本日上場のAimingが「成長可能性に関する説明資料」を公開…売上高、利益とも急成長中 MMOジャンルの参入障壁高い ライセンスインで業績上積み狙う

Aiming<3911>が、3月25日、東証マザーズに新規上場し、公開価格920円を12.1%上回る1032円で初値を付けた。

その後は前場中ごろまで1000~1100円水準でもみ合った後、前場引けにかけて上昇し、前場は1257円で取引を終了、後場はさらに買われ1300円台に乗せる場面もあったが、結局は終値1126円で初日の取引を終えた。『剣と魔法のログレス いにしえの女神』の好調や、それを背景とした業績の拡大期待から事前の市場の期待値は高かっただけに、やや苦戦が目立つスタートになったと言えそうだ。
 

さて、そんなAimingだが、東証マザーズ上場に伴い、成長可能性に関する説明資料を開示した。今回はその資料から同社の現状と今後の成長戦略をピックアップしてまとめてみた。
 

■売上高、利益とも急成長中、『剣と魔法のログレス いにしえの女神』が業績けん引


まずは現状ということで、下の資料は過去4年の業績推移となる。2014年12月期は連結売上高65億2700万円、営業利益3億5000万円、経常利益3億4000万円、当期純利益5億5200万円で着地する見通しで、売上高、利益とも急成長に向かうステージに入っている。
 

なお、グラフには記載されていないが、2015年12月期は連結売上高95億4100万円、営業利益19億7900万円、経常利益19億4900万円、当期純利益11億5400万円とより一層利益率が向上していく見通しだ。

続いて下のグラフは、リリース後のコンテンツ売上高月次推移となる。リリース後30ヶ月以上経過しているタイトルということで、この中に『剣と魔法のログレス いにしえの女神』は含まれていないことになるが、同社タイトルは、長期的に収益を計上していく傾向が強いようだ。その結果、さらに下のグラフのように積上げ式に売上高が伸びているというのが現状と言えそうだ。
 


また、主なリリースタイトルは以下の通り。特に直近は『剣と魔法のログレス いにしえの女神』の伸張が著しく、KPI(重要業績評価指標)も右肩上がりに推移しているという。
 

 

■ミッドコア層が主要ターゲット、MMOジャンルのスマホゲームの参入障壁は高い


同社の基本的な戦略は、ミッドコア層向けゲーム開発に注力し、カジュアル層も取り込んでいくというものだ。特に同社が得意とし、注力しているMMOジャンルのゲームについては、リリースしている国内ゲーム開発会社は数社しかない。
 

ちなみに、MMOジャンルのスマホオンラインゲームを開発するには、Game+Webの技術に加えて、リアルタイム通信技術が必須であり、その参入障壁は高い。同社はその設計ノウハウの豊富な蓄積と、経験豊かなエンジニアを多く抱えているのが強みとなっている。
 
 

■ライセンスイン、ライセンスアウトで業績の上積みを狙う


同社が今後の成長戦略としてまず掲げているのが、既存タイトルの成長だ。特に主力の『剣と魔法のログレス いにしえの女神』をさらに成長させていくための施策に注力するという。
 

また、自社開発タイトルとライセンスインにより、リリースタイトル数を増やしていくことも挙げており、そのための取り組みの1つが昨年12月に発表された中国Tencentとの業務提携(関連記事)ということになりそうだ。
 

さらに、逆に海外へのライセンスアウトも展開していく方針で、特に東アジアエリアをそのターゲットとしているようだ。この点でもTencentとの提携など着々と手が打たれていると言えそうだ。
 

 

■注目のポイントはやはり新作など「次の一手」か


現時点の『剣と魔法のログレス いにしえの女神』の状況を見る限り、既存タイトルの成長については、同社の描く成長シナリオに沿って順調に進捗していく可能性が高そうだ。となると次の注目のポイントは、「自社開発タイトルとライセンスインによるリリースタイトルの上積み」の部分ということになってくる。そういう意味では、新作発表など「次の一手」にはしっかりと注目しておきたい。
 
(編集部:柴田正之)

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株式会社Aiming
http://aiming-inc.com/
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会社情報

会社名
株式会社Aiming
設立
2011年5月
代表者
代表取締役社長 椎葉 忠志
決算期
12月
直近業績
売上高181億9900万円、営業損益13億900万円の赤字、経常損益11億円の赤字、最終損益22億2700万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3911
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