【インタビュー】「つくり手が中心となって働ける会社にしたい」…サイバード社が取り組むエンジニアが活躍できる組織作りとは


 
女性向け恋愛ゲーム『イケメンシリーズ』やサッカークラブ育成ゲーム『BFB 2016』などのゲーム事業や、占い、ライセンス事業を扱ったコンテンツ事業など多彩なラインナップを世に送り続けているサイバード。今後さらに事業を拡大していく中で、昨年よりエンジニア、デザイナーが中心となった活動が活発化している。

同社の中でもエンジニアは、ゲームおよびエンタメコンテンツのアプリ制作において重要なツールやライブラリを開発する、欠かせないポジションだ。
 
今回、サイバードにて採用に関わる、エンジニア組織推進委員会に所属する石野氏、藤原氏、大西氏の3人にインタビューを行い、組織としてどんな活動を行っているのか、さらに社内環境、求めている人物像を聞いた。
 

サイバード エンジニアページ



 

■つくり手が中心となって働ける会社にしたい 


株式会社サイバード
石野 氏(以下、石野)

ビジネス戦略統括本部テクノロジー戦略統括部 副統括部長兼
エンジニア組織推進委員会 人材獲得分科会 リーダー

藤原 氏(以下、藤原)

ゲーム事業本部イケメンスタジオ
エンジニア組織推進委員会 人材獲得分科会所属

大西 氏(以下、大西)

ゲーム事業本部イケメンスタジオ
エンジニア組織推進委員会 人材獲得分科会所属

――本日はよろしくお願いします。はじめに、みなさんがご担当されている業務内容から教えていただけますか。

石野:私はビジネス戦略統括本部という部署に所属し、その中でもテクノロジー戦略の部門でアプリ開発やインフラの構築・運用など、技術面の提案や改善を担当しています。また、弊社にはエンジニア組織推進委員会が設置されており、私は人材獲得分科会というグループに所属し、良い人材の獲得を念頭に置きつつ、エンジニアのモチベーションを上げたり、よリ働きやすい環境を作るべく活動しています。
 
藤原:僕は元々サーバサイドのエンジニアとして入社し、今は新規IPゲームのテクニカルディレクターという形で、開発メンバーのマネジメントを担当しています。また、石野と同じく人材獲得分科会にも所属しており、弊社の代表作である『イケメンシリーズ』に携わるスタッフの一次面談や書類審査なども行っています。
 
大西:私は『イケメンシリーズ』を開発する部署に所属し、シリーズ全体で18タイトルを開発・運用しています。また、それらを横断的に見て技術面の問題を解決したり、直近では、複数のゲームデータを分析するためのツールを開発しましたね。加えて2人と同じく、人材獲得分科会で新たなメンバーを採用するための活動もしています。



――今回の採用強化は、社内のエンジニアで組織された委員会も一緒に行っているのですね。では、エンジニア組織推進委員会は、どういった経緯で発足したのでしょうか。
 
石野:弊社にかぎらず、業界全体でエンジニアが枯渇している状況です。そこで優秀な人材を確実に迎え入れるべく、組織として活動することになったのです。
 
大西:弊社には「つくり手が中心となって働ける会社にしよう」という大きな目標があります。これを実現するためにも、エンジニアの働きやすい環境を整える必要があり、発足に至りました。



――これまで活動してきた中で、具体的な成果はありましたか?

藤原:人材獲得に関しては二通りの視点がありまして、ひとつは社内の魅力を社外にアピールすることです。これを実現するためには自分たちが満足できる環境を作らなければいけないため、エンジニアメンバーにアンケートを取り、意見を吸い上げています。現在は、その中から優先度の高いものにチャレンジしているところです。
 
大西:具体的には、会社で購入した技術系の書籍を図書として貸し出したり、外部で行なわれているセミナーやイベントにスポンサーとして参加する取り組みは実現しています。また、キーボードやマウスといった普段使うデバイスの購入補助、プライベートクラウドの導入もしています。プライベートクラウドは、業務とは直接関係のない勉強や研究目的で使用できるクラウドサービスで、会社側でサーバを提供できることになっています。

 

――社内の環境を良くすることで、対外的なアピールにもつながっていると。
 
藤原:そうですね。ふたつめはカジュアル面談の実施です。ご応募頂いた方に早い段階で弊社を知ってもらうために面談を積極的に行い、私たちとの意識の面でミスマッチをなくしています。これにより、入社前から弊社で働くモチベーションを上げてもらい、スムーズに業務へ当たれるよう取り組んでいます。
 

――新しいメンバーだけでなく、社内のメンバーにも良い影響があるかと思います。
 
藤原:セミナーやイベントを通して、普段は使わないであろう技術に触れることでもの作りの魂に火が付くこともありますからね。
また、委員会の中にはテクノロジーアウト分科会もあり、最新のデバイス機器を広く紹介したり、実際に触ったりする場が設けられています。エンジニアとしては、かなり刺激のある現場だと思います。

 
 
 
 

■目標はエンジニアにとって風通しの良い開発環境の構築!

