2014年8月、アプリカは社内体制を刷新し、代表取締役社長には大野俊朗氏が就任した。ゲームオンの経営再編に貢献するなど、約20 年にわたってエンターテインメント業界で海千山千の経験を重ねてきた大野氏は、アプリカでどんな絵を描いているのか。
───:代表取締役に就任された経緯から教えてください。
会長の川上さんから「新体制を敷きたい。そのために新しい社長を探している」という話をいただいたのがきっかけです。後から知ったのですが、実は地元の先輩後輩の関係だったんですよ。私が1年後輩で。話をいただくまで接点はありませんでしたが、お互いの間柄を紐解いていくと、共通の知り合いが多いことも判明しました。何か縁を感じましたね。
───:引き受けようと決意されたのは、どのタイミングでしたか?
川上さんにお会いしたときに決めましたね。
───:その瞬間ですか?
はい。完全にフィーリングです。会社の業績なども事前にリサーチしませんでした。私には「誰と仕事をするか」が全てなんです。いくら大金をもらっても、人間性が合わなければ引き受けません。だから、報酬にもこだわりませんでした。給与は、結果を出していれば自ずと上がっていくものです。
───:就任後は、何から着手されたのでしょうか
全員と面談を行いました。沖縄の子会社にも足を運びましたよ。会社について、組織について、自分についてなどのトピックを挙げ、それぞれに良いところと課題だと思うところを紙に書いてもらいました。今感じていることを口頭ベースではなく、文字として記してもらいたくて。所信を記録に残すと、後々見返したときに「どう変わったのか」が明確に分かる。もしそこで目標が実現されていないことが判明すれば、軌道修正を図ることもできます。
───:まずは現場の考えを知ることが第一だったのですね。
私は、「社長の言う通りにやってほしい」というスタンスではありません。みんながやりたいことを、自由にやってほしいんですよ。だから、なるべく良いところを追求していきたいと思っています。英語が話せる、絵の才能があるといった個々の強みは、会社の強みにもなりますから。長所を伸ばせる最高の環境は、責任を持って整えていきますよ。
───:すでに新しく採り入れた制度はありますか?
例を1つ挙げると、1タイトル1プロデューサー制を採り入れました。複数のタイトルを担当すると、コーディネーターとして役割が多くなって、どうしてもクリエイティブに注力しにくくなります。名刺交換をするとき、たまに何枚も名刺を持っている人っていませんか? その度に私は疑問を感じるんです。「どれが本当の仕事なの? どの仕事にポリシーを感じているの?」って。それと同じで、プロデューサーも1つのタイトルに情熱を燃やしてほしいと考えています。多くて2つですね。
───:アプリカの課題はどこだと考えていますか?
スピードアップでしょうね。経営の意思決定から開発までのあらゆるフェーズにおいて、もっとフットワークを軽くすべきだと思っています。あとは、不透明な部分を徹底的に排除していきたい。私は「ゲームのヒットは運だ」という考え方に否定的です。運で決まるというのは、逃げ口上にしか聞こえません。だから「数撃ちゃ当たる」的にリリースすることはしませんよ。全てのプロジェクトが真剣勝負。工程もスケジュール通りに進行させます。当たり前と言えばそうなんですけど、まずは当たり前のことに愚直に取り組みながら、階段を1つずつ上っていきたいと思っています。
───:舵を切る舳先は方向転換しましたか?
これまでは幅広いプラットフォームで幅広く制作物をつくってきましたが、今後はネイティブアプリに焦点を絞りたいと考えています。Web系や業務系など、アプリは広義に捉えられていますが、私たちはあくまでもゲームというジャンルにこだわりたいですね。
───:具体的なビジョンは設定されているのでしょうか?
売上高1000億円ですね。100億円だと「あると便利な会社」、1000億円だと「なくてはならない会社」という捉え方があって、やるからには最上位を目指したい。謙虚な気持ちを抱きつつ、同時に壮大な夢を語ることも、経営者には必要だと思っています。夢と言っても、根拠のない空想ではありません。大手ゲーム会社が、ゲームアプリ1本で100億単位の売上を記録しているように、私たちが戦うフィールドには大きな可能性が秘められていますから。
───:大野様はこれまでに多くの成功を収めていらっしゃいます。その経験を活かしていけるのは、大きな強みだと思うのですが。
いや、それはないですね。過去の会社も、参画したときに勝算があったわけではありません。今回も同じで、成功する自信はありますが、過去の成功体験はあまり関係がないと思っています。ゼロからのスタートですよ。でも、その方が楽しいと思うんです。会社の成長に対して、自分の行動が多分に影響していくわけですから。だから、今私が求めているのも、一緒になって会社の足跡を残していきたいと思える方です。Z旗って、ご存知ですか?
───:いえ。どういったものですか?
