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【CEDEC2014】「KPIは追わない」「現在DAUは50万人」…キーマンが明かす『艦隊これくしょん』の開発・運営舞台裏、ゲーム構造も徹底分析

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2014年9月2日~4日に、パシフィコ横浜(神奈川県)で国内最大のゲーム開発者向けカンファレンス「コンピュータ・エンターテインメント・デベロッパーズ・カンファレンス 2014」(以下、CEDEC 2014)が開催。

初日(9月2日)の講演では、KADOKAWA<9477>とDMM.comのキーマン2名が大ヒットPCブラウザゲーム『艦隊これくしょん』(略称:艦これ)の開発秘話をテーマにした講演を実施。アニメ化や書籍など多彩なメディアミックス展開も著しい同作だが、一体どのようにして現在のムーブメントまで至ったのか。本稿では、登壇者が赤裸々に語った『艦これ』のエトセトラについて紹介していこう。

※本講演は写真NGのため、登壇者・スライド内容は掲載を控えさせていただきます。

 

■『艦これ』の誕生は居酒屋で




もはや説明不要だが、『艦隊これくしょん ~艦これ~』は大日本帝国海軍の艦艇を擬人化した「艦娘(かんむす)」と呼ばれるキャラクターを集めて、強化しながら敵との戦いに勝利していく艦隊育成シミュレーションゲームである。開発は角川ゲームス(KADOKAWA)、配信はDMM.comが担当。2013年4月23日にサービスを開始して、現在登録者数220万人を突破。

登壇者は、『艦これ』開発運営統括である角川ゲームス 開発本部 ゼネラルプロデューサーの田中謙介氏、『艦これ』エグゼクティブプロデューサーであるDMM.com 社長室 新規事業開発 POWERCHORD STUDIO 室長の岡宮道生氏の2名。『艦これ』の過去と現在、未来を語るに相応しいキーマンだ。

はじめにふたりは、『艦これ』のプロジェクト立ち上げ時について話してくれた。もともと田中氏と岡宮氏は、同じゲーム会社で働いていたこともあり、かねてから親交のある仲だった。その数年後、偶然の縁でふたりは再会、当時DMMに所属する岡宮氏はPCブラウザ上で遊ぶオンラインゲームの新規タイトルの企画を構想しており、対して田中氏は艦隊を擬人化したシミュレーションゲームの自主制作を進行していた。そうして、居酒屋で飲みながら双方の構想を打ち明けたところ、「それだ!」とふたりのアイデアが融合して『艦これ』の企画が立ち上がったとのことだ。

ここからは、『艦これ』のゲーム構造について、システム・マネタイズ・キャラクターの3軸を掘り下げて解説してくれた。

 

■[システム編] 「KPIは追わない」…『艦これ』のゲーム構造とは


まずシステムでは、岡宮氏のオーダーでジャンルはカードゲームが当初から決まっていたとのこと。ふたりとも本格的な戦略シミュレーションゲームを好んでいるが、やはり間口が狭いことを理由に、誰でも気軽に遊べるカードゲームをシステムとして採用したのだ。そのなかで、下記のようなコンセプトを掲げてシステムを構築したという。

(1) . 抽象度が極めて高いシミュレーションゲーム
(2) . ユーザー自らが色々と調べたくなる構造に
(3) . ×:戦術 ○:準備/兵帆/戦略
(4) . アクティベート(活性化)
(5) . 無課金/微課金でも前進可能
(6) . KPIは追わない


「抽象度が高い」とは、前述しているように間口を広げるため、馴染みのある既存のインターフェイスを採用したことがそれだ。とはいえ、田中氏によると戦闘におけるダメージなどの計算式は、本格的なシミュレーションゲーム顔負けの数値によって導き出されているとのこと。もちろんゲーム画面では、ダメージ量しか表示されないため、それを知りうる術はないが。そして、(2)のユーザー自らが調べたくなる構造も抽象度に結びつくコンセプトである。あえて世界観を詳細に語らずして、ユーザー自らが調べ考えていくことで、ゲームに対する意識が高まることを狙いにしている。

また、『艦これ』の戦闘では、シミュレーションゲーム特有のターンベースでユニットを動かしていくのではなく、従来のブラウザゲーム同様に戦闘前の準備・戦略などが勝利の鍵を握る。「静かなゲームではありますが、その代わりにキャラクターが沢山喋るようにしました」と田中氏は言葉を添えた。(4)のアクティベート(活性化)は、オンラインゲームのため継続的なアップデートを逐次進めていくこと。さらに、(5)の“課金を前提にした作りにしない”というのも開発初期に決まったという。いわゆる無課金/微課金でもゲームを進行できるということだ。こちらに関してはマネタイズのなかで後述していく。

そして、こちらも開発の初期段階で決まった“KPI(重要業績評価指標)を追わない”。「KPIを達成するために労力を費やすのであれば、それらをゲームの面白さを追求することにシフトしたほうが良い」とふたりは語った。「こうした戦略をDMM.comさんが考えてくれたおかげで、角川ゲームスは開発・運営に注力できた。これは最大のメリット」と田中氏は続けた。