 
――次に、御社の開発体制について教えてください。
 
大西氏:他社と比較すると、内製のタイトルが多いですね。かなりの数になる 『イケメンシリーズ』もすべて社内で手がけています。企画の段階から携わり、運用まで携わることができる。この流れに一貫して携われるのは大きな特徴として挙げられます。
 
藤原:仕様書の段階から何回もミーティングを重ね、どうすればユーザーさんに喜んでもらえるかを、職種を超えて話し合っています。技術者一人ひとりがより良いものを届けようとする意識を持っていると感じています。また、最近はスクラム開発を取り入れながら、短いスパンで成果物を作り、レビューを実施する環境も出来てきています。
 
大西:技術的な視点から言うと、UnityやCocos2d-xを使っています。また、Webブラウザ上で動くゲームも提供しています。ひとつの技術にこだわらず、タイトルごとにマッチした技術を選択して開発するところも特徴ですね。

 

――どの技術を使用するかも、ミーティングの中で決まっていくのですか?
 
藤原:中心人物の独断で決めるのではなく、それぞれの技術にどういった長所や短所があるのかを知り、実際に触りながら選定をしています。私たちは「ブートキャンプ」と呼んでいる取り組みなのですが、丸一日会議室を借りて普段とは違う環境で集中して開発を行い、そこでは誰もが気軽に意見を言える環境を作るように務めています。
 
大西:新規タイトルのエンジンやフレームワークを選定するときは、箱根に合宿に行き、ミーティングを重ねて決めましたね。この文化のおかげもあって、上層部の意見に左右されず、エンジニアのやりたいことが実現できていると思います。

 

――今後新しいメンバーが入った場合、中には特定の技術に触れたことのない人もいる可能性がありますよね。そういった人が学べる機会はあるのでしょうか?

大西:カリキュラムとして用意しているわけではありませんが、定期的に勉強会の時間を作っています。

藤原:最近の例は社内のWebエンジニアを集めて、現在使っているフレームワークのソースコードを読んでみようという企画がありました。ソースコードを深く理解することで、新しい発見があったり、あるいはバグの可能性を見つけたりと、さまざまな勉強が出来ましたね。



――まったく新しい技術やソフトを試す機会も多いのですか。
 
藤原:弊社内でも領域ごとに使う技術は違うので、そこは有志で集まって、勉強会を実施したり、もくもく会と称してエンジニアが集まって開発や勉強、業務以外の開発をする会も開いています。オキュラス、ハコスコ、Myo などのデバイスも設置し、自由に触れる環境がありますね。


――今後新しいメンバーを採用するとなった場合、具体的にどのような業務を担当するのですか?
 
石野:エンジニアはさまざまな現場でニーズがあるので、一つの部署や役割に限定するのではなく、幅広い場面で活躍してもらうことになります。弊社側で力を入れたい領域はもちろん、その方のやりたいことや長所を見ながら配置していきます。
 
藤原:入社後、例えばサーバ管理の業務に就いたとしても、別の業務に興味が出てきたり、実際にチャレンジしたい場合は、意見を言って頂ければ柔軟に対応しています。ぜひ意見や考えは積極的に言って頂きたいですね。


 
――サイバードで求めるエンジニア像はどんな人ですか?

石野:軸になる得意分野を持っている人ですね。幅広い技術力が求められる時代だからこそ、何かに特化していることは強みにもなります。さらに熱い思いがあり、ユーザーさんのことを第一に考えられるといいですね。

 
 

――性格や考え方という面では、どのような人物が望ましいですか?
 
石野:ユーザーファーストの熱い思いを持っていることは当然重要です。そして個人プレイではなく、チームメンバーと協業して開発を行える人が望ましいです。
 
藤原:エンジニアのやりたいことが実現できる環境のため、自分から提案してくれることも重視しています。こちらとしても定期的に意見を聞く機会を設けるので、積極的に発言してもらいたいですね。



――そのほかに、会社の特徴として紹介しておきたいものがあれば教えて下さい。

大西:PARK CYBIRDという誰でも自由に使える休憩スペースがあり、ランチだけでなくちょっとしたミーティングであれば、そこでコーヒーを飲みながら行うこともあります。その他にもボードゲームや携帯ゲーム機で遊んだりと、コミュニケーションの場にもなっています。
 
石野:1階にはイベントスペースであるシアターサイバードがあり、セミナーなどを積極的に開催しています。こちらも毎回盛況で、場所の取り合いになるくらいです(笑)。小規模なセミナーはもちろん、全社員をあげてのイベントも行えるスペースが存在するのは、弊社ならではの特徴だと思います。

 
 
――最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。
 
石野:これまでもお話したとおり、弊社はひとつの技術に固執するのではなく、新しいものを常に導入しようという考えで開発を進めています。また、トップダウンではなくメンバー全員が意見を言える環境です。若い社員でもリーダーとして開発チームを引っ張ている例もあります。総じてエンジニアにとって働きやすい環境になっているので、興味を持って頂き、ぜひご応募頂けると嬉しいです。
 
藤原:やりたいことや目標がはっきりしていれば、実現するためにサポートする風土が出来上がっています。私としても、内に秘めた思いがある人とぜひ一緒に働きたいです!
 
大西:オフィスがある代官山という立地のおかげもあってかなりクリエイティブな職場になっています。これからも会社を良くするためのチャレンジは続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

――ありがとうございました。
 
(取材・文:ライター ユマ)
 
 

 
  

 
株式会社サイバード
https://www.cybird.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サイバード
設立
1998年9月
代表者
代表取締役社長兼CEO 本島 匡
決算期
12月
直近業績
売上高60億円、経常利益1億1100万円、最終利益8900万円(2021年12月期)
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