社は、位置情報プラットフォーム「コロプラ」で提供中の『タッチサマナー』や『鷹の爪あなたが世界征服+』などを開発(関連記事一覧)。

『タッチサマナー』は、日本史、三国志、海外の伝説・伝承の英雄たちが登場する新感覚パズル位置ゲームだ。プレイヤーは召喚士となり、個性豊かな英雄とともに魔族とのバトルに挑んでいく。また、曜日限定クエストで入手する限定素材や進化アイテムで英雄たちを強化することもできる他、位置登録すると出現する地域限定クエストではそこでしか手に入らないアイテムも獲得できる。

現在、エスユーエスでは、「人は財産」であるという考えのもと、複数のグループ企業において多種多様な職種で人財面の強化を進めている。そこで本稿では、ファンクリックに所属する『タッチサマナー』などの企画担当兼開発チームリーダーにメールインタビューを試みた。同作など複数のゲーム開発でも活躍する開発者に、仕事上でのこだわり、求める人物像などを語っていただいた。

 

『タッチサマナー』などの企画担当兼開発チームリーダー 圓城 博章 氏


――:現在のお仕事をお聞かせください。
企画担当兼開発チームリーダーをしています。現在は、おもに『タッチサマナー(コロプラ版)』を担当しています。その他に、『鷹の爪「あなたが世界征服+」』(コロプラ版)や『鷹の爪団「あなたが世界征服」』(mobage版) などを担当しています。
 

――:制作環境として、御社ならではの特徴はございますか。
エスユーエスでは、多数のITエンジニアを有する当社に加え、ソーシャルゲームの企画/開発会社「株式会社ファンクリック」、WEBサイト/システム開発会社「株式会社Qript」のエスユーエスグループ3社がそれぞれの強みをもって連携しゲーム開発を行っています。したがって、ゲーム開発における企画、開発、デザイン、演出といった役割をエスユーエスグループ内で完結できるため、コミュニケーションも円滑で、ゲーム開発で最も大事な世界観や思いといったものも共有しやすい環境となっています。


――:こだわりや魅力が感じられた現場でのエピソードなどはございますか。
現在、メインで担っている新規タイトル『タッチサマナー』でのエピソードで、チームワークという点ですごく印象に残っているものがあります。『タッチサマナー』は、企画段階では、まず「パズルゲームの要素をベースにする」ことで、方向性を定めました。そして、原案はデザインと演出をメインに担当している担当者から出てきたものを採用していました。しかし、実際に、企画を固めていく過程で、システムやパラメータ設計の観点をふまえて、議論を戦わせる中で、どんどんブラッシュアップされ、当初の企画段階のものから変わっていきました。


ただ、メンバー全員が「良いものを作りたい」という共通目的をもって取り組んでいたので、たとえ、開発途中で大きな変更が加わるなどの改善があっても、お互いに納得できるまで話した上で、再度気持ちを切り替えて、開発を進めることができました。

たった数ヶ月で、原案からリリースに至るまで、常に改善をしながら進めていけたのは、開発の場や人の輪として、とても価値の高いことだと感じています。



――:エスユーエスのグループ企業には、ソーシャルゲームの企画・開発を行う「株式会社ファンクリック」や、Webサイトの制作・Webシステムの開発や構築を事業とする「株式会社Qript」など、それぞれ異なる専門性を持ち合わせた企業が特徴的です。今回グループ会社全体での採用を強化するということですが、特にどのような業種で募集なさっているのでしょうか。
採用職種につきましては広く捉えていますが、特にディレクター、iOS・Androidのアプリ開発エンジニア、PHPエンジニアを積極的に採用中です。


――:今後、チームをどのようにしていきたいですか。
企画者に関わらず、企画力に伸ばしていきたいです。これには、「それぞれが1タイトルのゲームを受け持つ」という考え方だけではなく、「企画者、開発者、デザイナーが、それぞれの観点で、お客様の要望や課題に対するアイデアをぶつけられる様にしたい」という思いがあります。

「誰かが考えた企画を全員でレビューする」というスピード感では、ある程度変更可能範囲が決まってしまった上でのスタートであるため、1人1企画で3本ではなく、3人で3本というイメージで考えています

開発手法としては、ルールや運用が複雑になるので難しいのはわかっています。しかし、それでも実現したいのは、「どこかの観点が抜けているゲームにはしたくないし、それではお客様に満足していただけない」と考えているからです。
 

――:そのようなチームを作るために、どのような人材を求めていますか。
1.プレイヤーとしてゲームに入り込んだ事がある
2.人の意見を素直に聞いて、自分の考えと並列で判断できる
3.主観にとらわれることなく、他者の視点でゲームを見ることができる という部分を重視しています。

これらがあれば、たとえ経験が浅くとも、スキルはあとからでも十分に伸ばせると思います。


 
――:スキルの他にも、共にゲームを作っていく上で、どのような点を大事にしていますか。
「お客様やご意見やメンバーの考えを大切にして理解しようとする」ことだと思います。


――:どのような目標や課題がございますか。
もちろん、技術力や仕組みで最先端のヒットを狙っていきたいですが、「見方を変えるだけでこんなアイデアがあるのだよ」というようなゲームをつくっていきたいです。

 
――:最後に、ソーシャルゲームインフォの読書のみなさまへ一言をお願いします。
6月5日に、位置情報サービスプラットフォーム「コロプラ」で、新感覚パズルゲーム『タッチサマナー』を正式にサービス開始いたしました。まだリリースしたばかりで、「お客様の声をベースにより良いゲームに作り上げよう」としている最中ですが、ぜひ、一度プレイしていただければと思います。


 
各分野のスペシャリストが集い、それぞれの個性を活かすエスユーエス。そうした試みの結果として、ゲームでユーザーに新しい価値を提供することができるのだろう。幾多もの事業を兼ね備え、グループ会社のシナジー(相乗効果)のもとゲーム開発を進めるエスユーエスに今後も注目。
 

■コロプラ版『タッチサマナー』
 

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