 

■[マネタイズ編] 開発運営費の構成はゲーム内課金が90%以上


システムでも解説しているように、『艦これ』はFree to Play(基本無料)でありながら“課金必須にしない”というコンセプトが掲げられている。よくネット界隈では「『艦これ』はマネタイズ施策が弱い」「メディアミックス展開で利益を上げる」という内容が取り沙汰されているが、これに関してふたりは否定した。

実態として『艦これ』は、ゲーム内課金を元資として開発・運営を続けてきているのだ。さらに初公開となる開発運営費の構成では、ゲーム内課金が90%以上であることも明かした。

■『艦隊これ』開発運営費構成 (2014.08)
ゲーム内課金:90%以上
二次商品収益:10%未満


「初期の段階で決めました。稼ぐだけ稼げるシステムではなくて、楽しいからお金を払えるように自由度を優先」とふたりは語った。もちろん二次三次の展開も必須であるが、あくまでも結果としてメディアミックス展開の土台が構築されたようだ。また、ガチャに関しても“課金で良いものが手に入る”というスキームにはしないことも添えた。続いて『艦これ』におけるゲーム内課金の3つの軸を紹介してくれた。

(1) . 拡張
(2) . 趣味/支援
(3) . 時間短縮


従来のブラウザゲームと同様の課金施策であるが、なかでも拡張アイテムとなる「母港拡張」は、先月2014年8月のトップ売上アイテムの30%を占めるほどの人気商品とのことだ。「キャラクター(艦娘)たちに愛着を持ってくれて、ユニットとして残す提督(ユーザー)の方が多いようです」と田中氏。また、趣味/支援では家具などのマイページをカスタマイズするために使われる。このように、『艦これ』のマネタイズを牽引するエンジンとしては、キャラクターの魅力が欠かせないようだ。

 

■[キャラクター編] ユーザーの力が艦娘の魅力を上げる! “空間”を設けるとは



『艦これ』のエンジンとも言えるキャラクター・艦娘(かんむす)たち。田中氏は艦艇の擬人化にあたり、「愛を練りこむことと、空間を用意すること」を挙げた。空間とは、ユーザーたちが自由に価値を想像できるように、詳細までを描かないことにある。もちろんキャラクター同士の関係性は強く描くのだが、ディテールに関してはユーザーが参加者となり、様々な価値を付け加えて育てていくことにあるようだ。システム編でも語ったように、キャラクターも自分で調べて自らの経験に繋げていく“探索導線”を設けているとのこと。

 

■「“メディアミックスありき”で『艦これ』は開発してない」


最後に詳細な登録者数データを公開してくれた。2013年4月23日にリリースした『艦これ』だが、最初の月(実質1週間)は8000人、事前登録者数は5000人であることを明かした。そして、2013年6月に有名漫画家による『艦これ』のゲームプレイのツイートをきっかけに登録者数が加速。あまりの膨大な人数に一時的にサービスを停止、サーバ群を4倍に拡張して2013年7月に再オープン。しかし、その直後に夏のコミックマーケットが開催され8月には60万人を突破、10月には大台の100万人を突破したという。

なお、サービス開始当初はカスタマーサポートを田中氏ひとりで対応していたようだ。「叱咤激励もありましたが、提督のみなさんが様々な提案もしてくれた。貴重な経験になった」とコメント。2014年8月調べでは、登録者数220万を記録している『艦これ』。なお、イベント開催で数字は異なるが現在の平均MAUは100万人規模、DAU50万人規模にも及ぶという。

2015年1月にはTVアニメ化、そして2015年春にはPS Vita版の発売も予定している。「さらに……」という田中氏の発言に、すかさず岡宮氏が「これは言っちゃダメ(笑)」とのやり取りがあったように、さらなるサプライズも隠していることが伺える。

講演の終わりには、「本当に誤解されることが多いですが、『艦これ』は決してTVアニメ化などメディアミックス展開を目指して開発したゲームではありません。面白いゲームを追求して結果的にメディアミックスに繋がった」と、改めて『艦これ』の在り方について語って講演を締めた。
 
 

余談であるが、公式Twitterによると次の“新規着任サーバ”の解放は本日(9月3日)を予定しているとのことだ。着任方式は“抽選”による多段階着任方式で、開放規模は新規約5000人を予定。まだ遊んだことのない方は、提督の一員として出撃できる機会(チャンス)だ。


■『艦隊これくしょん』​
 

公式サイト



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企業情報(株式会社KADOKAWA)

会社名 株式会社KADOKAWA
URL http://www.kadokawa.co.jp/
設立 1954年4月
代表者 松原眞樹/井上伸一郎
決算期 3月
直近業績 売上高2086億0500万円、営業利益27億0700万円、経常利益42億0500万円、最終損益40億8500万円の赤字(2019年3月期)
上場区分 東証1部
証券コード 9468

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