電通、フランスのウェブ・アナリティクス会社ワサビ社を完全子会社化へ フランスにおけるグループのデジタル・プレゼンスを強化

電通<4324>の海外本社電通イージス・ネットワークは、フランスにおけるグループのデジタル・プレゼンスを高めるため、同国の有力ウェブ・アナリティクス会社Wasabi Analytics SAS(本社:パリ、以下「ワサビ社」)の株式100%を取得し、完全子会社することを発表した。

デジタル広告の代表的な効果測定手法の一つに、サーバーのログ解析を行う「サーバーセントリック」がある。そしてサーバーセントリックは、広告配信サーバーのログ解析を行う「アドセントリック」と、ウェブサーバーのログ解析を行う「サイトセントリック」の2種類に大別される。

2010年に設立されたワサビ社は、主にウェブサーバーのログに基づくユーザーの行動分析、すなわちサイトセントリックに強みを持ち、独立系のアナリティクス会社としてはフランスで唯一の“Google Analytics Premium Authorized Reseller”(グーグル・アナリティクス・プレミアムの認定販売代理店)となっている。

これまでフランスにおける電通は、アドセントリックに強みを持つグループ会社iProspect(アイプロスペクト)を中心にビジネスを展開してきたが、株式取得後、サイトセントリックに強みを持つワサビ社をiProspectのフランス拠点に組み込む。これにより、顧客ニーズの高い分野である統合的なデータソリューションとデジタル広告の効果測定では、同国トップクラスのサービス提供が可能になり、グループのプレゼンスとビジネス基盤はより強固なものになる。

グループのメディア・コミュニケーション・エージェンシーであるCarat(カラ)が行っている世界の広告費成長率予測(2016年9月)によると、フランスにおけるデジタル広告費は2015年にテレビを抜き最大の広告媒体へと成長しており、2015年は前年比で5.5%増となった。2016年、2017年もそれぞれ5.6%増、5.0%増と堅調な成長が続くと予測している。

なお、この完全子会社化が電通の2016年12月期の連結業績に与える影響は軽微としている。

【ワサビ社の概要】
社名:Wasabi Analytics SAS
本社所在地:フランス・パリ市
設立:2010年1月
株主構成:株式取得後、電通イージス・ネットワーク 100%
収益(Revenue):94万7,000ユーロ(約1.1億円)(2015年12月期)
代表者:Sébastien Manaches (CEO)、Georges Arnould (CTO)
従業員数:9名
事業内容:ウェブ・アナリティスクスのサービスを提供