DeNA、中国でのゲーム事業を強化 IPタイトル中心に投入し差別化を図る 月商1億超のタイトル続出、「『ONE PIECE』は2ケタ億円も見えた」

ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、この日(2月5日)、2015年3月期第3四半期(2014年10~12月期)の決算発表を行うとともに、東京都内で機関投資家・アナリスト向けの決算説明会を開催し、急激に拡大する中国モバイルゲーム市場での取り組みをこれまで以上に強化する方針を明らかにした。

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決算説明会に臨んだ守安 功社長(写真)は、『トランスフォーマー』や『NBA』『スラムダンク』など有力IPを活用したゲームを展開しており、月商1億円を超えるタイトルが続出していると紹介したうえで、「特に1月28日にリリースした『ONE PIECE』は、App Storeでは13位、360では1位となるなど順調な出足となっている。第4四半期(15年1~3月期)は、広告宣伝費を増やし、月商2ケタ億円を目指したい」と中国展開に意気込みを示した。

 


守安氏は、中国のモバイルゲーム市場は、現在、急激に成長してきているという。同社の肌感覚では、「2013年末がApp StoreのグロスランキングTOP10でAndroidも含めて月商5億円くらいだったが、1年後の2014年末では月商15億円くらいの水準になっている」。そして2015年、16年も市場の拡大が続き、日本や米国市場を抜いて世界最大の市場になると見ているとのこと。ただ、市場の競争も厳しく、差別化ポイントとしてIPを活用しているという。

また急成長している中国市場は独自色の強いマーケットでもある。Google Playがないことや複雑な配信プラットフォーム、人気ジャンルの違い、Android端末の普及率の高さ、課金率が低くヘビーユーザーの使う金額が多いことなど、他国とは全く異なるという。2006年からスモールで進出して以来、現地のゲームに詳しい経営陣や開発スタッフを揃えるなど、「現地のトップクラスのゲーム会社と遜色のない体制になっている」。

 


なお、来期(2016年3月期)については、守安氏は、「有力なIPタイトルをさらに揃えていく。中国のパイプラインの8割はIPタイトルだ。中国市場はこれから期待ができる」と述べた。第4四半期は、前四半期との比較(QonQ)で増収となる見通しだが、中国での売り上げが貢献するとのこと。ただし、広告宣伝費を増やすため、利益面にはマイナスのインパクトとなる。本格的な収益への貢献は来期以降になりそうだ。
 
(編集部 木村英彦)
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1349億1400万円、営業利益42億0200万円、税引前利益135億9500万円、最終利益88億5700万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
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