トーセ、16年8月期は7月発表の修正予想比で上ブレに…最終益は一転9300万円の黒字に 据置型・スマホ向けの顧客の仕様の追加で開発売上が増加

ゲームソフト開発のトーセ<4728>は、10月7日、2016年8月期の連結決算を発表、売上高48億7400万円(前々期比12.6%減)、営業利益2億5900万円(同50.0%減)、経常利益2億円(同70.3%減)、当期純利益9300万円(同77.6%減)と減収減益となった。
 

ただし、7月7日発表した修正予想との比較で見ると、売上高は従来予想比1.3%増、営業利益は同90.2%増、経常利益は同4.2倍、当期純利益は従来予想の4300万円の赤字から一転黒字転換といずれも上ブレでの着地となっている。
 

売上高は、主にゲームソフト開発事業において据置型ゲーム機向けやスマートフォン向け大型ゲームの開発案件に関して、顧客の仕様の追加により開発費が増額となったことに伴い、開発売上が増加した。一方、利益面は、事業部門における労務費といった売上原価の大幅な改善並びに販売費及び一般管理費の削減に努めた結果、前回予想を上回った。また、想定為替レートに対して円安で推移した結果、保有・運用する外貨建資産の評価損や為替差損が予想を下回ったことも経常利益、当期純利益にはプラス要因となった。

主なセグメントごとの状況は以下の通り。

①ゲームソフト開発事業…売上高33億1100万円(前々期比15.5%減)、営業利益2億2400万円(同65.0%減)
開発条件の良い案件や有力タイトルの引き合いなど受注環境が良好に推移する中、据置型ゲーム機向けやスマートフォン向け大型ゲームの開発案件において、顧客の仕様の追加により開発費が増額となったものの、スマートフォン向け大型ゲームの対応に多数の要員を投入したことから、予定していた引き合い案件に関して要員を確保することができず、残る人員体制では受注することができなかった。ロイヤリティ売上については、期中に開発完了したニンテンドー3DS向けタイトルを中心に好調に推移した。

②モバイル開発事業…売上高11億5800万円(同5.1%減)、営業利益2億6600万円(同52.7%増)
スマートフォン向け大型案件を計画通り完了できたことに加え、過年度に開発を完了したコンテンツの一部の追加開発案件に関して、当初より開発費が増
額となったものの、一部の新規案件で受注に至らなかった案件が発生した。運営売上は、既存の案件が概ね順調に推移したことに加え、大型のスマートフォン向け案件の運営業務を開始した。ロイヤリティ売上は、スマートフォン向けコンテンツ及びパソコン向けSNSのロイヤリティ売上が好調に推移した。

なお、2017年8月期通期の予想については、売上高が60億8600万円(前期比24.9%増)、営業利益7億3100万円(同2.8倍)、経常利益7億6800万円(同3.8倍)、当期純利益4億4600万円(同4.7倍)の見込み。
 

 
株式会社トーセ
http://www.tose.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社トーセ
設立
1979年11月
代表者
代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
決算期
8月
直近業績
売上高56億6200万円、営業利益4億6900万円、経常利益5億500万円、最終利益3億1000万円(2022年8月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4728
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