C&R社、2Qは売上高9.2%増、営業益2.3%減と増収減益…戦略的な人員採用が影響 『メモリア・ナイツ』をTSUTAYAオンラインゲーム向けに配信

クリーク・アンド・リバー社<4763>は、2016年2月期の第2四半期累計(3~8月期)の連結業績を発表、売上高128億7200万円(前年同期比9.2%増)、営業利益9億700万円(同2.3%減)、経常利益8億9500万円(同4.9%減)、四半期純利益4億6600万円(同11.8%減)となった。IT分野における大型案件が減少したことと、戦略的に人員採用などを先行して行ったことにより、利益面では前年同期を下回ったものの、これは期初の計画通りとしている。
 

各セグメントごとの状況は以下の通り。

①クリエイティブ分野(日本)…売上高76億3100万円(前年同期比10.3%増)、営業利益4億1400万円(同0.3%増)
映像・TV・映像技術関連分野は、独自のリクルーティングによる映像専門社員90名が4月に入社し、TV番組の制作スタッフ数が増加していることに加え、日本全国の放送局をネットワーク化するなど、サービスを拡充した。また、白組、ハウステンボスと劇場公開用3DCGアニメ「GAMBAガンバと仲間たち」を共同製作した。

ゲーム分野は、コンシューマー、アミューズメント、ソーシャル分野のクリエイターの派遣需要の増加に着実に対応するとともに、昨年拡張した制作ルームにて、制作受託案件、自社制作開発への対応とともに、クリエイターの育成機能を強化している。2015年8月には、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)グループが運営するブラウザゲームプラットフォーム「TSUTAYAオンラインゲーム」向けに『メモリア・ナイツ』を配信開始するなど、順調に事業が拡大している。

出版分野は、Amazon Kindleを始めとした複数の専用端末に対し同社が取次を行なう電子書籍取次事業において、順調に配信数、ダウンロード数が増加している。作家エージェンシーにおいては、国内の作家のみならず、北欧の漫画家とエージェント契約を締結し、2015年7月には「さよならセプテンバー」(全3巻)を出版した。

YouTube「オンラインクリエイターズ」の運用は、地方自治体や企業のプロモーション案件が増加し、事業の基盤が着実に整った。

②クリエイティブ分野(韓国)…売上高19億800万円(前年同期比17.4%増)、営業利益1200万円(同23.1%減)
TV・映像分野におけるクリエイターの派遣需要に的確に対応している一方で、韓国国内における派遣事業の競争激化などの影響を受けており、利益率が低下した。TV分野におけるクリエイター・ネットワークを活かした受託案件への展開、漫画家を中心としたトップクリエイターのマネジメントによる韓国で流行のWebコミック案件やグループの他分野と連動した出版エージェンシー事業、ファッションクリエイター・エージェンシー事業などの推進により、収益の多様化を目指した。

③医療分野…売上高18億6900万円(前年同期比5.8%増)、営業利益4億6800万円(同11.6%増)
医療機関や自治体、医師や看護師の多様なニーズに応えるべく、医師の紹介事業を中心に、医学生・研修医を対象とした「レジナビフェア」、臨床研修情報サイト「レジナビ」、医師の転職・求人・募集情報サイト「Medigate(メディゲート)」などのサービスを展開している。全国各地での慢性的な医師不足、地域的偏在を背景に、医師へのニーズは引き続き高く、医師の紹介事業が好調に推移した。

④その他の事業…売上高14億6200万円(前年同期比0.9%減)、営業利益1000万円(同86.3%減)
IT分野のエージェンシー事業を展開する子会社リーディング・エッジ社は、プログラム言語Phythonのセミナーを行うなどサービスを拡充し、ITエンジニアの派遣事業の推進と大規模な計算結果を可視化するビジュアライゼンーション事業の推進により、事業基盤の再構築を進めた。法曹分野のエージェンシー事業を展開する子会社C&Rリーガル・エージェンシー社は、弁護士の登録者数が8,000名を超え、弁護士の紹介事業が順調に伸長した。

会計分野のエージェンシー事業を展開する子会社ジャスネットコミュニケーションズは、会計・経理人材の派遣事業・紹介事業が拡大する一方で、会計関連各種団体との関係強化、クライアント企業・事務所との共同セミナーの積極的な開催等を通じ、会計業界における認知度向上をはかっている。ファッション分野のエージェンシー事業を展開する連結子会社株式会社インター・ベルにおいては、アパレルメーカーとの豊富なネットワークと同社の持つ販売員育成ノウハウにより、アパレルメーカーからのニーズが増加している。

また、広告分野における人材事業を強化することを目的に連結子会社化したプロフェッショナルメディアは、今後、同社の持つクリエイティブ業界におけるクライアント及びクリエイター・ネットワークとのシナジーにより、事業規模・収益基盤の拡充を目指すとしている。

■2016年2月期通期予想は据え置き
なお、2016年2月期通期の予想については、従来予想から変更なく、売上高250億円(前期比9.0%増)、営業利益15億円(同15.7%増)、営業利益15億円(同13.6%増)、最終利益8億円(同7.5%増)の見込み。
 
株式会社クリーク・アンド・リバー社
http://www.cri.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社クリーク・アンド・リバー社
設立
1990年3月
代表者
代表取締役会長CEO 井川 幸広/代表取締役社長COO 黒崎 淳
決算期
2月
直近業績
売上高441億2100万円、営業利益39億5600万円、経常利益40億200万円、最終利益28億9900万円(2023年2月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4763
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