任天堂、第1四半期は386億円の経常赤字に ハードウェアの販売低迷や円高で為替差損が発生

任天堂<7974>は、7月27日、第1四半期(2016年4~6月期)の連結決算を発表し、売上高619億円(前年同期比31.3%減)、営業損益51億円の赤字(前年同期11億円の黒字)、経常損益386億円の赤字(同142億円の黒字)、最終損益245億円の赤字(同82億円の黒字)となり、大幅な減収・赤字転落となった。

 


WiiUとニンテンドー3DSのハードウェアの販売低迷に加え、利益率の高いダウンロード売上が減少したようだ。こうした状況に加え、為替レートが大きく円高に推移したことによる影響もあり、減収・営業赤字転落となっただけでなく、為替差損350億円が発生し、経常損益と最終損益も大きく赤字となった。

ハードウェア別の状況は以下のとおり。

ニンテンドー3DSは、ハードウェアの販売台数は7%減の94万台、ソフトウェアの販売数量は7%増の847万本だった。全世界で発売した『星のカービィ ロボボプラネット』が好調に推移したほか、米国では『ブレイブリーセカンド』を、欧州では『ファイアーエムブレムif白夜王国/暗夜王国』をそれぞれ発売し順調な滑り出しを見せた。

また、Wii Uでは、ソフトウェアの販売本数が3%増の468万本と伸ばしたものの、ハードウェアの販売台数が22万台(前年同期比53%減)と低迷した。『スターフォックス ゼロ』『スターフォックス ガード』や『マリオ&ソニックAT リオオリンピック 』に加えて、前期に発売した『Splatoon』や『スーパーマリオメーカー』も販売を伸ばした

一方で、amiibo(アミーボ)は、amiiboを使って楽しむ新作ソフトが少なかったため、フィギュア型が約170万体、カード型が約130万枚の販売にとどまったという。


 
■2017年3月期の見通し

2017年3月通期は、売上高5000億円(前年同期比0.9%減)、営業利益450億円(同36.9%増)、経常利益450億円(同56.3%増)、最終利益350億円(同112.1%増)を見込む。従来予想からは変更なし。

 


スマートデバイス向けアプリ『Pokémon GO』の周辺機器として、アプリと連動してプレイヤーにポケモンの存在を教えてくれる「Pokémon GO Plus」を販売するほか、スマートデバイスビジネスでは、『Miitomo』に続き、『ファイアーエムブレム』や『どうぶつの森』などを配信する予定だという。スマートデバイス向けアプリを継続的に投入することにより、任天堂IP(知的財産)に触れる人口の最大化を図り、新しい需要を作り出すとともに、ゲーム専用機ビジネスとの相乗効果を高めていく、としている。
任天堂株式会社
http://www.nintendo.co.jp/

会社情報

会社名
任天堂株式会社
設立
1947年11月
代表者
代表取締役社長 古川 俊太郎/代表取締役 フェロー 宮本 茂
決算期
3月
直近業績
売上高1兆6016億円、営業利益5043億円、経常利益6010億円、最終利益4327億円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7974
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