Social Game Infoが選ぶ2014年上半期の10大ニュース…5月に訪れた歴史的な一日、驚きの買収など

早いもので、2014年も半年が過ぎた。たった半年とはいえ、動きの速いモバイルゲーム業界。話題となったニュースの記憶も薄れつつあるだろう。

Social Game Infoでは、今年1月から6月までに配信した記事を対象に、閲覧数(PV)を参考としながら、独断と偏見で「今年上半期の10大ニュース」を選んだ。上半期の振り返りの参考になればと思う。

なお、記事ごとではなく、トピックごとに選んだ。ひとつのトピックに関して続報などがあれば、複数本の記事を関連記事として取り上げている。

 

【1位】『パズドラ』、売上首位の座を一時『モンスト』に明け渡す(5月)


 

2014年5月15日、「いつか来るだろう」と思われていた瞬間が到来した。編集部はもちろん、業界関係者も騒然。『パズル&ドラゴン』を1位から引きずり下ろすのはどのタイトルか、前評判ではドラクエやFFといった大型IPタイトルだろうという予想が多かったが、いざふたを開けてみれば新規IPの『モンスターストライク』だった。前日にミクシィ<2121>が強烈な業績改善見通し(関連記事)を示したこともあり、株式市場も注目。とはいえ、『パズドラ』の首位陥落は一時的で、依然、絶対的王者として売上首位をひた走る。

【速報】App Store売上ランキングで『モンスターストライク』が『パズドラ』を抜いて第1位へ!!!!(5/15)

【App Storeランキング(5/16)】依然『モンスターストライク』が1位!! スクエニ新作『ファイナルファンタジー アギト』は早々に20位台へ(5/16)

運営コメント「なんかすみませんでした」…『パズル&ドラゴンズ』で2位転落のお詫びに「たまドラ Lv.1」を配布【追記】(5/16)

【ゲーム株概況】ミクシィが連日でS高…好業績予想と『パズドラ』超えを好感 決算発表の日本一ソフトとKLabは下落(5/16)

【速報】再び…App Store売上ランキングで『モンスターストライク』が『パズドラ』を抜いて第1位へ!!!! 1位と2位の“差”にも変化(5/27)

 

【2位】KADOKAWAがフロム・ソフトウェアを買収(4月)


『艦隊これくしょん』で話題の角川ゲームスと、『アーマード・コア』シリーズなどで知られるフロム・ソフトウェアが、同じグループ入り。ゲーム業界関係者は驚き、すわ「『艦これ』の新ゲームをフロムが開発か」などという思惑も浮上した。役員の兼任も多いため、連携したゲーム開発の可能性もゼロではなさそうだが…

KADOKAWA、フロム・ソフトウェアをトランスコスモスより買収…角川ゲームスとともにグループの中核ゲーム企業として展開へ(4/28)

 

【3位】「お城」擬人化ブーム?グリー/KADOKAWA、DMMと相次ぎ発表(5月)



『艦隊これくしょん』の成功を参考に、今後は擬人化タイトルが相次ぐのでは、などとの観測はあったが、グリー<3632>がKADOKAWAと組み「お城」で動いた。記事の閲覧数の伸びや反響などを見るに、名城ファンも、軍艦ファンに劣らず、結構多そうだ。7月以降のニュースだが、『艦これ』のDMMも「お城」ゲームを発表している。


グリーとKADOKAWA、日本全国の名城を擬人化した新作SLG『城姫クエスト』を今夏「GREE」で配信決定!! 『艦これ』の次は『城クエ』か?(5/27)

DMMゲームズ、新ジャンルのPCブラウザゲーム『御城コレクション』を今秋配信、事前登録の受付開始!(7/1)

 

【4位】スクールアイドル、会社を救ったり、ドラゴンを倒したり(4月、5月)



学校だけじゃなく、会社も救うし、ドラゴンも倒す。音ノ木坂のスクールアイドルはすごい。

ブシロードとKLabの『ラブライブ!スクフェス』がApp Store(iPad)売上ランキングで『パズドラ』を抜かして1位に!! スクールアイドルがドラゴンを負かした!(4/16)

