ソフトバンク、高速移動時の5G回線利用で1ms以下の低遅延通信に成功 トラックなどの遠隔監視や遠隔制御に期待も

ソフトバンクは、高速移動中のトラック(時速50km~90km)と5G実験基地局間での信号伝送の実験を実施し、無線区間(片道)の遅延時間が1ms*以下となる低遅延通信に成功したと発表した。またトラックの隊列走行実験において、後続車両に搭載されたカメラで撮影した映像を、車両間通信により先頭車両に配信する大容量映像のリアルタイム伝送にも成功している。

今回の取り組みは総務省の「高速移動時において1msの低遅延通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討の請負」によるものだという。
 
* 1ms:1,000分の1秒

 
■各実証実験について
 
1. 高速移動時における1ms以下の低遅延通信



5Gの候補周波数帯である4.7GHz帯を使用して、5Gの実験基地局とトラックに搭載した5Gの移動局間での信号伝送実験を行い、高速移動時において1ms以下の低遅延通信に成功した。この技術は、トラックなどの遠隔監視や遠隔制御など、さまざまな活用が期待されている。


2. 車両間直接通信による4K映像のリアルタイム伝送



5Gの候補周波数帯である28GHz帯の5Gの実験局設備を使用して、走行中の先頭車両と後続車両間で直接通信を実施し、後続車両のカメラで撮影した4K映像(伝送速度:約1Gbps)を先頭車両へリアルタイムに伝送することに成功した。この技術は、走行する車両の周囲映像の共有化などによる安全運転や協調運転での活用が期待されている。


3. 5Gの基地局を経由した4K映像のリアルタイム伝送



5Gの候補周波数帯である4.7GHz帯を使用して、高速移動中のトラックの隊列走行時に後続車両に搭載したカメラで撮影した4K映像(伝送速度:約200Mbps)を、5Gの実験基地局を経由して先頭車両へ配信し、低遅延かつ高画質映像を先頭車両のモニターで確認することができた。この技術は、車両の遠隔監視や遠隔制御、協調運転などでの活用が期待されている。

ソフトバンクは、今回の実証実験の結果を踏まえ、5G移動通信システムが持つ「大容量」「低遅延」「高信頼」の無線能力を生かして、トラックの隊列走行時の車両間や、車両と運行管制センター間の通信に5G移動通信技術を適用し、引き続きその実用化に向けて技術検証および実証評価を行っていく、と説明している。
 
ソフトバンク株式会社
https://www.softbank.jp/

会社情報

会社名
ソフトバンク株式会社
設立
1986年12月
代表者
代表取締役会長 宮内 謙/代表取締役社長執行役員兼CEO 宮川 潤一/代表取締役副社長執行役員兼COO 榛葉 淳/代表取締役副社長執行役員兼COO 今井 康之
決算期
3月
上場区分
東証プライム
証券コード
9434
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