カプコン、2Qは売上高22%増ながら営業益35%減と大幅減益に…アミューズメント機器新作投入で原価率上昇、既存タイトルの収益減も響く

カプコン<9697>は、10月29日、2016年3月期の第2四半期累計(4~9月)の連結業績を発表、売上高316億3800万円(前年同期比22.1%増)、営業利益28億4400万円(同35.1%減)、経常利益28億9100万円(同36.3%減)、四半期純利益19億5100万円(同34.4%減)と増収減益での着地となった。
 

主力となるデジタルコンテンツ事業において、前期に発売した『モンスターハンター4G』や『バイオハザード リベレーションズ2』などのリピート販売や、ダウンロード版が海外を中心に健闘した。さらに、国内では『戦国BASARA4 皇』が底堅い売れ行きを示し、オンラインゲーム『ドラゴンズドグマ オンライン』およびスマートフォン向けアプリ『モンスターハンター エクスプロア』の配信を開始し、両タイトルとも好調なスタートを切った。

しかし、アミューズメント機器事業における新作投入による原価率の上昇や一部タイトルの計画未達に加え、オンライン・モバイルコンテンツでの既存タイトルの収益減などにより、利益面では減益となった。

①デジタルコンテンツ事業…売上高143億400万円(前年同期比6.2%増)、営業利益15億3300万円(同28.7%減)
『戦国BASARA4 皇』(PS4、PS3用)が定着したブランド力により底堅い売れ行きを示したが、『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』(3DSシリーズ用)は、軟調に推移した。一方、リピート販売やダウンロード版が海外を中心に健闘した。

オンラインゲームは、さまざまな遊びが自由に体験できるオープンワールドタイプの『ドラゴンズドグマ オンライン』(PS4、PS3、PC用)が好調なスタートを切ったほか、モバイルコンテンツでは『モンスターハンター エクスプロア』の配信を開始した。
 
  前第2四半期 当第2四半期 増減率
売上高 13,463 14,304 6.2%
営業利益 2,150 1,533 △28.7%
営業利益率 16.0% 10.7% -

②アミューズメント施設事業…売上高44億500万円(同8.6%減)、営業利益3億5500万円(同46.2%減)
市場停滞が続く環境のもと、中高年者を対象にゲームの無料体験ができるゲームセンターツアーやサービスデーの実施に加え、低年齢者向けに「あそび王国ぴぃかぁぶぅ」や「キッズコーナー」を設置するなど、趣向を凝らした集客展開により客層の拡大に努めた。しかし、目玉機種の不足やスマートフォンなど、ユーザー層が重なる娯楽の分散化などにより弱含みとなった。
 
  前第2四半期 当第2四半期 増減率
売上高 4,820 4,405 8.6%
営業利益 660 355 46.2%
営業利益率 13.7% 8.1% -

③アミューズメント機器事業…売上高121億3200万円(同76.3%増)、営業利益25億5100万円(同19.2%減)
パチスロ機部門は、満を持して投入した『バイオハザード6』が安定したファン層に支えられ、順調に販売台数を伸ばしたことにより売上高を押し上げた。さらに9月には『アスラズ ラース』を発売した。業務用機器部門は、『ルイージマンション アーケード』を投入したほか、業務用としては最初の音楽ゲームとなる『crossbeats REV.』が稼働した。
 
  前第2四半期 当第2四半期 増減率
売上高 6,881 12,132 76.3%
営業利益 3,159 2,551 19.2%
営業利益率 45.9% 21.0% -

④その他事業…売上高7億9500万円(同5.8%増)、営業利益2億53百万円(同12.5%増)
ゲームガイドブック等の出版やキャラクターグッズなどの物品販売を行った。
 
  前第2四半期 当第2四半期 増減率
売上高 752 795 5.8%
営業利益 225 253 12.5%
営業利益率 29.9% 31.8% -

なお、2016年3月期通期の予想については、従来予想から変更なく、売上高760億円(前期比18.2%増)、営業利益120億円(同13.4%増)、経常利益117億円(同7.8%増)、当期純利益77億円(同16.4%増)の見込み。
 

 
株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役社長 最高執行責任者 (COO) 辻本 春弘
決算期
3月
直近業績
売上高1259億3000万円、営業利益508億1200万円、経常利益513億6900万円、最終利益367億3700万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
企業データを見る