KLab、第1四半期の営業益予想を9000万円の赤字→9600万円の黒字に上方修正…スクールアイドルがKLabも救った!(5/13)

『ラブライブ!スクフェス』がiPadの売上ランキングで『パズドラ』抜き再び1位に…スクールアイドルの「山頂アタック」続く(5/15)

 

【5位】ジーモードが解散、そして(名前が)復活へ(1~4月)


年明け早々、モバイルゲームコンテンツの老舗ジー・モードがONE-UPに売却されるというニュースが伝わり、2月には解散が伝わるなど、時代の流れを感じさせるニュースが相次いだ。サービス開始から4年を経た『天空のスカイガレオン』もサービスを終了。ただ、旧ジー・モードを吸収したONE-UP自体がジー・モードに名称を変更し、なじみのある社名は残ることになった。

アプリックスIP、ジー・モードを7.5憶円でONE-UPに売却 アニメ制作のAIC株も同社代表の三浦氏に譲渡(1/20)

ONE-UP、ジー・モードを吸収合併…ジー・モードは解散へ(2/20)

ONE-UP、「株式会社ジー・モード」に社名変更…本社も東京都新宿区に移転、ロゴも一新(4/9)

ジー・モード、『天空のスカイガレオン』のサービスを7月3日で終了…サービス開始から4年で幕(5/2)

 

【6位】『ツムツム』に『アナ雪』…ディズニーゲームがすごい!(1月、3月)


年明け後にリリースされた『LINE:ディズニーツムツム』は、女性ユーザーを中心も支持を得て、売上ランキングトップ5の常連タイトルに成長。『アナと雪の女王:Free Fall』も映画の人気もあって、トップ30に食い込むタイトルとなっている。ディズニーの魅力を上手く活かしたタイトルの力を見せつけられた。

LINE、カジュアルパズルゲーム『LINE:ディズニーツムツム』を配信開始! 開発:NHN PlayArt(1/29)

ディズニー、マッチングパズルゲーム『アナと雪の女王:Free Fall』の日本語版を配信開始! アプリランキングで上位を狙う力あり…映画は本日公開(3/14)

 

【7位】『パズドラ』活性化策…「パズドラW」、「過去最大級」コラボ(2月、5月)



千数百万のMAU(月間活動ユーザー数)を誇る『パズドラ』だが、更なるユーザー増加に向けて様々な活性化策を打ち出しており、読者の関心も高かった。決算説明会で明かされた「過去最大級」のコラボは様々な予想がされ、「謎」が読者の関心を誘った。

2月に発表した、新ゲーム要素を追加する大型アップデート「パズル&ドラゴンズW」は「パズルアクション部分に特化して、『パズドラ』を難しいと感じているカジュアルユーザーでも楽しめるもの」という。こちらも実装はまだだが、全貌が明かされる日が楽しみだ。

【イベント】「パズル要素を徹底的に楽しめるように進化します」…新たな遊び方『パズドラW』が発表された「パズドラ2周年記念」発表会レポート(2/20)

ガンホー、『パズル&ドラゴンズ』で「過去最大級」の超大型コラボを実施へ…大型アップデート「パズドラW」は鋭意開発中(4/28)

ガンホー、『パズル&ドラゴンズ』で『ドラゴンボール改』とのコラボ企画を実施…人気キャラが登場するコラボダンジョンやコラボガチャを開催(5/30)

 

【8位】『チェインクロニクル』は月商10億円(6月)


月商の水準に加えて、公開された情報の詳細さに驚いた読者も多かったようだ。『チェインクロニクル』だけでなく、『ぷよぷよ!!クエスト』の月商5憶円級と公開。ストアランキングの推移と組み合わせれば、ランキング上位のゲームの売上規模を大まかに測る際の指標となるため、業界関係者にとって貴重な資料となったことだろう。

『チェンクロ』は月商10億円…セガネットワークスの説明会資料が公開 開発中の新作は15本、上半期は売上190億円を計画(6/13)

 

【9位】LINEが20タイトルを終了…成長タイトルへ資源集中(6月)


