【ドリコム決算説明会】内藤社長「売上拡大を重視する局面」 『みんゴル』寄与し第2四半期は過去最高の売上高 新作ラッシュ落ち着く来期は利益拡大へ



ドリコム<3793>は、10月30日、第2四半期(4~9月)の連結決算を発表するとともに、東京都内で証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を開催した。発表した決算は、売上高62億100万円(前年同期比82.2%増)、営業利益1億6700万円(同54.0%減)、経常利益5900万円(同81.4%減)、最終利益3600万円(同79.0%減)と増収減益となった。

ただし、第2四半期会計期間(7~9月)の業績をみると、前四半期との比較(QonQ)で増収・増益となっている。売上高36億2900万円(前四半期比QonQ41.1%増)、営業利益1億3200万円(同280.3%増)、経常利益4200万円(同143.1%増)、最終利益4000万円(前四半期400万円の赤字)となった。
 


決算説明会に臨んだ内藤裕紀社長(写真)は、新作タイトルが来期(2019年3月期)から本格的に利益に寄与するとの見方を示した。リリース直後は、開発担当と運用担当というチーム編成となるため、運営費が安定期の倍になるうえ、IPタイトルということで初期に広告宣伝費を増やす必要があるためだ。このため初年度は利益が出づらく、運用が落ち着く半年後から利益貢献が始まるという。

新作タイトルについて、「リリース後すぐに売上拡大と収益力向上を同時に行えればいいのだが、両方同時に行うと、かえって長い目で見で成長率が下がってしまう。当社のこれまでの歴史をみても、収益化フェーズに入った場合、短期間で利益を上げることは可能だ。当面は、売上拡大を重視したい」と述べ、来期からの収益化への自信を示すとともに、今期の保守的な業績予想に理解を求めた。


 
■第2四半期は『みんゴル』など貢献し過去最高の売上に

まず、前四半期(4~6月期)を振り返ると、売上高25億7200万円(QonQで5.2%減)、営業利益3400万円(同91.6%減)だった。『ダビマス』については、この四半期では、『ダビスタ』ファンから競馬ファンに向けたプロモーション活動を展開したため、広告宣伝費が利益を圧迫した。また採算性の高い他社配信アプリの比率が低下し、自社配信アプリの売上比率が上がったことも収益を抑える要因となった。
 


続く第2四半期は、売上高が36億2900万円(QonQで41.1%増)、営業利益1億3200万円(同280.3%増)と大幅な増収増益となった。『みんゴル』など7月にリリースした新作タイトルが寄与し、過去最高の売上高となったことに加えて、他社配信アニメIPゲームが引き続き好調を維持した、としている。費用面では、広告宣伝費を中心に抑制することで大幅な増益につながったとのこと。
 


トピックスとしては、『ダービースタリオンマスターズ』の運用に課題があったことを明かした。これまで新規開発チームが同タイトルの運用を担当していたものの、運用を重視したチームに移行したという。8月に売上が落ち込んだものの、その後、ニーズの再検証・再定義を行い回復してきたそうだ。リリース1周年と秋のG1シーズンに向けて、再度の拡大を目指していく考え。
 


フォワードワークスとの『みんゴル』は7月のリリース後、400万ダウンロードを突破した。「みんなでゴルフ」(マルチプレイ)が先日ついに実装となった。待望のコンテンツということもあり、「グランドオープンしてから多くの方に遊んでいただいている」。スポーツゲームのため、プレイヤーのスキルに依存する部分が大きいが、アクティブユーザー数を増やして売上の拡大を目指していく。
 


 
■下期の見通し

第3四半期(10~12月)の業績見通しは、売上高37億9900万円(前四半期比4.6%増)、営業利益400万円(同96.9%減)、経常損益5900万円の赤字、最終損益6600万円の赤字を見込む。増収となるものの、記事の冒頭でも触れたように、新作リリースとそれに伴う費用が先行して発生するため、本業の儲けを示す営業利益はトントンとなる見通しだ。ただし、「保守的に見積もっている」とのこと。
 


業績予想の立て方は、第2四半期と似ているという。第2四半期にリリースしたタイトルの運用費の高止まりが見込まれるほか、第3四半期において2~3本の新作をリリースする予定だ。足元で新作のクオリティが上げる必要があるため、1本期ズレする可能性があるという。『ダービースタリオンマスターズ』については1周年と秋冬のG1シーズンに合わせて広告宣伝を強化し、約8500万円を支出する計画。
 


その他のトピックスは以下のとおり。

【速報3】ドリコム、『きららファンタジア』の事前登録・Twitterフォロワー数の増加は予想上回る
【速報2】ドリコム、来期(19年3月期)から収益化フェーズに移行 今期は先行投資を行い売上拡大を追求
【速報1】ドリコム内藤社長「新作のクオリティと開発費がもう一段上がった」 新規IPタイトルはクオリティを最重要視し確実なヒット狙う
株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高108億円、営業利益22億8100万円、経常利益21億9200万円、最終利益11億5900万円(2023年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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