グリーと千葉大学教育学部、小学校でゲームを遊びながら「英語」を学べる授業を実施…使用する「学習ゲームアプリ」は学生たちが自ら制作

グリー<3632>と千葉大学教育学部藤川研究室は、「ゲーム×学び」をテーマにしたCSRの一環として制作した学習ゲームを使った千葉大学教育学部付属小学校の児童向け模擬授業を、1月17日に実施した。本取り組みは、2013年度より、グリーと千葉大学教育学部藤川研究室が「ゲームの力を教育の未来へ」と題し、将来的に「教育の情報化」を担う教員を養成することを目的とした共同授業を進めているものである。
 
今回は、千葉大学教育学部の学生が本授業を通じて制作した英語学習ゲームを使い、付属小学校の6年生児童に対して模擬授業を行った。本稿では、当日の様子をレポートとしてお届けしていく。
 
なお、共同授業の一環として2017年10月に実施された、グリー取締役 上級執行役員の荒木英士氏による特別講義についてもレポートを公開しているので、興味のある方は併せて読んでいただきたい。
 
【関連記事】
グリーと千葉大学教育学部の共同授業で荒木英士氏が特別講義を実施…「アイデアを製品企画に落とし込む方法論」を展開

 

■学生たちがゲームアプリを使って「分かりやすく」「面白い」授業を展開

 
今回の模擬授業は、4班に分かれて、1・2時間目(各30分)に3クラスで授業を行った。今年度の学習テーマは「アクティブラーニングの授業を補助する英語学習ゲーム」の制作だったため、どの班も「英語」を扱った作品を使用して授業を展開したが、その内容はツアープランナーや道案内をしながら日常英語を学べるものから、YouTuberやお正月といった流行りや季節感を取り入れたものまで、チームよって特色あるアプローチが試みられていた。
 
また、模擬授業は来週(1月24日)にも行われるため、本日の経験を踏まえたうえで次回に向けての課題や対策を各班のリーダーに話していただいた。
 
●A班「Chiba tour」
A班は、ツアープランナーとして留学生に千葉を案内しながら、”What did you do?”の使い方を学べるアプリを制作。ゲーム内にクイズを盛り込んだり、アプリに加えてプリントを配布することで、学んだ英語をすぐに書いて覚えられるような工夫が凝らされていた。
 
 
 
▲各チームのゲームはデザインからシステム、プログラミングまで、全て生徒の手によって作り上げられている。
 
模擬授業終了後には、A班リーダーが感想と今後の課題として、全ての児童をサポートするために教室内を見回るよう意識したが、まだ充分には行き届いていなかったため、次回は教室のエリアごとに担当を決めて生徒を見て回れるようにしたいと語ってくれた。
 
●B班「ピンキーと魔界の大冒険」
B班は、謎のキャラクター・ピンキーを案内しながら、道案内のフレーズを学べるアプリを制作。こちらは、外国語指導をする教員を支援するアプリという目的で制作されたとのこと。ゲームとしても目的やストーリー付けがしっかりとされており、シナリオの面白さからも英語の面白さを伝えたいという意思が伺えた。
 
 
 
▲最後は魔界に迷い込んだ主人公を人間界に戻すため、学んだ英語を披露して門番の出題をクリアしていくというゲームらしい展開も。
 
模擬授業終了後、B班リーダーは、ゲームをプレイする部分で児童によってクリアするまでの時間に差があったため、早く終わった人のことも考えてさらに時間を有効活用できるような授業にしたいと話してくれた。
 
●C班「手伝ってほしい」
C班は、YouTuber・HARUKINから「英語の動画を撮る手伝いがほしい」という依頼を受けたことから、動画の完成を目指すことが目的のアプリ。ゲーム内でカフェに訪れたときのシチュエーションを学び、最後には隣同士で実際に店員と客となって会話を行うという授業が展開された。
 
 
 
▲2人1組で1台の端末を操作するため、隣の生徒同士で活発に会話が生まれていたのが印象的だった。
 
ゲーム制作時、C班では「ゲームとして面白い」ものを追及しすぎた結果、「授業で使える学習アプリ」という目的から外れてしまい、今回のものへと内容をガラッと変える大工事もあったという苦労話を明かしてくれた。
 
●D班「お正月を伝えよう」
D班は、留学生と英語での会話を通して日本の文化についての学習を進め、音声とつづりの関係を理解するという主旨のアプリを作成。4班の中で唯一、1人1台に端末を配る方向で授業を進めた。また、ゲームプレイ後に、学んだ英文を隣の子と発表し合うというパートを設けていた。
 
 
 
▲テキストだけでは分からない発音の違いは、ゲームの中に音声を組み込んだり、実際に前に出て声で伝えることでより分かりやすい授業
 
D班のリーダーは、実際に授業を実施した感想として、児童の実態など、今まで想像しかできなかった部分を今回肌で感じられた点が良かったと語ってくれた。
 
 
(取材・文 編集部:山岡広樹)
 
 
【関連記事】
グリーと千葉大学教育学部の共同授業で荒木英士氏が特別講義を実施…「アイデアを製品企画に落とし込む方法論」を展開

 
グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高754億4000万円、営業利益124億9800万円、経常利益130億8600万円、最終利益92億7800万円(2023年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
企業データを見る