ネイティブアプリ分野で先行して成功したLINEが、その動きを緩めない。LINEが新しいジャンル・システムのゲームを貪欲に求めているという話も多方面から聞こえてくる。さらなる成長に向けて、どのようなタイトルラインナップで仕掛けてくるか、今後の動きを期待したい。

LINE、LINEゲーム20タイトルを本日付で終了…成長が加速しているタイトルへの資源集中のため(6/2)

 

【10位】『ドラクエモンスターズ スーパーライト』登場(1~2月)


スクウェア・エニックスがCygamesと組み送り出したシリーズ完全新作『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』。Cygamesが「ドラクエ」を冠するタイトルに関わったこと、Cygaemsの親会社サイバーエージェント<4751>の藤田社長が「ひょっとしてホームランが出たかもしれない」と話したこと、そして地図ふくびき(ガチャ)の表示問題など、様々な話題を巻き起こしたタイトルだった。

スクエニ、シリーズ完全新作『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』を配信開始!! さらに『ドラクエ4』のスマホ版も近日登場予定!(1/23)

【AppStoreランキング(1/25)】スクエニとCygamesの贈る『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』、早くも『パズドラ』に続く2位に登場!(1/25)

サイバーエージェント決算説明会 藤田社長「ホームラン出たかも」…SAP事業の『ドラクエ』に期待 業績は1Qに減速感、年明け後は好調(1/31)

スクエニ、『ドラクエモンスターズ スーパーライト』で「地図ふくびき」を一時停止 「金の地図ふくびき」の利用回数に応じたジェムをプレゼント(2/6)

スクエニ、『ドラクエモンスターズ スーパーライト』のプロデューサーレターを公表 仕様変更で「金の地図ふくびき」の提供割合を明記(2/6)
 

以下、トップ10から外れたものの、記事の閲覧数も多く、今年上半期のトピックとして思いだしておきたいものを5つ、番外として取り上げた。


【番外】終了した『星宝転生ジュエルセイバー』のコンテンツを無償配布
【番外】『絶対防衛レヴィアタン』が『de R』として復活→終了→再始動


企業が事業として運営する以上、いつか終りが来るかもしれないモバイルゲーム。その終わりの「先」の在り方を示すような、いくつかの例が出てきた。

ブリリアントサービス、自社ゲーム『星宝転生ジュエルセイバー』のコンテンツを無償配布 イラストなど1000点以上、商用利用も可能(1/20)

ポケラボ、3月末で『絶対防衛レヴィアタン de R』のサービスを終了(1/28)

PUMO、ゲーム「絶対防衛レヴィアタン」を再始動…『絶対防衛レヴィアタン de R-』を今夏に無償公開予定、続編も制作(6/30)

 

【番外】グリーが新スタジオ「Wright Flyer Studios」を設立


ブラウザゲームプラットフォームの大手であるグリー<3632>が、ネイティブアプリ強化に向けて、新会社を設立。第1作目である『消滅都市』の評判も、記事の反応を見る限り、上々だった。今後、収益化できるかどうかを見極めたい。

グリー、新スタジオ「Wright Flyer Studios」を設立。新作アプリ2本『消滅都市』『天と大地と女神の魔法』の事前登録を開始!(4/17)

グリーとWright Flyer Studios、アクション×ドラマ×RPGが融合した新作アプリ『消滅都市』をリリース。花澤香菜や杉田智和など豪華声優陣も起用(5/27)


【番外】KLabのリストラ

スクールアイドルの活躍の裏側にある、企業経営という側面。リストラについて伝えた記事の閲覧数も多く、モバイルゲーム業界関係者のKLabに対する関心の高さを改めて実感した。年間に200億円規模を売り上げる業界の雄として、今後の奮闘を見届けたい。

KLabが構造改革策を発表…国内人員をピーク時から2割削減 オフィスも整理縮小、六本木ヒルズを1フロア解約(2/14)


【番外】社名「アトラス」が復活

紆余曲折を経て、デジタルゲーム事業のみを手掛ける企業として、「アトラス」という社名が復活した。往年のファンにとっては嬉しい限りだろう。

セガ、連結子会社の会社分割を発表…インデックスは商号変更し「株式会社アトラス」へ(2/18)



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