IGポート、第3四半期は2ケタ増収ながら最終赤字に…映像マスターについての減損損失を計上 出版事業は「曇天に笑う」「魔法使いの嫁」など好調

アニメ制作やコミックスを手がけるIGポート<3791>は、4月10日、2015年5月期の第3四半期累計(6~2月)の連結業績を発表、売上高63億3300万円(前年同期比19.0%増)と2ケタ増収を達成したものの、営業利益2億6200万円(同54.7%減)、経常利益2億7900万円(同51.5%減)、四半期純損益7900万円の赤字(前年同期3億9300万円の黒字)となった。
 

営業利益や経常利益が減益となっているのは、作品投資を積極的に行うため。映像マスター償却増加に伴い、減益となるのは当初の会社計画通りとなる。ただし、四半期純損益は上記の要因に加え、版権事業において、映像作品への出資である固定資産の映像マスターの一部について、収益性の低下による減損の兆候が認められたことから将来の回収可能性を検討し、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、1億9200万円を減損損失として計上したことも影響している。

なお、セグメント別の状況は以下の通り。

①映像制作事業…売上高44億4168万円(前年同期比41.2%増)、セグメント損益1億6280万円の赤字(前年同期2億3443万円の黒字)
劇場用アニメーション「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」や、テレビ用アニメーション「黒子のバスケ 第3期」「蒼穹のファフナー EXODUS」「純潔のマリア」「ローリング☆ガールズ」、ビデオ用アニメーション「新テニスの王子様 OVA vs Genius10」のほか、その他ゲーム用・CM用のアニメーションを制作し、増収を達成。ただし、一部の映像制作において、制作期間の長期化や海外制作費の増加とこれに付随する間接費の増加などにより、セグメント損失を計上した。

②出版事業…売上高10億3198万円(前年同期比28.2%増)、セグメント利益1億5140万円(前年同期1204万円の赤字)
新刊は、月刊誌「コミックガーデン」、コミックス「魔法使いの嫁 2巻」「煉獄に笑う 2巻」「PSYCHO-PASSサイコパス監視官咬噛慎也 1巻」「あまんちゅ! 9巻」など、定期月刊誌10点並びに新刊コミックス83点を刊行した。テレビアニメ化に引き続き、舞台化された「曇天に笑う」の既刊コミックス(全6巻、外伝)は累計100万部を超え、また「魔法使いの嫁」は1、2巻と合わせて累計80万部を超えるヒット作となった。

③版権事業…売上高6億2759万円(前年同期比46.2%減)、セグメント利益3億2679万円(同24.0%減)
「進撃の巨人」「黒子のバスケ シリーズ」「攻殻機動隊ARISE 及び SAC シリーズ」「宇宙戦艦ヤマト2199」「サイコパス」「ハイキュー!!」などの二次利用による収益分配を計上した。前年同期に爆発的にヒットした「進撃の巨人」「宇宙戦艦ヤマト2199」の版権収入も落ち着き、それを上回るヒット作品の版権収入がなかったことにより、減収減益となった。

④その他…売上高は2億3186万円(前年同期比11.6%増)、セグメント利益1494万円(同30.2%増)
雑誌のイラストやキャラクターの商品化、 ゲームやiPhone/iPod Touch向けアプリなどを手掛けた。

■通期予想は従来予想から変更なし
2015年5月期通期の予想については、従来予想からは変更なく、売上高82億800万円(前期比17.5%増)、営業利益4億5900万円(同29.3%減)、経常利益4億7900万円(同24.5%減)、当期純利益3億2100万円(同30.2%減)を見込む。
 

 
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