【TGS2016】アジア太平洋ゲームサミットが開催 類似点が多く見られる台湾と日本ユーザー

<以下、主催者発表のレポートを掲載しています>
 

日本で初めて行われる「アジア太平洋ゲームサミット」は9月15日東京海浜幕張で開催されました。台湾と日本、そしてベラルーシのゲーム業者を招き、ディベロッパー(開発)とパブリッシャー(リリース)など、異なった角度から台湾市場の経験談を共有していただきます。今回のサミットは、台湾の市場に進出計画のある日本のゲーム企業への産業交流の場であるとも言えます。

台北市コンピュータ協会主催、日本オンラインゲーム協会(JOGA)共催の「アジア太平洋ゲームサミット シェアリング in Japan」が海外公演ツアーの初回に「東京」を選んだのは、日台両国の経済と文化の交流があるためだけでなく、台湾のゲームプレイヤーが日本の漫画、アニメ、ゲームに夢中であることと、日台ゲームの連携や協力の基礎にも由来しているからなのです。

台北国際ゲームショウのマーケティング総監サイ氏はこう語っています。「ゲームの人気ランキングを見れば、台湾のゲームプレイヤーたちが日本、韓国、中国、更に欧米のゲームに対する受け入れ度がかなり高いことがわかります。」単一タイプのゲームに偏る中国や韓国とはちがって、台湾のゲームマーケティングでも見られるように、台湾は自由競争を世界全面に開放していることが特色なのです。

オランダのNewzoo調査会社のリポートでは、台湾の人口数は世界の第55位となっているものの、ゲーム産業価値は中国、日本、韓国に続いて世界第15位となっています。オンライン人口数の貢献度金額は一人当たり46.79ドルで、去年2015年よりもさらに25%成長し、アジアでは6位になります。

今日の午後に行われる「アジア太平洋ゲームサミット シェアリング in Japan」では、特にオンラインゲームのプロデュースで有名な株式会社 Aiming、株式会社ミクシィ、ウォーゲーミングジャパン、そして台湾のゲーム開発社ソネットエンタテインメント台湾と、FUN YOURSテクノロジーによる講演で、台湾でゲームの人気が高騰し続いている秘訣を共有していただきます。
 
台湾でも100万ダウンロード突破を達成した、日本の人気スマホゲーム『剣と魔法のログレス いにしえの女神』を開発する「株式会社Aiming」は、台湾のゲーム会社「株式会社FunYours Technology」とこれまでにも幾度となく協力しあってきた関係にあります。Aiming代表取締役の椎葉氏は以下のように述べています。まず最初にパートナー会社を選定する際に、お互いの会社の文化や背景、つまりどのようなゲームを開発し、運営の経験をどの程度持っているのかといったことをしっかりと理解しておくこと。信頼関係を築き、相互理解を図りつつ進めていくためにはこうした事前の情報が重要です。

台湾でマーケティングオペレーションと≪白猫プロジェクト≫、≪クイズRPG魔法使いと黒猫のウィズ≫等日本の人気ゲームの取り入れに力を入れている台湾So-netの永田 博丈CEOは、「一つのゲームの成功は、ゲームのクオリティだけでなく、運営会社の現地マーケットに対する鋭い観察力と精通度にかかっている。これらがあってこそゲームに相応しいマーケティングモデルを作ることができる。」と考えています。
 


ベラルーシのオンラインゲーム開発・運営メーカーWargamingの代表作≪World of Tanks≫、≪World of Warplanes≫は、それぞれ≪ガールズ&パンツァー≫、≪蒼き鋼のアルペジオ≫とタイアップしています。台湾支社の林杰良総経理兼アジア・マーケティング総監兼アジア業務開発総監は、「アニメキャラクターや映像を使ってプロモーションを行い、ゲーム人口を拡大し、IPファンのプレイヤーも取り込みたい。また台湾では、フェイスブックの普及率が70%あり、Facebookページにおいて台湾グループが自らが切り込んでいく他、プレイヤーが立ち上げた非公式FacebookページもWargamingが大きく注目している部分である。」と述べています。
 


同様に、台湾で抜群の人気を博し、日本スマフォゲーム人気ランキングで無敵の≪モンスターストライク≫は、台北国際ゲームショウ2017への出展を発表している他、台湾でのマーケティングの経験も共有していただきます。ゲームディベロッパーである株式会社ミクシィの大崎 敦士海外営業部長は、「異なる市場に対しては、その場所に向けた極端なローカライズを行ってゲーム内容を大幅に変更してしまうよりも、そのゲーム自体のおもしろさをユーザーに発信していくことが大事です。現地のユーザーのために、その場所に応じた独自の要素をゲームに入れることはありますが、やりすぎて本末転倒にならないようにしなければなりません。」と指摘されています。

台湾のプレイヤーのゲーム開発に対する見方は、ゲームのタイプに現れており、多くのプレイヤーが好むタイプには、キャラクターに扮するRPG、トレーディングカードゲーム、射撃ゲーム、シミュレーションゲーム、エデュケーショナルゲーム等があります。今年日本で≪勇気の少女 スマホ版≫、≪燐光のレムリア2≫等多くのゲームを販売を手掛けてたFun Yoursのゲームは、日本でも人気が衰えず、業績は上昇を続けています。

劉昱昌副社長は、「台湾市場は日本と似ているものの、日本のプレイヤーがゲームのストーリー性とフレームワークを重視しているのに対し、台湾のプレイヤーは、ゲームのルールやプロセスのスムーズ性を重視しており、費用についても、レベル、スキルアップができるのであれば受け入れられる。これは文化の違いによるものかもしれない。このようなことから台湾のゲーム研究開発者ならば、台湾マーケットの特色をすぐに把握し、加えて日本のゲームについても十分理解しているので、台湾への進出を考えている日本の業者は、台湾のゲームディベロッパーと提携することによって、真の意味で台湾の文化とプレイヤーの特色を掴むことができる。」と見ています。
 


Yahooと財団法人資訊工業策進会(資策会、III)産業情報研究所(MIC)調査の「2016年台湾ゲーム市場白書」によりますと、台湾のゲーム人口数は813万人で、ゲームプレイヤーの平均年齢は29歳。そのうち、Androidスマートフォンを利用したプレイヤーは65%を占めています。市場調査会社App Annieの2016年7月の調査結果では、台湾のスマホ普及率は78%で、世界各国のゲームを楽しむ傾向が高く、次の10億ドルのApp市場となることをApp Annieは予測しています。現に、台湾はアジア太平洋の中枢に位置しているので、西には中国、北に日本と韓国、更に南には東南アジアのエマージングマーケットがあり、台湾はまさに東南アジア市場に向けて推進するための重要な前哨戦とも言えます。

次回の「アジア太平洋ゲームサミット」の講演は、来年の「台北国際ゲームショウ2017」期間に開催されます。全世界業界のエリート講師を招き、ゲーム産業の最新情報とトレンドを語っていただきます。イベント開催予定日は2017年1月19日から1月20日までとなっています。詳しくはイベントの公式サイトをご覧ください。