Z旗とは、日露戦争の際に日本連合艦隊「三笠」が掲げていたアルファベット文字旗のことです。以降はスポーツや企業活動において「全員が一丸となって奮闘する」という意を表するときに使われていて、今のアプリカにもその心意気が必要だと感じています。新たに入社される方も、何も遠慮する必要はありませんよ。コアなポジションから、これからのアプリカを引っ張ってほしい。現場のことはお任せします。会社としての責任は私が取りますので、思い切って行動を起こせる方にお越しいただきたいですね。
■全力投球できる方を求めています。(大野)
───:代表取締役に就任された経緯から教えてください。
会長の川上さんから「新体制を敷きたい。そのために新しい社長を探している」という話をいただいたのがきっかけです。後から知ったのですが、実は地元の先輩後輩の関係だったんですよ。私が1年後輩で。話をいただくまで接点はありませんでしたが、お互いの間柄を紐解いていくと、共通の知り合いが多いことも判明しました。何か縁を感じましたね。
───:引き受けようと決意されたのは、どのタイミングでしたか?
川上さんにお会いしたときに決めましたね。
───:その瞬間ですか?
はい。完全にフィーリングです。会社の業績なども事前にリサーチしませんでした。私には「誰と仕事をするか」が全てなんです。いくら大金をもらっても、人間性が合わなければ引き受けません。だから、報酬にもこだわりませんでした。給与は、結果を出していれば自ずと上がっていくものです。
───:就任後は、何から着手されたのでしょうか
全員と面談を行いました。沖縄の子会社にも足を運びましたよ。会社について、組織について、自分についてなどのトピックを挙げ、それぞれに良いところと課題だと思うところを紙に書いてもらいました。今感じていることを口頭ベースではなく、文字として記してもらいたくて。所信を記録に残すと、後々見返したときに「どう変わったのか」が明確に分かる。もしそこで目標が実現されていないことが判明すれば、軌道修正を図ることもできます。
───:まずは現場の考えを知ることが第一だったのですね。
私は、「社長の言う通りにやってほしい」というスタンスではありません。みんながやりたいことを、自由にやってほしいんですよ。だから、なるべく良いところを追求していきたいと思っています。英語が話せる、絵の才能があるといった個々の強みは、会社の強みにもなりますから。長所を伸ばせる最高の環境は、責任を持って整えていきますよ。
───:すでに新しく採り入れた制度はありますか?
例を1つ挙げると、1タイトル1プロデューサー制を採り入れました。複数のタイトルを担当すると、コーディネーターとして役割が多くなって、どうしてもクリエイティブに注力しにくくなります。名刺交換をするとき、たまに何枚も名刺を持っている人っていませんか? その度に私は疑問を感じるんです。「どれが本当の仕事なの? どの仕事にポリシーを感じているの?」って。それと同じで、プロデューサーも1つのタイトルに情熱を燃やしてほしいと考えています。多くて2つですね。
───:アプリカの課題はどこだと考えていますか?
スピードアップでしょうね。経営の意思決定から開発までのあらゆるフェーズにおいて、もっとフットワークを軽くすべきだと思っています。あとは、不透明な部分を徹底的に排除していきたい。私は「ゲームのヒットは運だ」という考え方に否定的です。運で決まるというのは、逃げ口上にしか聞こえません。だから「数撃ちゃ当たる」的にリリースすることはしませんよ。全てのプロジェクトが真剣勝負。工程もスケジュール通りに進行させます。当たり前と言えばそうなんですけど、まずは当たり前のことに愚直に取り組みながら、階段を1つずつ上っていきたいと思っています。
───:舵を切る舳先は方向転換しましたか?
これまでは幅広いプラットフォームで幅広く制作物をつくってきましたが、今後はネイティブアプリに焦点を絞りたいと考えています。Web系や業務系など、アプリは広義に捉えられていますが、私たちはあくまでもゲームというジャンルにこだわりたいですね。
───:具体的なビジョンは設定されているのでしょうか?
売上高1000億円ですね。100億円だと「あると便利な会社」、1000億円だと「なくてはならない会社」という捉え方があって、やるからには最上位を目指したい。謙虚な気持ちを抱きつつ、同時に壮大な夢を語ることも、経営者には必要だと思っています。夢と言っても、根拠のない空想ではありません。大手ゲーム会社が、ゲームアプリ1本で100億単位の売上を記録しているように、私たちが戦うフィールドには大きな可能性が秘められていますから。
───:大野様はこれまでに多くの成功を収めていらっしゃいます。その経験を活かしていけるのは、大きな強みだと思うのですが。
いや、それはないですね。過去の会社も、参画したときに勝算があったわけではありません。今回も同じで、成功する自信はありますが、過去の成功体験はあまり関係がないと思っています。ゼロからのスタートですよ。でも、その方が楽しいと思うんです。会社の成長に対して、自分の行動が多分に影響していくわけですから。だから、今私が求めているのも、一緒になって会社の足跡を残していきたいと思える方です。Z旗って、ご存知ですか?
───:いえ。どういったものですか?
Z旗とは、日露戦争の際に日本連合艦隊「三笠」が掲げていたアルファベット文字旗のことです。以降はスポーツや企業活動において「全員が一丸となって奮闘する」という意を表するときに使われていて、今のアプリカにもその心意気が必要だと感じています。新たに入社される方も、何も遠慮する必要はありませんよ。コアなポジションから、これからのアプリカを引っ張ってほしい。現場のことはお任せします。会社としての責任は私が取りますので、思い切って行動を起こせる方にお越しいただきたいですね。