東映アニメ、第3四半期の営業益は横バイの30億円に…「楽園追放」がヒット、ドラゴンボールやONE PIECEの海外向けが伸びる

東映アニメーション<4816>は、この日(1月30日)、第3四半期累計(14年4~12月期)の連結決算を発表し、売上高226億円(前年同期比5.9%減)、営業利益30億円(同0.7%減)、経常利益32億円(同4.1%減)、四半期純利益20億円(同1.9%減)となり、減収減益となった。

 


映像制作・販売事業の収益性が大きく改善したものの、版権事業が軟調だったことが影響したもようだ。セグメント別の状況は以下のとおり。

①映像製作・販売事業

売上高101億円(同2.4%減)、セグメント利益10億円(同92.1%増)だった。劇場アニメ部門では、「楽園追放」がヒットしたものの、前年同期にあった「キャプテンハーロック」や劇場版「トリコ」の製作収入や、「ドラゴンボールZ 神と神」のヒットに相当するものがなかったことから、前年同期と比較して大幅な減収となった。

また、テレビアニメは、「ワンピース」「ハピネスチャージプリキュア!」「ドラゴンボール改」「マジンボーン」「金田一少年の事件簿R」「ワールドトリガー」「美少女戦士セーラームーン Crystal」の9作品の放映・配信を行い、新作の本数が増えたことから、大幅な増収となった。

パッケージソフトは、前年同期にあった映画「ワンピースフィルム Z」や「ドラゴンボール」シリーズのブルーレイ・DVDに相当するものがなかったことから、大幅な減収となった。海外では、複数作品の中国向けの大口映像配信権の販売や「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」の映像配信権・ビデオ化権の販売が北米向けで、またテレビ放映権の販売がアジア向けでそれぞれ好調に稼動した。

その他部門は、新たにブラウザゲーム『聖闘士星矢 ビッグバンコスモ』、『ロボットガールズZ ONLINE』を展開したものの、全体的に軟調な展開だったことから、若干の減収となった。


②版権事業

売上高は78億4百万円(同6.0%減)、セグメント利益31億円(同5.9%減)だった。国内では、前年同期にあったライブラリー作品の遊技機の大口契約に相当するものがなかったことや、「ワンピース」でアプリゲームが堅調に推移したものの、全体としては軟調な展開となったことから、前年同期と比較して大幅な減収となった。ただ海外で「ワンピース」や「ドラゴンボール」シリーズをはじめとする複数作品の中国向けアプリゲームの契約による収益でカバーした。


③商品販売事業

売上高37億円(同17.0%減)、セグメント利益1億円(同4.5%増)だった。「ワンピース」の関連商品が軟調な展開となったことや、前年同期に「ドラゴンボールZ 神と神」の劇場公開に伴うタイアップや販促関連の商品が高稼働だったことの反動減から、前年同期と比較して大幅な減収となったものの、収益性の高い海外のイベント物販があったことから増益となった。



■2015年3月期の見通し

2015年3月期は、売上高270億円(前期比13.0%減)、営業利益32億円(同11.2%減)、経常利益35億円(同11.2%減)、最終利益23億円(同1.4%減)を見込む。

 
東映アニメーション株式会社
http://corp.toei-anim.co.jp/

会社情報

会社名
東映アニメーション株式会社
設立
1948年1月
代表者
代表取締役会長 森下 孝三/代表取締役社長 高木 勝裕
決算期
3月
直近業績
売上高874億5700万円、営業利益286億6900万円、経常利益297億9100万円、最終利益209億円(2023年3月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4816
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