【レビュー】17年前から今も熱狂的ファンが支持し続けるシリーズの最新作『ヴァルキリーアナトミア ‐ジ・オリジン‐』のツボ、解析しちゃいます


スクウェア・エニックスが、4月28日より、正式サービスを開始した『VALKYRIE ANATOMIA -THE ORIGIN-』(ヴァルキリーアナトミア ‐ジ・オリジン‐)(以下、『ヴァルキリーアナトミア』)。

本作は、1999年にプレイステーション向けに発売された人気RPG『ヴァルキリープロファイル』の流れを汲むスマートフォン向けRPGとなっている。シリーズとしては2008年にニンテンドー3DS向けに発売された『ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者』以来、約8年ぶりの新作で、シリーズのプロデューサー務めてきた山岸功典氏や、音楽担当の桜庭統氏、シナリオは藤沢文翁氏と、豪華クリエイター陣が開発を手掛けている。

リリースから約1ヵ月が経った現在は、100万ダウンロードを達成、一時はApp StoreとGoogle Playの売上ランキングでTOP50入りするなど、ファンを中心に多くのユーザーからの注目を集めている。

また、本作のプロデューサーである山岸功典氏と、アシスタントプロデューサーの木村和道氏へのインタビュー記事も公開されているので、興味のある方は是非、あわせて読んでいただきたい。

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■舞台はシリーズ最古の時代 遂にレナスの秘密が明らかに……!?


本作では、北欧神話を題材に、神々と人間が紡ぎだす重厚なストーリーが展開する。

戦乙女である「レナス」を操作しながら、死を目前に迎えた人間たちのドラマを見守り、「エインフェリア」をして共に神界で戦う英雄を見極めていく。


▲物語には、「メインストーリー」と「サイドストーリー」のほか、期間限定クエストで展開されるものもある。

物語は、クエスト前後に挿入されており、ひとつの章が5話程度にまとめられている。ここで、「スマホゲームのシナリオだから……」と見る前に思ってしまっている方、侮ることなかれ。本作では、各章ごとにひとりの人物にスポットを当て、そのキャラが体験するドラマや人間性を見事なまでに描き、最後には感情移入して感動してしまうほどにまで内容が詰め込まれている。


▲各章の冒頭には、真っ暗な背景に白字で、エインフェリアやその章に関連する人物たちの印象的な台詞が表示される。物語を追ううち、言葉の真意が読み解けるようにシナリオが展開するので、クエストが進むほど物語にのめり込んでしまう。


▲長き眠りより目覚めたレナスは、オーディンの配下である「ムニン」と行動を共にする。



▲それぞれのキャラたちは、一筋縄では解決できない問題を抱えている。レナスは、これを如何に解決、対応するかなど、その人物の真なる心を見てエインフェリアとして相応しいかどうかを選定していくこととなる。

そこまで想いを知って仲間にしたキャラであるからこそ、パーティ加入後の愛着も一入。数値的な強弱やパーティバランスを超えたところで好みの差が出てくることもあり、よりキャラに愛を持って接することができるような仕組みになっている。
 

■マップ探索は手軽ながらもワクワクを損なわないスマホにマッチしたシステム


クエストは、APを消費してタップで歩を進め、最奥に待ち構えるボスを撃破することが目的となっている。


▲クエスト出撃前には、出現する敵の予測や弱点などが分かるように。

各マップには、武器などのアイテムが入った「宝箱」をはじめ、平均的な強さの「通常的」、通常よりも強い「強敵」、ダンジョンの奥で待ち受ける「ボス敵」という3種類シンボルが配置されている。初回クリア報酬や、全エリア踏破報酬として「秘石」がもらえるので、すべてのエリアを回ってからボスを撃破したいところ。


▲クエスト内では、初めて足を踏み入れるエリアはAPを消費するが、一度入った場所に戻る分にはAPは消費されない。


▲特定の条件を満たすことで新たな道が現れることも。

ボス以外の敵は、隣接したエリアから晶石をぶつけて撃破することができる。晶石の使用回数はクエストによって決められており、使用してもAP消費はない。ただ、晶石で敵を倒した場合には経験値や金貨が手に入らないという点にだけご注意いただきたい。


