【サイバーエージェント調査】シード・プランニングと欧州主要4カ国のモバイルゲームの市場動向調査を実施…2020年には市場規模6000億円へ

サイバーエージェント<4751>は、シード・プランニング デジタルインファクトと共同で、ヨーロッパ主要4カ国(イギリス、ドイツ、フランス、イタリア)のモバイルゲームの市場動向調査を実施、その調査結果を発表した。

(以下、プレスリリースより)
 

【1】4カ国モバイルゲーム市場規模推計・予測<ビジネスモデル別>


スマートフォンの普及に合わせて、F2Pモデルを採用したグローバルヒットタイトルが大流行し
市場は急拡大、2015年の欧州主要4カ国のモバイルゲーム市場規模は3,443億円


昨今欧州は、世界的なヒットタイトルを生み出しているモバイルゲーム会社を輩出しています。世界的ヒットタイトルとなったカジュアルゲームやストラテジーゲームの登場と大流行によって、男女を問わず幅広い世代にモバイルゲームの普及が進みました。

近年はアプリ内課金を採用したゲームの課金需要が急速に拡大、該当地域における市場成長をけん引し、2015年の欧州主要4カ国のモバイルゲーム市場規模は3,443億円、対前年比119%と推測されます。

ビジネスモデル別では、グローバル市場のトレンドと同様に、フリーミアムモデルを中心に市場形成されており、その比率は年々上昇傾向にあります。一方、一部のIPタイトルやスポーツタイトルなどにおいてプレミアム性の高いゲームがダウンロードモデルを採用しており、一定のユーザーからの支持を得ています。

また、モバイルゲーム向けの洗練された広告マネタイズソリューションが整備されており、中小事業者を中心に広告モデルを採用するタイトルも顕著に見られ、一定の需要規模を維持しています。
 
 

【2】4カ国モバイルゲーム市場規模推計・予測 <国別>


ヨーロッパ主要4カ国のモバイルゲーム市場は、これまでイギリスを中心に成長を遂げ、
今後はドイツが市場成長をけん引


ヨーロッパ主要4カ国のうち、モバイルゲームの市場規模は2015年時点で英国市場(1,272億円)が最も大きく、ドイツ(995億円)、フランス(793億円)、イタリア(382億円)と続いています。

欧州では、国ごとにユーザーのゲーム消費傾向や商習慣が異なる東アジア地域とは違い、ユーザーのゲーム消費行動は、各国比較的共通した市場特性がみられます。また、利用端末については、東アジア地域と比べタブレットの利用比率が高いことも特徴です。


■イギリス
アメリカと同じ英語圏であり、テクノロジーの吸収が早い英国市場は、スマートフォンやクレジットカードの高い普及率を背景に、欧州で早期よりモバイルゲームの課金市場が形成され、欧州モバイルゲーム市場の成長をけん引してきました。パズルゲームやアーケードゲームなどが人気を博しており、パズルゲームやストラテジーゲームがアプリ内課金との親和性が高いといわれています。

モバイル広告市場におけるアドテクノロジーの発達も進んでおり、モバイルゲームのマネタイズ手段として広告モデル比率が欧州主要4か国中で最も高いのも、英国市場の特徴です。

現在イギリスでは、ゲーム会社によるミッドコアゲームへの投資が始まっており、アクションゲームやスポーツゲームなどにおいても、市場で一定のシェアを持ち始めています。今後は、モバイルゲームユーザー1人当たりの課金単価の上昇が成長の要因となり、堅調に推移することが予想されます。


■ドイツ
ドイツはイギリスと比べ、新しいテクノロジーやサービスの消費行動は保守的であるといわれおり、クレジットカードやスマートフォンの普及率も低い状況にあります。一方、ドイツでは古くからPCオンラインゲームの利用が活発で、ゲーム好きのユーザーが多く存在するという土壌があり、独自のゲーム産業と文化が発達しています。

近年は、ヨーロッパ地域最大規模の人口と高い経済力を背景に、モバイルゲーム市場の急速な成長がみられます。なお、Androidユーザーを中心にモバイルゲーム課金収入が急増し、Androidユーザーにおけるモバイルゲーム需要が高いシェアを占めているという独自の傾向があり、これがモバイルゲーム市場の成長要因となっています。

ドイツでは、ストラテジーゲームが人気で、課金収入における高い割合を占めています。スマートフォンの普及が現在も進んでいることや、ゲーム全体に対する強い需要を背景に、引き続き高い市場成長が予想され、欧州市場全体の市場成長をけん引していくことが予想されます。


■フランス
フランスもまた、国内ゲーム産業が発達しており、グローバル展開を行う大手ゲーム会社も多数存在します。フランスのゲームユーザーは、コンシューマーゲームに対する支持が高く、RPGの高い人気や、キャラクター志向が強い点など、比較的日本のゲームユーザーとの類似性がみられます。
スマートフォンやクレジットカードの普及率は、イギリスに次いで高く、市場環境は整備が進んでいます。モバイルゲームは、男女問わず幅広く支持を得ており、特に女性のユーザー層
からはカジュアルゲームが支持を得ています。


■イタリア
イタリアは、主要4か国の中では最も小さい市場です。スマートフォンの普及率が4カ国中最も低く、またクレジットカードの普及が限定的であり、モバイル端末の決済手段としてはプリペイド決済が現在も広く普及しています。

一方、ユーザーのモバイル利用時間に占めるゲーム利用時間のシェアが高く、またモバイルゲーム課金率は他の国と同様の水準にあり、グローバルヒットタイトルを中心とするカジュアルゲームやストラテジーゲーム、スポーツゲームなどが人気です。

近年は国内にスタートアップのゲームスタジオが立ち上がるなど、ゲーム産業の振興も見られます。モバイルゲーム市場規模は、スマートフォンの普及や決済環境の改善により、中長期的には緩やかに成長を続けることが予想されます。
 
 
 

■ヨーロッパ主要4カ国モバイルゲーム市場の今後


コンシューマーゲームユーザーの一部需要を取り込み市場は中長期的に成長、
2020年の市場規模は、2015年の約1.8倍にあたる6,000億円規模に拡大


欧州市場はコンシューマーゲームやPCオンラインゲームなど、本格的なゲームに対する根強い需要があり、比較的カジュアルなゲームタイトルが占めるモバイルゲームとの棲み分けが比較的明確な状況にあります。

タブレット端末によるモバイルゲーム利用の普及を背景に、今後はライトユーザー層によるカジュアルゲームなどの堅調な需要をベースとしながらも、新たにゲーム性の高いタイトルが従来のコンシューマーゲーム、PCオンラインゲームユーザーの需要を新たに取り込むことで、中長期的な市場成長が見込まれます。これにより、2020年の欧州主要4カ国のモバイルゲーム市場は、2015年の約1.8倍である6,129億円に達すると予測されます。


 
 
株式会社サイバーエージェント
http://www.cyberagent.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サイバーエージェント
設立
1998年3月
代表者
代表取締役 藤田 晋
決算期
9月
直近業績
売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4751
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