IGポート、17年5月期は営業益24%増と増益 利益率の高い版権事業の好調で予想を上ブレ 最終益は子会社の減損による特損計上も

IGポート<3791>は、7月14日、2017年5月期の連結決算を発表、売上高75億8900万円(前々期比5.3%減)、営業利益5億2000万円(同24.7%増)、経常利益5億4100万円(同34.2%増)、当期純利益2億2800万円(同34.7%増)と2ケタ超の増益で着地した。

また、第3四半期決算発表時に開示していた予想対比で見ると、売上高は従来予想比4.1%増、営業利益は同44.1%増、経常利益は同46.8%増と予想を上回ったものの、当期純利益は同1.1%減と予想を下回った。
 

映像作品などへ出資することにより得られる収益分配収入などの版権事業が好調に推移し、売上高は計画を上回った。利益面については、映像制作事業のアニメーション制作は厳しい状況が続いたものの、利益率の高い版権事業が伸びたことで、営業利益、経常利益ともに予想を上ブレした。なお、当期純利益については、アニメーション制作を行う子会社2社の固定資産の減損による特別損失を5800万円計上したことが影響している。

各セグメントごとの状況は以下の通り。

①映像制作事業…売上高44億9600万円(前々期9.4%減)、営業損益1億円の赤字(前々期1億2500万円の赤字)
劇場用アニメーション「黒子のバスケ LAST GAME」「ひるね姫~知らないワタシの物語~」、テレビ用アニメーション「ハイキュー!!烏野高校VS白鳥沢学園高校」「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」「フューチャーカード バディファイトDDD」「進撃の巨人 Season2」「CYBORG009 CALL OF JUSTICE」など、ビデオ用アニメーション「魔法使いの嫁」など、その他、ゲーム用・遊技機用のアニメーション、プロモーション用実写ドラマ「踊る大空港、(略)」などを制作した。一方、作品をヒットさせるため受注を絞りクオリティーを重視したことにより、制作コストが増加した。

②出版事業…売上高15億6300万円(同0.7%減)、営業利益2億5900万円(同17.5%減)
コミック誌の定期刊行物は「月刊コミックガーデン」(12点)を刊行した。書籍(コミックス、ノベルス、画集を含む)は「魔法使いの嫁」「あまんちゅ!」などの最新刊など、特装版・初回限定版9点を含む107点を刊行した。また、今秋にテレビアニメ化が決定している「魔法使いの嫁」のほか、「もののべ古書店怪奇譚」「とつくにの少女」といった既刊コミックスの販売が好調だった。

③版権事業…売上高11億7400万円(同3.8%増)、営業利益4億3100万円(同29.8%増)
「進撃の巨人」「ハイキュー!!」「甲鉄城のカバネリ」「魔法使いの嫁」「CYBORG 009」「攻殻機動隊」などのシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上した。また、映像マスターの減価償却費が減少し、利益率が改善した。

④その他事業…売上高3億5500万円(同3.4%増)、営業利益3500万円(前々期1000万円の赤字)
雑誌のイラスト描きやキャラクターの商品販売、スマートフォン向けアプリなどを展開した。

なお、続く2018年5月期通期の予想については、売上高95億9200万円(前期比26.4%増)、営業利益5億6100万円(同8.0%増)、経常利益6億1000万円(同12.7%増)、当期純利益3億5600万円(同56.0%増)の見込み。
 
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