▲シリーズお馴染みの晶石アクションは、本作ではこのような形で実装されている。

そのほか、各エリアで1度まで、APを消費して「探索」を行うことが可能。探索を行えば隠されたアイテムが手に入ることがあるが、ときにはモンスターを発見してしまいバトルになってしまうことも……。ちなみに、クエストの途中でAPが0になると「探索」、「休息」こそ行えなくなるものの、移動は可能となっているため、ボスを倒すことができればクエスト失敗にはならない。


▲HPやAPに余裕があるなら、怪しげな場所は積極的に探索していきたい。


▲ボス戦前など、HPが心もとないと感じたら休息で回復。消費APの量がほかの行動に比べて多めになっているので、なるべく少ない回数でクリアしたいところ。


■戦闘システムは過去作を踏襲 コンボを繋げる爽快感が満点!


戦闘は、キャラアイコンをタップすると自動で攻撃してくれるという便利なもの。ただ、各キャラごとに固有のアクションや1ターン内での攻撃回数が定められており、仲間と連携してコンボを繋げる必要があるため、単にタップすればいいというものではない。スワイプでは武器によって定められたアクションスキルが使えるようになっているため、多彩な連携が考えられる。


▲コンボを繋げることで、獲得経験値が上昇する「魔晶石」や、獲得金貨が増える「金晶石」がドロップすることがある。晶石をはじめ、タップとボタンなど、形は違えどシリーズ従来のシステムが再現されているのはファンにとって嬉しいポイント。


▲戦力差のある相手なら、オートモードを使用するのもアリ。


▲また、クエスト中、決められた回数だけサポートキャラクターにアクションスキルを発動してもらえる。もちろん、サポートの攻撃もコンボに組み込まれるので、ここその場面で頼りにしたい。

そのほか、HPはパーティ全体の合算値となっており、0になればその時点でクエスト失敗となる。特定のキャラだけが倒されることがないので、最後まで総力を挙げて敵に挑むことができる。


▲各キャラには、物理ガードと魔法ガードのいずれかが設定されており、発動すれば受けるダメージが半分になる。

さらに、敵に攻撃を当てることで溜まるピュリファイゲージを1以上ストックすれば、大ダメージを与えられる「ピュリファイアタック」を使用可能。ピュリファイアタックは味方のターン中であればいつでも発動可能で、ゲージのストック数が多いほど参加するパーティメンバーの数が増え、威力が上昇していく。なお、戦闘が終了すると、ストックされていないピュリファイゲージはリセットされてしまう。



▲レナスの必殺技「ニーベルンヴァレスティ」は今作でも健在。
 

■そして、耳からも『ヴァルキリー』の世界へ


最後に紹介しておきたいのは、桜庭統氏が手掛ける数々のBGMが本作の世界観をより広げてくれるという点だ。ユーザーからすれば、スマホのゲームを遊ぶ環境としては、通勤・通学途中の電車の中やちょっとした空き時間など、音を切ってプレイすることも少なくはないかと思うが、本作では是非ともサウンドをONにしてプレイしていただきたい。

過去作のアレンジ曲も多いことから、シリーズファンなら間違いなくテンションが上がることだろう。また、本作がシリーズ初体験となる新規ユーザーも、聴き込むほどにその世界に惚れてしまうはずだ。ゲームらしく、アップテンポの曲でバトルを楽しめるほか、シナリオでは感動を助長するような効果を生んでおり、先述した作品の魅力をさらに引き出してくれる。

もし、今までサウンドをOFFにしてプレイしていた、または、これから本作のプレイを考えているという方は、下記に公式より公開中のBGMを掲載するので試聴してみてはいかがだろうか。

【未確認神闘シンドローム/Second attack】


【The Immortal of Labyrinth】


【Behave irrationally PartⅡ】


【迷宮の果てより誘うは女神なり】

人気IPシリーズ久々の復活ということもあり、シリーズファンが楽しめる構造になっていることはもちろん、今回のレビューを通して感じたのは、新規ユーザーを虜にしてしまう要素がそこかしこに散りばめられているという間口の広さだ。特に、ファンタジーものや感動作、またはドップリとゲームの世界に浸ってプレイしたいという方には是非ともオススメしたい作品である。
 
(編集部:山岡広樹)



■『VALKYRIE ANATOMIA -THE ORIGIN-』

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会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス
設立
2008年10月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)
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