【SPAJAM2017】激戦の東京B予選を制したのは「SEASON RAPPER」を開発したRising Sun



モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は、6月3日~4日、国内最高峰のアプリクリエイター競技会「スマートフォンアプリジャム2017(SPAJAM2017)」東京B予選をコロプラ本社で開催した(同時進行で仙台でも予選が行われた)。
 
今回のテーマは「季節」。これに基づいて参加した12チームがアプリ開発を行い、「SEASON RAPPER」を開発したチーム「Rising Sun」(写真)が最優秀賞を獲得し、本選出場を決定した。また優秀賞は、おむせん、魔法使いとサリーちゃん、くいしんぼ中むら(土佐山田店)が獲得した。 


 
【最優秀賞】

Rising Sun「SEASON RAPPER」
AITalkを活用したもので、季節に即したラップをつくってラップ対決ができるアプリ。作ったラップをテキスト化し、独自の解析ロジックで採点し、勝敗を決する。季節に関連した単語の有無や、韻を踏んでいるかどうかなどを採点する。
【総評】とにかくハイクオリティな発表だった。和歌や季語からラップへ、という「季節」というテーマの掘り下げ方も面白かった。「ラップバトル」という最近の流行にも乗っている。音声認識から読み上げにつなげるなど、プロダクトも素晴らしい。

ちなみに、記者は初日にこのチームのメンバーに頼まれて集合写真(プレゼン用の資料に使ったようである)を撮影したので強く印象に残っていた。肉体派のメンバーが多いなと思っていたが、このうちの2人は今度、ボディメイクの大会にも出場するそうである。
 


 
【優秀賞】

おむせん「お外(のUV)で黒コゲしげるっち」
アルプス電気のセンサーモジュールを使って、UV(紫外線)値を取得し、その日のUVの危険度が判定できるアプリ。危険度に応じて「しげるっち」の色が変化する。プロモーション動画を用意してプレゼンテーションを行なった。
【総評】プロダクトとしてまとまりが良かった。アルプス電気のセンサーモジュールを実際に使うところまで落とし込んでいた。また冒頭に上映したPVも素晴らしかった。
 


魔法使いとサリーちゃん「北風と太陽」
季節ごとに登場する女の子の好感度をあげていくと服を脱ぐ恋愛シミュレーションゲーム。位置情報を使いその場にいる天候情報を取得、例えば暑かったらうちわで仰ぐと好感度が上がる。アルプス電気のセンサーモジュールを活用。
【総評】初出場で実機できちんと動作するものが実装できたのは素晴らしい。加速度センサーを真面目に使っていて、「脱がせる」かどうかの判定もしっかりと数値計算を行っていて好感が持てる。「技術の無駄遣い賞」ともいうべきものだが、ハッカソンらしいプロダクトに仕上がっている。
 


くいしんぼ中むら(土佐山田店)「BEERs」
ビールの注ぎ方を採点してくれるアプリ。ビールの注ぎ方(傾き)に加えて、黄金比率(麦7:泡3)になっているかどうかを採点してくれる。
【総評】アプリのUXが非常にわかりやすく、プレゼンをみた瞬間、やってみたい、触ってみたいと思わせるものだった。あえて欲を言えば、もうちょっとゲーム性が何かプラスされるとさらによかったのではないか。
 


 
【参加作品】

カラカマニキ「オハヨウプラス」
アラームをセットした時刻に起こしてくれる目覚ましアプリ。あさひちゃんより多く早起きすると高感度がアップして彼氏になれる。起きるのがつらい季節でも早起きができる。実演コーナーではたびたび笑いが起こった。
 


Ferix「Siki」
正岡子規と触れ合えるアプリ。子規の頭を撫でるとテーマに基づいて俳句を読んでくれる。ネットから記事を検索し、単語を拾って俳句を自動生成する。ただ季語がないため、サジェストされた「季語」を追加して完成する。
 
 
 
3年Vim組日八先生「Emotion planet」
神となって季節を司るアプリ。自身のTwitterアカウントのツイート内容からアカウントの特徴を分析し、季節に合わせて表現してくれる。
 


キリンさんチーム「キリンさんうぉーかー」
行く日や移動距離を選択し、春・夏・秋・冬と季節ごとのちょっとした刺激的なおでかけスポットを提案してくれるアプリ。
 


WCDI「mystar」
自分だけの星座を作ることができるアプリ。オリジナルで制作した星座は、ソーシャルメディアでシェアできるだけでなく、VRなどで楽しむことができる。
 


YDAGame's「SIKI WARS」
夏場にいつも叩かれているスイカが他の季節のものを仲間にして人間に反逆していくアクションシューティングゲーム。VRゴーグル「ハコスコ」にも対応しており、ヘッドバンギングで切る、といったこともできる。
 


チーム5000兆「アツ×カン」
エアコンのリモコンのリモコン。教室などのエアコンの寒暖の状況を表明できるアプリ。先生は、教室内の寒暖の状況を把握して、快適な温度に設定できる。
 


アラザン「四季めぐり」
他の人と協力して四季の妖精を育てるゲーム。妖精を1日だけ育成することができ、その妖精は他の人に移動する。そして他の人から送られた妖精を育成する。5日目になると妖精から手紙が届き、どのように育ったかがわかる。
 


審査委員を務めた増井雄一郎氏(トレタ)は「他の予選でも審査したし、本選の審査も行ったが、東京予選のレベルは非常に高い。社会人は同じ会社の人と参加しているため、チームワークができていてプロダクトの質が高く、プレゼンテーションもしっかりとできているところが多かった。」と総評を述べた。そして、学生参加者に向けては「社会人になると、短時間でモノを作ることが多い。次回以降も参加して、短時間で動くモノを作って実装し、発表することまでやっておくと、会社員や個人としてモノを作る時にかならず役に立つ」と激励した。
 


最後にSPAJAM実行委員会副委員長の越智政人氏(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)は、「東京予選は応募が多く、書類選考で落選となるケースが多い。その書類選考を突破しただけあって、どのチームもレベルが高かった。賞を取った・取らないに関係なく、参加した方は多くのことを学べたのではないかと思う。主催者としては、SPAJAMへの参加をひとつのきっかけとして、次のアプリ開発などにつなげてもらえると嬉しい」と述べて、東京予選Bを締めくくった。
 



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【SPAJAM2017】東京B予選が開幕! 今回のお題は「季節」 12チームが本選出場をかけてアプリ開発で競う



東京B予選 概要
・日程:2017年6月3日(土)~4日(日)
・会場:(株)コロプラ
・参加チーム数:12チーム(56名)
・テーマ:季節


【審査員】
増井雄一郎氏:株式会社 トレタ 開発部CTO
藤原康則氏:株式会社バンダイナムコエンターテインメント NE事業部第3プロダクション プロデュース一課アシスタントマネージャー
三浦克浩氏:株式会社サイバードゲーム事業本部開発統括部
高松真平氏:株式会社アカツキ ライブエクスペリエンス事業部 エンジニア


 

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